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第七話 トルテ、ルイ、アクア、ノエル、ロランside

 ムシャムシャ、と魔王の部下に当たる人物たちは、ひたすら魔王様の作る料理を平らげていた。


「何で、魔王様に料理を作らせてるのよ!そう言うのはメイドであるアンタの仕事でしょ!?」


 ルイは真正面に座って、同じく料理を平らげているトルテにきつくあたっていた。


「魔王様の趣味が、料理だそうです。この行為は今後も続きます。」


そんなルイを軽くあしらうと、トルテは再び料理を咀嚼し始める。


「でも、この料理とってもおいしいよ。地界でも食に関しては魔界より発展してるけど、こんなに美味しい料理なんて作り出せる種族なんていないんじゃないかな?」


 ノエルは勢いよく料理を食べてはいるものの、その視線は料理に釘づけだった。


「zzz。」


 ロランに至っては、眠りながらも食事を続けている。  


 この光景を見れば、躑躅の料理の腕が、とても優れていることが分かる。けれど、肝心の躑躅の標準基準が、日本の時と同じ状態のため、これでやっと満足のいく食事を作れるくらいにしか、思っていなかった。


「でも、私たちは人間みたいに、定期的にエネルギーを摂取する必要は無いから、こんなに沢山食べる必要無いのよね。」


ルイは料理をチラリと眺めると、残念そうに呟く。


「でしたら、魔王様に言ってさしあげましょうか?ルイは魔王様の食事は食べられませんと。」


さっきの仕返しとばかりに、トルテがルイを挑発する。


「魔王様がいなければ、今すぐアンタを黒こげにしてやる!」


その挑発にのるように、ルイから激しい怒りの表情が窺える。


「ルイ、五月蠅い。」


 周りが騒がしいせいで起きたのか、ロランが不機嫌そうにルイを睨んでいた。


「分かったわよ!静かに食べていればいいんでしょ!」


ルイは、何処か拗ねた様に再び料理を食べる。


「ロランおはよう。」


「ん、おはよ。」


お互い年齢が近いという事もあって、ロランとノエルの仲は良かった。


「ところで、何で僕料理食べてるの?」


その言葉に、思わずその場に居たルイとトルテとアクアの気が抜けた。


「凄いよね。これ魔王様が作ったんだって。」


そんなロランに、ノエルはまるで自分の事の様に、嬉しそうに語った。


「へえ、すごいね。」


そのことに感心したようにするロラン。


「お前ら、飯は静かに食えよ、行儀悪いぞ。」


アクアは料理を食べ終わって、既に食器の後片付けをしていた。


「アンタ、何時の間に食べ終わったのよ!?」


 料理は食べ続けていたものの、いつの間にか食べ終わっているアクアにルイは驚いていた。


「お前らが、くだらない喧嘩をしているときにな。」


アクアは呆れた様に、ため息をつきながら言った。


「ごちそうさまでした。」


トルテも完食したのを見るとルイも急いで食べ始めた。


「ごちそうさま。」


食べ終わるとルイも同じように食器を片づけた。


 実はこの光景を躑躅は目撃していたが、流石に話しかけられないなと思い、1人でオムライスを頬張っていた。


「あ、美味しい。」


躑躅は食に関わるところでたくましかった。

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