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ハーレム建国記 〜女の子はみんな俺が嫌いです〜 ReMake  作者: Red/春日玲音
第一章 辺境の盗賊王と小国家の街
8/33

商隊は襲う、女の子は攫う、これ基本だよね?(Re)

……少し遅れてるか?


俺は、眼下の様子を窺いながら、そう独り言ちる。


予定ではそろそろ、この下をそれなりの規模の商隊が通る頃だ。


馬車の数は5台。護衛は中堅冒険者が2組で計9人。商隊に属している人数は、御者を含めて21人。


そのうち女性の数が11人と意外と多い。


女性の内訳は、護衛の冒険者に3人、商人の妻らしき妙齢の女性が一人とその娘らしい少女が二人、残りの5人は年齢が10歳ぐらいから22歳ぐらいまでの様々な5人。たぶん「商品」だろう。


以上が見張りからの報告だ。


こちらの手勢は20人程。

護衛についている冒険者の腕にもよるが、まともに襲えば、こちらがやや劣勢であり、普通ではスルーする規模なんだが……。


この世界では、盗賊も立派な商売であり、暗黙、公然共にそれなりのルールというものが存在する。


先ず護衛の冒険者との間にあるルール。


盗賊の中でも、その技能を活かして冒険者をやる者は多数存在する。

冒険者の経歴を洗えば、元山賊だとか、元盗賊だとか、元暗殺者だとかいうのはゴロゴロいる。


それだけに、お互いに揉め事を起こしたくない、というのが本音だ。

と言っても、護衛と襲撃者という関係ではそうも言っていられないので、ある取り決めがされる。

「護衛任務中、襲撃された場合、降伏する権利がある」というのがそれだ。


襲撃者の数と質を見て、敵わないと判断した場合、護衛を受けたパーティリーダーの判断で、降伏することが許される。

その場合は武器を捨て、その後のことについて一切関わらない代わりに、身の安全と手持ちの財産の半分以上の保証がされる。


逆に、襲撃に失敗した場合、盗賊側にも降参する権利が認められ、降参した盗賊に対し、不必要に傷つけたり、殺したりは出来ない。


ただ、降伏した女性冒険者を一時的に拉致することについて、後日貞操以外無事に帰すのであれば、暗黙の了解として認められている。勿論逆も然りである。


一方、襲われる側にも、同様に降伏する権利が認められ、その場合は、最低限、積み荷を含む財産の1/3と身の安全は保証される。


なので、襲撃する側は、その判断する時間を与えるための降伏勧告をしなければならない。これはお互いに、無闇に被害を大きくしないための大事な処置である。


ただ、降伏勧告をしなかった場合、また襲撃を受けた側が、最初に降伏を選ばなかった場合、共にその後形勢不利となって降伏しても、前述の権利は得られない。


これらを破った場合、冒険者ギルドだけでなく、裏稼業を支配する闇ギルドからも狙われることになるので、破るやつはいない。と言っても、実際に「どれくらいが積み荷の半分か?」などというのはあいまいなグレーラインであり、襲撃者の主観によるところが大きい。

だからこそ、レオンもその慣例にのっとり、手下たちには「むやみに殺すな」「奪うのは積み荷の半分」を徹底している。

しかし今回の場合、これを律儀に守っていたら、女の子を拉致するというレオンの目的が半減してしまうので、策を練り、自ら思い描く方向へと誘導していく必要があった。


俺は、取り敢えず自分のステータスを確認する。


『レオナルド 人族 Lv17 Job 盗賊王』


HP 250  MP 320

STR 40  INT 50  VIT 199(+100)

SPD 40(+100)DEX 30  LUK 220

BP:170 SP:40


スキル:ナイトメアモードハーレムパック  物体引き寄せ(アポーツ) 亜空間収納 家事手伝いLv1 火魔法Lv2 水魔法Lv6 風魔法Lv2 土魔法Lv4 雷魔法Lv7 氷魔法Lv5 光魔法Lv1 闇魔法Lv2 空間魔法Lv4 隠蔽Lv5 隠密Lv7 気配探知Lv5 気配遮断Lv6 契約魔法Lv3 ポーション精製 調合Lv4 錬金Lv4 付与Lv3 基本生産術Lv9

称号 :ロマンの求道者 女神に嫌われし者 速射(スピードマスター) 超速再生(リライブ) 乱射(数うちゃ当たる) やーい、童貞!

 


調べた所によれば、相性のいいステータスで、レベル✕5〜10、相性の悪いステータスで、レベル✕2〜3というのが平均的な能力値らしい。

それからすれば、俺の能力値はレベルの割に低い方だと言える。


代わりに、スキルの取得量は異常なぐらい多い。

これは、スキル持ちの女の子を優先に攫ってプレイした結果だとも言える。そして普通は、スキルとの相性というものがあって、覚えられるスキルには制限があるのだが、俺の場合、その制限がないらしいというのも原因の一つだろう。


ただ、女の子とプレイして覚えられるスキルはLv1、それ以上上げるためには、そのスキルを使用し続けて熟練度を上げていくしかない。


スキルの数も多くなっているため、目下熟練度を上げるのが、非常に大変、というのが密かな悩みだったりする。


尚、称号は、非常に数が多くなり、また、悪魔だの、鬼だのと言ったろくでもない……というか、殆ど悪口なものが多かったため、基本非表示にしてあるのだが、時折、こうして「忘れるな」とでもいうように勝手に表示される。



……っときたな。


向こうから馬車がゆっくりと近付いてくるのが見えたので、俺は手下に合図を送る。


相手の総数は30人、それに対し、こちらの手勢は20人足らず。

数だけ見れば、こちらが劣勢なのは間違いない。

しかし、実際はというと、こちらのすべてが戦闘員に対し、相手は半分以上が非戦闘員だ。


先ず御者の5人は、警戒は必要だが数から外して構わない。反抗しない限り御者には手を出さないというのが暗黙のルールだからだ。御者の方もそれを心得ているため、手を出すことは一切ない。


それから、商隊関連の女性3人と商品らしい少女達、合わせて8人も戦闘には参加しないだろう。


となれば実質、護衛の9人と、残った商隊の男性8人が戦闘員となり、俺たちの手勢のほうが、数的に上回ることになる。


もう少し近づいたら念の為に、ステータスを確認するが、商隊の男たちが多少戦えるとしても、冒険者ほどではないだろうから、こちらの手勢で3〜4人も割けば十分だろう。


さらに言えば、護衛のうちの3人の女性は、馬車の女子供を守るために下げられるだろうから、実質護衛達は一人で2〜3人を相手にすることになる。


少しでも冷静な者がでいれば、勝率が低いことは理解出来、最初の降伏勧告で、全てケリがつくだろう。


しかし盗賊としてはそれでいいのだが、俺としては非常に困るのだ。

彼らには、降伏勧告を突っぱねて戦ってもらう必要があるのだ。


まず、降伏勧告を跳ね除けてもらわないと、最終的に女の子たちを攫うことが出来なくなる。

数回抱くぐらいは出来るだろうが、それでは足りないのだ。


今、確認できただけでも、あの中にいる女の子たちの中に、『聖魔法』「影渡り」「剣術」『調合』「アイテムボックス」などと言った有益なスキルを持っている子たちがいる。


最低でも、それらのスキルを得るまで、出来れば長くそばにいてもらいたい人材もいるのだから。


そして、もう一つの理由。

手下どもには戦って戦って、俺の為に身を削って死んでもらわなければならない。

俺は、村を覆った……正確に言えば、マーニャとサーラを襲ったこいつらを許した覚えはない。

これからも許す気はない。アイツらは、俺が女を手に入れるための道具として使い、最後は処分する。これがただの自己満足にすぎないことは分かっているけど、それでも、そこを妥協することは出来ない。

とはいっても、当面大人しく従っている手下どもを、意味もなく殺すわけにはいかない。だから俺は機会を窺ていたところ、今回の話が舞い込んできた。

一見ただの行商人一向に見えるこの隊商に、実は裏があることを、俺の手下どもは知らない。ごく普通の、少し大きい獲物としか認識していないのだ。

だから俺は一計を案じ、ギリギリの人数で隊商を襲う計画をたて、タイミングを揃えた。手下の半数がセラたちと共に行動しているのは、実は俺の策略の一環だった。

セラたちには「小さな獲物」と言ってあるが、実はそれなりに規模が大きい隊商であり、護衛の数も多い。それを見越して「小さな隊商なのに大げさな」という人員を配置してあり、何かあればすぐにでも応援が駆けつけれるように手配済みだから、こちらの方に割く人員に余裕はない。

とはいっても、無駄に処分して、目的が達せられないのでは本末転倒なので、ちゃんと目的を達して生きて帰れるだけの計画は練ってある。

今回の場合、多くても半数も犠牲を出さずに目的は達せられる予定だ。

そして今回の獲物を手に入れたら、俺はその獲物とともに姿をくらます。

残った物資やなんやらは残された手下どもが何とかするだろう。俺が姿をくらましても、セラを中心に適当にやっていくだろう。もしくはセラを手籠めにし、自分が当目になりあがろうとするものが出るかもしれないが関係ない。

どうなるにせよ、今回のこの襲撃を成功させれば、大きな組織が盗賊団討伐に動くことは間違いなく、セラたちはすぐに逃げ出さない限り未来が費えるのは目に見えている。

俺は「盗賊団」を生贄にして何を成そうとしているのか……。

答えが出ないまま、とりあえずは今を生きるための行動を起こすのだった。




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