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第五話 カオス

 その後トルテさんの一喝によりなんとかその場は正常に戻った。そして私はというと


「えっと、魔王に成りました。東城とうじょう躑躅つつじです。」


 自己紹介をしていた。部下たちの前で。


「最初は私からね。名前はルイ、種族はインキュバス。魔法は相手の魔力や生命力の吸収、あと、雷系の魔法を一通り使えるわ。」


 簡潔な自己紹介をしてくれた。そしてインキュバスと言っていたのでやはり性別は男なんだろうという事も発覚した。私の記憶が正しければ、サキュバスが女の子だった筈だし。


「それと、私は体は男だけど中身は女だからそこんとこよろしくね。」


やっぱりオカマさんなんですね。と納得していた。


「次は俺だな。名前はアクア、種族はセイレーン。魔法は水や氷系を使用している。こんな形だけど女だからよろしくな。」


 女の人だった。魔族の性別は分かりにくい物なんだろうか?と思ったけどでも、人種というか性別の種類が豊富といった方が的を得ている気がした。


「次は俺だね。名前はノエル、種族はドラゴン。魔法は炎系使うんだ。よろしくね。」


 子供の様に無邪気な顔で話す彼の顔には、鱗があった。触ってみたいなあと1人考えていたけど流石に失礼だと思ったのでやめました。


「僕はロラン、種族は夢魔。相手を眠らせる魔法をよく使う。よろしく。」


と簡潔に自己紹介をするとまた眠りについた。


「ロランは私の息子なのよ。悪い奴じゃないから仲良くしてあげてね。」


 息子!?そう言えばそんなこと言ってましたね。


「ルイさん結婚してたんですか?」


 子供が存在するという事は奥さんがいるという事一体どんな魔族なんでしょうか?


「結婚はしてないわよ。それにロランは私が生んだのよ?」


 ルイさんのその言葉を聞いて思わずルイさんの身体を凝視した。どこをどう見ても、筋肉しかなくてそこの女性らしさはありません。


「どういう事なんですか?」


 私今すごく混乱しています。男性って子供を産めましたっけ?


「全部の魔族が生めるわけじゃないのよ。男だろうが女だろうが生めるやつは生めるのよ!」


 何故か最後の生めるやつは生めるのよ!というセリフが妙にカッコいいと思ってしまった自分がいた。


 結局の所、よくわからないけど、子供を産むのに性別は関係ないとだけ覚えておきましょう。と無理やり自分を納得させた。


「取り敢えず、私は如何すればいいんでしょうか?」


 愛でられると言われても、具体的に私はどんな風に生活をすればいいのか?わがままを言って甘えろと言われても正直な話抵抗がある。そう言えばお腹が空きました。


「あの、キッチンはどこにありますか?」


料理を作ろうと思い目的の場所を聞く。


「でしたら此方になります。」


 そう言うとトルテさんは私を抱き上げてスタスタとキッチンまで連れて行ってくれました。


 そこには日本でも滅多にお目にかかることができないであろう。とても豪華な設備の揃ったキッチンがあった。


 フライパンや鍋も私の手になじむ丁度いいサイズで調味料も私の知っているものが全て揃っている。料理を作る者ならば誰もが憧れるそんな設備だった。


「凄い…。」


 思わず感嘆の声が漏れる。トルテさんは嬉しそうに


「魔王様の思考を読み私がご用意させていただきました。」


と言った。


「物質構成とは、このことだったんですね。」


「はい。自慢できることではありませんが。魔界はこのような器具の発展はしていません。それ故に魔王様に不便な思いをさせない様にこうして私がいます。」


「ありがとうございます。」


「えっ?」


 料理ができるという嬉しさと私のために用意してくれたという事がうれしくてお礼を言った何故かトルテさんは驚いていた。


 トルテさんの驚いた顔なんて初めて見たなと思いました。トルテさんは驚いた顔を隠す様に、一瞬で微笑んだ顔に変わった。


「お役に立てたなら何よりです。」


 嬉しかった私は沢山の料理を作り続けました。因みに材料もトルテさんがたくさん用意してくれていました。

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