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第六話 不可思議な場所
「私の知ってることは出来る限り話す。えぇと、どこから説明すればいいかな・・・」
説明下手なのだろうか。
言葉がまとまらないようなので、こちらから質問して、答えてもらうことにした。
「他の三人は?あなたの他に失踪した人、二人いたみたいなんだけど。」
「宮尾くんと、久保君。
確かに私の他に二人、この世界にいる。
いつの間にかここにいたの。家出とか、そういうんじゃない。」
相変わらず分かりにくく歯切れの悪い分かりにくい説明だが、
話を飲み込んでしまうしかない。
とりあえず、香子の説明で分かったことは
1、ここがどこだかわからない
2、いつの間にかここにいた
3、行方不明者全員がここにいるらしい、ということだ。
「私のことは香子って呼んで。
他の二人もそう呼んでいるから。堅苦しいの苦手だし。」
普段、人とあまり話さない愛子にとっては難しい注文だったが、とりあえず縦に首を振った。
それから、他の二人を紹介する、ということで香子についていった。
なんとなくだが、自分に危害を加える人間ではない、そう肌で感じ取った。