鬼畜の所業してたらこうなるよね?……神様は見てるだけ?(Re)
「レオンちゃぁぁんん……」
行為の後、サーラにギュッと抱きしめられる。これが好きなのだと彼女は言う。
あれから数日。俺は毎日のようにサーラと致している。
サーラに言わせると、俺が他の子……特にマーニャにオイタしない為、なんだそうだが、実はサーラの知らないところで、何度か、マーニャとも致していたりする。
マーニャ曰く、
「お姉ちゃんの負担を下げるため」
「奴隷なんだから仕方がないでしょ」
「べ、別に、好きでしてるわけじゃないんだからねっ!」
という事らしい。
まぁ、理由はともかく、出来るのであれば俺には何の問題もないのだが……。
ただ、まぁ……最後までしようとすると、直前で果ててしまうため、未だに童貞なのだが……。
マーニャも、サーラも、慰めてくれて優しくしてくれるので、はっきり言って心が痛い……。
しかしそれはそれ、これはこれ……。
俺は今、森の中の小屋にいる。
目の前には10歳ぐらいのやや幼い女の子と15歳ぐらいの女の子。二人は姉妹なのだろう。森の中で迷子?になっていた妹を保護し、妹を捜していた姉を案内してきたのだ。
「お願い……妹には手を出さないで?」
姉は震える声でそう言いながら、俺に奉仕を続ける。
「おいおい、人聞き悪いこと言うなよな。俺はただ、迷っている妹ちゃんを保護しただけだぜ?」
「……分かってます、分かってますから……お願いです……私だけに……あぁぁぁっ!」
誓って言う。俺は何もしていない。姉が勝手に奉仕をし、勝手に昇りつめているだけだ。
俺はただ、縛り上げた妹ちゃんを抱きかかえているだけだ。
姉が憎しみの光を宿した瞳で俺を睨みながら、悔しそうに腰を動かす。
サーラのおかげで、ある程度辛抱できるようになったとはいえ、そんな事をされたらすぐに果ててしまう。
妹の目の前で姉を犯し、その後、絶望に震える姉の目の前で妹を犯す……そんな事を考えていたのだが、今の俺には、ただそれだけのことが難しい。
姉は、自分が酷い目にあっていても妹の事を思いやり、妹はそんな姉の姿を見て涙する。
そしてその後、同じことを姉の前でされる恐怖におびえる。いくら泣こうが喚こうが、相手をタダ悦ばせるだけでしかなく、今は必死に泣くのを堪え、痛みと、それとは別の内側から湧き上がってくる初めての感覚に耐える。
何度も何度も犯されている内に湧き上がってくる快感。妹の前で、快楽に溺れていくのを泣いて謝る姉、姉と同じところに墜ちていくのを密かに喜ぶ妹。
……そんな妄想をするだけで、俺は果ててしまう。今の俺に出来ることは、精々、お口でご奉仕してもらうことまで。後は玩具で女の子を悦ばせることしかできない……情けない……。
結局、姉に奉仕してもらい、そのお礼として、村では貴重なポーションを渡してやる。
俺が、言うほど鬼畜な事が出来ない……する前に果ててしまう事を知った姉は、別れ際に「ポーションと交換ならいつでも相手してあげる。だから妹は巻き込まないでね」と言って、妹と連れだって去って言った。
……おかしい。
俺は鬼畜な所業を繰り返し、村の女子皆からのヘイトを受けながら逃げるように村を出ていく……その予定だったはず……。
それなのに……
俺はステータスを確認してみる。
『レオナルド 人族 Lv7 Job ヒモ……超ヒモ!』
HP 150 MP 98
STR 35 INT 45 VIT 90
SPD 30(+100) DEX 24 LUK 33
BP:80 SP:250
スキル:ナイトメアモードハーレムパック 物体引き寄せ 家事手伝いLv1 水魔法Lv2 風魔法Lv1 土魔法Lv1 火魔法Lv1 隠蔽Lv2 隠形Lv2 契約魔法Lv2
称号 :ロマンの求道者 女神に嫌われし者 速射 お人よしのザコ童貞
今の俺のステータスはこんな感じだ。
称号に関しては色々言いたいこともあるが、それは置いといて、レベルもステータスもスキルも一切上がらなくなった。
サーラを超えるレベルの女の子にはあった事が無いので、サーラではここが打ち止めという事なのだろう。
他の女の子を攫ってみても、能力値に変化がない事から、これ以上強くなるためには、サーラ以上の女の子を屈服させるか、サーラのレベルを上げて、全体の底上げをするしかないのだろう。
だとすれば、俺がこれ以上ここに居るのは時間の無駄というものだ。
だったらどうするか?
村を占拠して拠点として作り替えるか?
拠点になる場所を探して旅に出るか?
……2択しかない。
この村を拠点にするには、色々条件が悪すぎるので、旅に出ようとは思っている。
ただ、その場合、マーニャとサーラをどうするか?という問題にぶち当たるのだ。
強くなる、という目的としては、もう二人は用済みだ。
しかし、旅の間一人は淋しい。
ハーレム要員という事を考えても、連れて行くのがベターなのだろうが、旅に危険はつきものとか考えると、下手に連れ出せないし、何より親が手放さないだろう。
ここは素直に置いて行って、拠点が出来てから迎えに来るのも選択肢としてはあるのではないかと考える。
とにかく色々あり過ぎて、結論が出せないというのが目下の悩みの種だった。
そんな事を考えていたからだろうか?俺の周りに対する警戒が少し疎かになっていた。
「ぐぁっ!」
いきなり麻袋みたいなものを被せられ、視界が塞がれる。
それを取り除こうとしている間に、前から後ろから、上から、ボコボコに殴られる。
「やっちまえ!」
「殺しても構わん!どうせ誰も見てねぇんだ。」
この声には聞き覚えがある。
「グレッグか?」
「ちぃっ!そいつを殺せっ!」
俺の読みは大当たりだったようだが、それがかえってまずかったようだ.
正体がバレたと思ったグレッグは、証拠隠滅のために俺を殺すつもりだ。
しかし俺だって、伊達にこの辺りを歩き回っていたわけじゃない。
視界はふさがれているが、なんとなくの方向は、声の反響具合や、風の流れで分かる。
森に逃げ込めばっ!
俺は森に向かって走り出した。
……あっ!
不意に足元がが無くなり、一瞬の滞空の後、一気に落下していく。
……そう言えば、森とは反対の方向に谷があったっけ……。
逆方向に走って谷から落ちた、と認識したのを最後に、俺の意識は途絶えたのだった。
◇
……ここは?
目覚めると、どことなく見覚えのある部屋の中にいた。
「やぁやぁ、目が覚めたかのぅ?」
目の前に、自称神様の爺様が姿を現す。
「ん?どうしたのじゃ?儂じゃよワシ、神様じゃよ?」
俺の眼の前で、ひらひらと手を振る爺様。
「あ、いや、大丈夫だから。それよりここに居るって事は俺は死んだのか?」
崖から落ちたんだ。しかも視界が利かず受け身もとれないのでは死なない方がおかしい。
「イヤイヤいや、お主は死んではおらんよ。ちょっとヒマじゃったから呼んだだけじゃ。」
イヤイヤ、そんな軽く呼ぶのもどうかと思うぞ?一応ここって死後の世界なんだろ?
「まぁ、細かい事は置いといてのぅ。お主の活躍があまりにも面白いので、ここに居る一同が興味を持っておるのじゃ。ほら、今はいない人事担当者用に、お主の活躍をまとめたDVDも出ておるぞ。」
爺様が光るディスクを見せてくる。
見せもんじゃねぇ!と言ってディスクを叩きつけてやりたかったが、どの様に見られているのかが気になって、再生してみた。
……。
……。
……。
「タダのAVじゃねえかっ!」
ディスクには、マーニャやサーラ、そして俺が相手した女の子との濡れ場のみが記録されていた。
というか、絶妙な編集のせいで、下手なAVよりエロいうえ、俺の情けなさが際立っていた。
俺はディスクを叩きつけるふりをして懐にしまい込む。
これはこれで大事にしようと思う。
「しかし、一人よ。」
「何だよ。」
いきなり旧名で呼ばれて少しだけ緊張する。
「お主……早漏とは情けないのぅ。」
「ほっといてくれよっ。」
俺は思わず手近にあったクッションを投げつける。
「大体、鬼畜に襲わないと強く成れないなんてスキルがあるのが悪い。」
「それはそうじゃが、もっと頑張らんと、女の子を満足させられんじゃろ?鬼畜にも徹しきれてないようじゃし、情けないのぅ。」
「あん?」
俺は爺さんの言葉に、カチンとくる。
「爺さん、ふざけんなよ!俺だってっ、俺だって頑張ってるんだよっ!俺は本気で、全身全霊を込めてプレイしてんだよっ!」
「お、おう……すまんかった。お詫びと言っては何だが、スキルを一つつけとくぞぃ。」
俺の勢いに、爺さんが慌てて謝罪してくる。
「分かればいいんだ分かれば。」
素直に謝る爺さんを前に、俺は怒りを鎮める。
「しかに難儀な性格しとるのぅ。」
「ほっとけ。それより爺さんに聞きたいことがあるんだが?」
「なんじゃい?」
「ほら、ステータス欄のBPとかSPって何なんだよ?」
「何じゃそんな事か。BPはボーナスポイントじゃ。ステータスに割り振ることが出来るのじゃよ。上がりにくい項目をあげて底上げしてもよし、高い数値をさらに高くして高みを目指すのもよし、好きなようにビルドできるのじゃよ。」
「はぁ、まんまゲームだな。」
「お主等はこういうのが好きなんじゃろ?」
「まぁ、否定はしない。で、SPっていうのは?」
「SPはスキルポイントじゃ。必要ポイントを払う事で好きなスキルを得ることが出来居るのじゃよ。丁度、100ポイント以上あるし、お主が以前言っておった亜空間収納のスキルでも取るか?」
「おっ、取れるのか?だったら……って、ちょっと待ってくれ。なんかこう、隠れて行動できたり、近くにいても見つからないみたいな、そんなスキルはないか?」
「フム、それなら隠密スキルじゃな。すでに一部持っておるようじゃが、これに隠蔽スキルと、気配探知、気配遮断のスキルをセットにして運用するのが一般的じゃよ。」
「それ全部とれるか?」
「ふむ、お主はすでに隠蔽スキルを持っておるようじゃから、隠密スキルに40P、気配探知に20P,気配遮断で20P、計80Pで取得できるがどうするんじゃ?」
「どれも全部くれ。」
「いいのか? 亜空間ボックスのスキルはどうする?」
「勿論それもだ。後、ポーションとか作成できるスキルはないか?」
俺の脳裏に先日の姉妹の姿が思い浮かぶ。
彼女達の母親の為にもっと高価なポーションが必要だと言っていた。他にも似たような母娘がいるかもしれない。ポーションを餌にすれば、身体の関係を迫れるのではないか?
「鬼畜じゃのう。まぁ、今のお前さんには必要だと思ってさっき付けておいたのじゃが、余ったポイントを使って、適当に有益そうな生産系スキルを付けておくぞよ。」
「何だよ、それ。……まいっか。」
俺は言われるままに、深く考えもせず爺さんに頷く。
「じゃぁ、そろそろ時間じゃな。これからも楽しませてくれよぉ。」
爺さんの声が遠くなると同時に、俺の意識も薄れていく。
◇
「痛ぅっ!」
激しい痛みで目を覚ます。
……ここは?
周りを見回すと川の傍にいるらしい。
見上げた先の木々の枝が酷いことになっている所を見ると、あの枝がクッションになって助かったのだという事を理解する。
「あの樹々には後で感謝するとして、……痛っ!!」
少し動くだけで痛みが襲う。
痛いと感じるだけまだマシなのだろうが、骨が何本か逝ってるらしく、ろくに身動きが取れない。
「あ、そう言えば……。」
別れ際、爺さんの言っていた事を思い出す。
「野郎、知ってやがったな。」
毒ついてみるが、あのアドバイスがなければ詰んでいたのも確かだ。
俺は何とか腕を動かし、ポーチの中を探る。
そこに、なかったはずの小瓶を見つけ、それを手にする。
指先で蓋を開け、少し傾けて、腕にポーションを数滴たらす。
それだけで、腕の痛みが無くなり稼働範囲が広がる。
俺はそのまま、腕の動く範囲にポーションを垂らしていく。
しばらくすると、痛みが消え動けるようになるので、それを何度か繰り返す。
ようやく上半身が動けるようになると、そのまま状態を起こして下半身を見る。
……見るんじゃなかった。
ハッキリ言ってぐちゃぐちゃだった。
あのままでは一生エッチが出来ない身体になっていた。
俺はポーションを下半身に振りかける。股間には特に念入りにだ。
暫くして、体中に痛みが消え、なんとか歩けるぐらいまで回復すると、俺は川まで行き、ポーションの小瓶に水を汲んで飲み干す。
体の内部にあった痛みが消え、体力が回復していくのがわかる。
そのまましばらく横になって休む。
魔獣に襲われる心配もあったが、無理に動いても回復が遅れるだけで危険度は変わらない。
だったら、少しでも休んで、回復に努めたほうが、結果として危険度が下がるはずだ。
俺は身体を休めつつ、辺りを警戒しながらも、先程使ったポーションについて思考を巡らす。
俺が使ったポーションは通常のものより効果が高かったらしく、1刻も経たないうちに全快した。
普通のポーションではありえない事だ。
そもそもあのポーションはどこから出てきた?
メニューからステータスを呼び出しスキルの欄を調べる。
そこにあった『調合』の中の「ポーション制作」と『ポーション精製』のスキル。
この二つは似て異なるモノだという事に俺は気づく。
基本、ポーションを作るためには、薬草などの素材から「調合・調薬」をしてポーションに変化させる。このときに使用する素材の質や、調合スキルのレベルによって、効果が変わってくるというものだ。
それに対し『ポーション精製』は無からマナのみを使ってポーションを作り出すスキルであり、その効果は使用者のレベルと使用する魔力量によって変わってくる。
このスキルが使える者は総じて魔力量が高く……というか、それなり以上の魔力が必要になるため、魔力量の低い者では覚える事すらできない。結果として高い魔力で作られたポーションは一般のモノより効果が高くなる。素材を必要としないというのは大変大きなメリットではあるが、それに必要となる魔力消費量が大きいため、どちらが優れている、とは一概に言えない。
現に、ポーションのおかげで、怪我は全快しているが、生成に多量の魔力を消費したせいで、魔力枯渇で動けないでいる。
「ま、いっか。俺は無事だし、後は、奴らに落とし前をつけてやるだけだ。」
グレッグが襲ってきたのは、多分サーラと仲良くしているからだろうと思う。
本人は隠しているが、グレッグがサーラに惚れているのは丸分かりなのだから。
「だからと言って泣き寝入りしてやる義理もないしな。」
俺はそう呟くと、どのように報復してやろうかと計画を練り、ほくそ笑むのだった。
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