第四十二話 敵
「ったくきりがねえな。」
「同感。」
アクアとノエルはギルドの依頼を受けに来ていた。そして討伐依頼に出向くと、そこにはターゲットであるダークデーモンと、まるで虫の様な量のインプがいた。
「きぇけけけけ!」
ダークデーモンが耳障りな奇声を上げると、インプたちが一斉にアクアとノエルに襲い掛かった。一対一で戦っていたらきりがないと判断すると、二人は左右に分かれ、それぞれ強大な魔法を放った。
「水よ敵をすべて流したまえ、水龍」
「炎よ敵をすべて焼き殺せ炎爆発」
ズドオオンッととてつもない轟音が響き渡る。煙が晴れると、大量のインプの死体と無傷なアクアとノエルの姿があった。
「手こずらせやがって!」
アクアが叫びながら手に氷の剣を纏わせると、ダークデーモンを真っ二つに切り落とした。ダークデーモンの返り血を浴びながらもアクアは笑顔だった。
「任務完了。」
「今回は魔力の無効化は無いようでよかったよ。」
ノエルがほっと息をついた。
「そうだな。体術だけだと何かと不便だしな。」
アクアが返り血を水の魔法で洗い流しながら言った。
「じゃあ、ノエルのところに行ってみるか。」
「そうだね。集まってるといいんだけど。」
アクアとノエルは冷たい表情でダークデーモンを一目見た後、その場から走り去っていった。
「おい起きろロラン!」
ロランの部屋に入るとアクアは容赦なしに顔面に拳を打ち込んだ。器用なことにロランは目を瞑ったままアクアの拳を受け止めていた。
「起きてるよ。」
まるで寝起きの様に不機嫌そうな態度だった。軽く息を吸うとロランが右手をスッと出すと手のひらサイズの蝙蝠が出現した。
「話せ。」
ロランが命令すると蝙蝠がカタカタと口を震わせた。
「て、き。」
「場所は?」
「て、ん、か、い。」
「敵はどのくらいいる?」
「た、く、さ、ん。」
それだけ言うと、蝙蝠は煙を出して姿を消した。
「「「……」」」
蝙蝠の言った情報に三人はそれぞれ嫌な顔をした。
「今回は天使たちが敵みたいだな。」
皮肉げな口調でアクアがポツリと呟く。
「分かっていると思うけど、」
「ツツジには言わないよ。」
ノエルの言葉にロランが空かさず返答した。その顔はどこか複雑そうだった。
「でも、あのお転婆な躑躅をどうやって、天使と鉢合わせしないようにするかが問題だよな。」
アクアの言葉にロランとノエルが深いため息をついた。




