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第九話 始まる共同生活
「あ、えっと、宮尾君もいい人だよ。ただ、話すのが苦手なだけで・・・」
大地の様子を見かねて香子がフォローを入れる。
しかし、そのフォローもむなしく大地は迷惑そうな顔をしていた。
「・・・僕のことはほっといてよ。」
シーンと静まり返る。
「ま、仲良く行こうぜ。ここには四人しかいないんだし?」
由宇が明るくそういって、場を和ませる。
ムードメーカー的な存在。おそらく学校でもそうだったのだろう。
大地と由宇は真逆なタイプだということがはっきりと分かった。
こんなんで共同生活ができるのか、いささか不安ではあるが
帰れない以上はここにいるしかないということ。
帰れないことの不安より、ここで生活していけるだろうか、という不安のほうが勝っていた。
だってこれは、自分がまさに望んでいた非日常なのだから。