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夏の思い出  作者: 鉢吾
1/5

≡葛藤の思い出≡

初めてなので、文章がおかしいところがあると思いますが、小説と供に自分自身も成長して参りたいと思いますので、宜しくお願いします!

『ミーンミンミーン…ミーンミンミンミーン…』


暑い。汗が止まらない。


また、空調をフル活用する季節がやって来た…


「俺は季節の中で、一番夏が嫌いだ。」


「そんな俺でも、一度だけ夏を好きになった時があった…」


「あれは、10年前に彼女に出会った夏だった…」


俺、柴崎隼人が21歳の頃の話だ。


親に『大学だけは行きなさい』と、言われて入った大学だったが、夢も希望なく、ただ平凡な毎日を過ごして、 何も見つけられないまま大学三年を迎えていた。


―――――――――――――――


『センパイ、センパーイ、隼人センパーイ』


甲高い声で俺を呼ぶのは、後輩の杉原順平だ。なんの取り柄もない、俺を慕ってくれる唯一の後輩。


「うるせーな、なんだよ。」


『隼人センパイ、就活の調子はどうですか?』


「まっまあまあかな。」


「俺に入社して欲しいって言ってる会社が、いっぱいあって困っちゃってるよ。」


『うぉぉ〜すげーさすがセンパイっすね。』


また、やっちゃったよ…


実のところ、就活なんて一度もしてないし俺に仕事が出来る訳がない。


バイトすら一週間も続かないし無理に決まってる。


「それより、メシでも食べに行こうぜ。」


『あっ!いいっすねー行きましょう。』


そんな会話をしていると、遠くの方からこっちに向かって歩いてくる女の子がいる。


身体が細く、誰かが触れたら今にも折れてしまいそうなぐらい細い。


髪が、ロングで綺麗なストレート色は自然な茶色だった。


何よりも笑顔が、素敵な娘だ。


そんな事を、思っている矢先に彼女が俺達の前に立ち止まった。


「…?」


「知り合い?」


すると順平は、モジモジしながら頭に手をあてて答えた。


『あっすいません。自分の彼女です。』


『リカ、いつも話してる隼人センパイ。』


『初めまして、立花リカです。いつも順平君がお世話になってます。』


「こちらこそ、初めまして柴崎隼人です!」


『順平君、これから買物に付き合ってくれるって約束でしょ。』


リカは少しむっとした表情だったが、それがまた可愛かった。


『ごめんごめん、すっかり忘れてた。』


俺は、二人の会話に入れず人形のように立ち尽くして呆然と聞いていた。


『すいません、センパイ。次回宜しくお願いします。』


「おっおう!彼女大事にしろよ。」


彼女は、俺に一礼して順平と供に去っていった。


「ぁ〜あ、俺何やってんだろ!」


後輩の彼女に、胸がときめいた。そんな自分に腹がたった。


空模様は、今にも泣きだしそう。


まるで、自分の心を空に移したみたいだった。

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