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夏の思い出  作者: 鉢吾
4/5

≡二人の思い出≡

第4話です!


少し短いですが、切りが良いところで終りたかったので短くなっちゃいました。

――――――――――――

登場人物:主人公=柴崎隼人・後輩=杉原順平・後輩の彼女=立花リカ・彼女の友達=有村チエ


「ハァハァ…」「ハァハァ…」


何年振りだろう、こんなに走ったのは…ましてや、誰かの為に走るのなんて初めてだった。


新宿駅に着いたが、人が多すぎて見つける事が出来ない。辺りを何回も行き来したが見つからない。


もう、彼女は帰っただろうと自分に言い聞かした。


携帯が鳴った。いつも聞いてる、着信メロディーが何故か悲しく聞こえた。


「もしもし…」


『センパイ、今何処です?』


「今、駅前…」


『見つかりました?』


「ダメだった…ごめん、俺も帰るわ…」


『そうですか…わかりました。こっちも、リカが泣きじゃくちゃって、なんか色々とすいませんでした…』


「じゃ…また大学で」


ピッ…


「ハァ〜何してんだろ…」


帰る気力も無くなって。新宿を抜け殻になった体で、とぼとぼ歩いた。


ふと映画館の前で、立ち止まった。別に何か見たいわけでもなかったが、自然と足が進んだ。


何年か前に流行った、恋愛映画をリサイタル上映していた。ありきたりな、恋人が病気で亡くなってしまう物語だった。


中に入ると、すでに始まっていて暗かった。映画館は、狭かったけど、観客数が少なくてとても広く感じた。


初めて見た映画だったけど、何故か涙が止まらなかった。次から次に涙が溢れ、人目も憚らず泣いた。


エンドロールが流れる。俺は、Tシャツの裾で涙を拭くと、前方の席で同じように泣いている人を見つけた。


一緒の気持ちの人が、居てくれた事に胸がすっとした。


これで、今日の事は忘れて明日からも頑張れる。そう思えた。エンドロールが終りに近づいた。俺は、明かりが付く前に席を立った。


出口を出ようとした瞬間。


……………。

………………。


『あっ…』


「えっ?」


俺は、反応して振り返る。その時、タイミングよく明かりが着いた。


そこには、涙でメイクがぐちゃぐちゃになっていたチエが立っていた…二人とも何も言わず立ち尽くした。まるで、時が止まったみたいだった。


まだ目が赤い俺を見て、チエは太陽に光りを浴びた向日葵のような満面の笑みで言った。


『一緒…ですね?』


俺も、笑顔で答えた。


「一緒だね…」


俺は、チエの細い手を掴んで外に連れ出した。どれくらい、手を握ってただろう。チエの手は、蒸し暑い夏が近づいているにも関わらず少し冷たかった…



――――――――――――――


サブタイトルや登場人物の名前に数時間、悩みます。笑

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