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第五話 ここはどこ
―――――ガチャッ
ドアの向こうから現れたのは、自分と同じ制服を着た、普通の女子高生だった。
「・・・誰？ここはどこなの？」
愛子のきつい言い方に相手はひるんだようだった。
しかし、質問には答えてくれた。
「真田香子です・・・
ここがどこかは、わかりません・・・」
真田香子。
その名前には聞き覚えがあった。
行方不明になっていた生徒の一人。
「あなた、失踪したんじゃ・・・」
香子はどこから説明したらいいのか考えあぐねているようで、
次の言葉が出てくるまで時間がかかった。
「やっぱり、元の世界では私たち失踪したことになってるのね・・・」
元の世界？彼女は何を言っているのだろう。
ワケがわからなかったが、香子の次の言葉を待つことにした。
「なんて説明したらいいのか、私にもわかんないんだけど・・・」
「ここは何なの？あなたの家？私どうしてここにいるの？」
矢継ぎ早に質問してしまった。しかし、聞きたくて仕方がない。
失踪した香子が何故自分と一緒にいるのか。
そしてここがどこなのか。自分には知る権利があると思う。
