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第三十三話 ヤンデレ

取り敢えず、当初の目的であった私の死亡フラグの回収は済んだので、一件落着と言うことで展開は終わりを迎えたと思ったんですが、そうではないようで、現在の私は、半裸のルイさんに抱き付かれていた。


一体これは、どんなお仕置きだというのだろうか?


 そう疑問を抱かずにはいられない状況でした。確かにお仕置きするという事は言っていました。それを私も聞いていました。正直な感想を言います。気持ち悪いです。今すぐ叫んで変質者!と叫んで逃走したい気分です。


 でも、嬉しそうに抱き付いてくる、ルイさんを止める事も出来ずに私は自分の首を絞めているような状況なんですけどね。


 何時もなら真っ先に止めてくれそうなトルテさんはウォルフとラブラブ中だし、アクアさんとロランさんとノエルさんは、ギルドに用があるとかで出かけていて、この無駄に広い城の中に、二人きりと言う、乙女ゲームの様なシチュエーション。でも、キャストが幼女とニューハーフと言う謎の設定。


 魔族はヤンデレ。


 私の中にはこの情報がインプットされたので、出会った魔族は皆これを意識してみようと思います。しばらくすると気が済んだのか、あっさりと解放された。


「またよろしくね。」


嬉しそうに手を振るルイさんに見送られながら、私は自分の部屋へと戻った。


「作戦会議!をしようと思います。」


 作戦会議と言うより今後の予定ですね。本来であれば、元の世界に帰りたいとか思うんですけど、ほら、今の私って不老不死じゃないですか。この体質のまま帰ると色々と厄介なんですよ。だから日本に帰るのは諦めて、如何にかこっちの世界で地位を築いておきたいんです。


 大体ファンタジーの世界で名を上げる方法と言えば、モンスターと戦うか、王様に仕える仕事をするかの二択になるじゃないですか。あまり面倒なことは御免なので、私は料理を作ってまったりのんびりと暮らしたいです。


そんなわけで、いざ自分の居場所を探す旅に出ようと思います。アクアさんに貰ったアイテムの入った、リュックをひっぱり出してきて、それを背負うと、私は外に出た。


「あれ?躑躅?」


と早速アクアさんとロランさんとノエルさんに遭遇しました。


「どこ行くの?」


「ちょっとギルドまでいってきます。」


私がニコヤカにそういうと反対された。


「だーめ。」


 そう言ってノエルさんは私を抱き上げた。軽く抵抗しようと、ズリズリと動いたら擽られた。あまりのくすぐったさに家出を諦めた。


「せめて理由を教えてもらえませんか?」


前の時はギルドに連れてってくれたのに、とは言わずノエルさんに問いかけた。


「ん~、俺が嫌だから、かな。」


笑顔で言い切るノエルさんに、私は膨れた。


「でも、私も冒険したいです。」


 続く様に、皆だけで出かけてズルいと呟いた。事が終わって平和になったと思ったら、まさかの過保護。冒険とは言っても料理を作るのが最大の目標なんですから、別に心配するようなこともないのに。


「だったら、こんなのはどうだ?」


アクアさんが提案を出してきた。


「俺と躑躅とロランとノエル、この四人でパーティを組んで冒険するっていうのはどうだ?」


 いい案だろ。と嬉しそうに言うアクアさんに視線を向けた後、私とロランさんとノエルさんは、思わず目を見回せたのだった。


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