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第二十六話 仲間

「そんなわけで次は、ロランさんに会いに行きます!」


すっかり気分の晴れた私は、さっきの部屋でロランさんが良そうな方向に指をピシッと向けた。


「子供は元気な方が良いぜ!」


「私の体は子供でも、中身はおばちゃんです。」


お互いの事情は知っているので、フレンドリーに冗談を交える。


「ふはは!こう見えて、俺は魔界では240年生きている。だから今の俺は240才なんだぜ!」


嬉しそうにドヤ顔で語るアクアさんに対して私は驚きの声を上げた。


「嘘!?私より年上!?」


アクアさんの上から下まで眺めながらそう漏らした。


「俺が魔族に生まれて良かった。と思えた唯一の特典だ。不老!」


アクアさんはどっかのヒーローの様なポーズをとった。こう、シャキーンって感じの効果音のポーズ。


「何バカなことやってるの。」


呆れたような顔した、ロランさんがドアから部屋に入ってきた。


「よう!ロラン!お前も事情は知ってんだろう。なら、今から行くぞ。」


「「何処に?」」


私もロランさんもアクアさんに問いかけた。


「皆で仲良く家出しようぜ!」


「ええ!?」


「はあ!?」


そんなアクアさんの言葉に私とロランさんは驚いた。


「そうと決まれば早速マスターのところに行くぜ!」


アクアさんはそう宣言すると、私を右肩の上にロランさんを左肩の上に担いだ。


「ち、力持ちなんですね。」


混乱している私はそういうのが精いっぱいだった。


「鍛えたからな。」


「大半の魔族ならできるよ。俺まで担ぐ必要はないでしょ。離してくれない?」


ギラリとアクアさんを睨みながらロランさんはそう言った。


「離したらお前、逃げるだろ。」


その言葉にロランさんは沈黙した。


「……。」


「だから、離さないぜ。」


絶対に逃がさないとでもいう様に、アクアさんは身動ぎするロランさんを肩の力でぎゅっと抑え込んだ。


「分かったよ。でも、その前に行かなくちゃいけない場所があるんだ。先にそっちに行ってもらうよ。」


ロランさんは、アクアさんが絶対に離す気が無いと思ったのか、抵抗はしなかった。


「その行かなくちゃ、いけない場所ってのは?」


アクアさんはロランさんを持ち上げながら聞いた。


「魔の洞窟。そこでウォルフが待ってる。」


「ウォルフ?誰だ、そいつ?」


不思議そうに問いかけるアクアさんを私はじっと眺めていた。


「それは着いたら、話します。」


アクアさんはじっと私を見た後、軽くため息をついた。


「分かったよ。行きゃあいいんだろう?」


 承諾の返事をするアクアさんを確認すると、私とロランさんはほっと息をついた。アクアさんはそんな私たちを見つめていた。


「お前ら、いつの間に仲良なったんだ?」


そして、不思議そうにそう呟いた。


「「……。」」


 何と無く、答えにくい質問だったので私たちは揃って沈黙した。実際のところ共通の情報網がいるというだけで、お互いに、何か仲良くなれるような出来事があったというわけでも無かった。


 それに加え、ロランさんと話す機械は殆どなかった。死ぬ間際に一方的に助言を与えられただけだったし。そんなことを思い出しながら、私はアクアさんに担がれ、魔の洞窟へと向かった。

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