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ハーレム建国記 〜女の子はみんな俺が嫌いです〜 ReMake  作者: Red/春日玲音
第一章 辺境の盗賊王と小国家の街
18/33

旅の仲間???その1 (Re)

「………。」


「………。」


俺とアリスは無言で、俺が手にしている物を見つめていた。


俺が手にしている物は、なんてことのない、ただのナイフだ。


街の市場で銅貨3枚で買った安物だ。


安物だからどうなっても構わないのだが、現在俺の手にしている()()は、白い液体に塗れて、グチャグチャのヌメヌメになっている。

正直言って、放り出してしまいたいのだが、ここで放り出せば、この液体が周りに飛び散って酷い惨状になる事は間違いない。


俺達は無言でナイフを見つめていたが、このままでは埒が明かないと思ったのか、アリスが無言でごみ入れに使っているズタ袋を持ってきて差し出す。

俺は、やはり無言で、そのズタ袋を受け取ると、ナイフをその中に入れ、ギュッと袋の口を固く縛り、部屋の隅へと投げ捨てる。


「……さて、申し開きはあるか?」


「……アリスは悪く無いですよ?」


「……あの惨状を見て、そういうのか?」


「だって……やれって言ったのレオンさんですぅ。()()だってレオンさんのものですぅ。」


アリスの言う()()とは、ナイフに纏わりついていた白い液体で、その正体は、俺の精液だった。


何でこんなことになったかというと、アリスの転移・転送術について実践してもらおうとしたのがそもそもの始まりだった。


アリス説明によると、転移術は生き物を、転送術は生き物以外のものを別の場所へと移動させる力なのだそうだ。

まぁ、この辺りは俺の想像とほぼ一致するので問題ないのだが、予想外だったのは、その過程だった。


転送術に関してだが、単に遠くへ送ったり、遠くのものを引き寄せたりするという認識そのものは間違いないのだが、正確には「一度亜空間BOXを経由する」のだそうだ。

簡単に言えば、移動させたいモノを亜空間ボックスに収納し、それを取り出す。逆に亜空間ボックスに入れたものを任意の場所に放り出す、と言った過程を経ることで、疑似的な転送を実現しているらしい。

ただ、アリスの転送術の優秀な所は、本来であれば亜空間ボックスは手に触れた物しか収納できないのだが、アリスの場合、手に触れずとも、「そこにある」と認識すれば収納できる、送り出せるらしい。そして、その距離は視認できる範囲であれば関係がないというのだが……、それを転送と言っていいのか……。

なんだか、もやもやする俺だった。


そして、アリスはこの能力を、あろうことか、あちらこちらに飛び散った俺の精液を取り除くのに使用していたそうだ。手早くきれいにするにはこれが一番、とか言って……。

……せっかくの能力をそんな事の為に使っていいのかと思う。


まぁ、それはいいとして、問題は、アリスがその亜空間に収納した液体をそのままにしていたことだ。


転送用の亜空間ボックスは、中で小分けをしているわけでもなく、入れたものは一纏めにされるらしい……小分けすることも可能らしいのだが、アリスは俺のモノの処理以外に使っていなかったらしいので、してなかったとのこと。

だからソレが大量に溜まっているところへ、俺のナイフは移動させられ、結果がゴミ行き、となったわけだ。


その後、俺はアリスに散々お仕置きをした後、裏庭に穴を掘り、そこにアリスが溜めていた亜空間ボックスの中身を全部出させて埋めた。しかも、何度も水を転送させて亜空間ボックスの中を濯ぐという念の入れようでだ。

そして、今後はすぐに処理をするように、アリスに何度も念を押しておくが、あまり期待は出来そうにもない。俺はこの時点でアリスの転送術の事を忘れることにした。


因みに転移術に関しては、移動先をしっかりとイメージすることで、その場所に瞬間移動するというものらしいが、イメージできる場所ということなので、行ったことのない場所へは当然行けず、行ったことがある場所でも、記憶が曖昧でイメージが出来なければ、やはり行くことが出来ない。


現にアリスもまだうまく制御出来ないらしく、現在は「目に見える範囲」のみの移動が可能とのことだった。


まぁ、目に見えていれば、イメージは容易いからな。


更に言えば、転移には非常に多くの魔力を消費する為、あまり乱用は出来ないとのことだった。


アリスは、平均を凌駕する魔力量があるはずだが、それでも不足がちと言うなら、かなりの消費量だと推測できる。


つまり、転移術もアテには出来ないってことだ。


「………それでな、ミアたちの事なんだが……。」


「あぁー、今、アリスの事、ダメな子だって思ったですぅ。」


人がせっかく平和裏に話を逸らしてやろうとしているのにこいつは……。


俺は、アリスを優しく抱き留め、耳元で囁く。


「いいんだ。ダメな子ほど可愛いって言うだろ?」


「ぶぅ……、ダメな子を否定してほしかったですよぉ。」


「そんな事より、ミアたちの事なんだが……。」


このままでは話が進まないので、俺は強引に話を進める。


「ミアは俺に力を貸せって言ってるんだ……俺にどんな力があるって言うんだよ。なんか誤解していないか?」


「ん-、レオンさんだからですよ。」


「どういうことだ?」


「レオンさんが無能でも、外道でも鬼畜でも、レオンさんに側にいてもらいたいと思ってるですよ、きっと。」


さり気にディスるアリスにお仕置きを加えながら再度問いかける。


「しかし、俺にはクヴァール王国がどうなろうが関係ないんだぞ?それにサーラを探すって言う目的もある。ミアたちの力になれるとは到底思えないんだが?」


「ん~……。」


アリスが俺をじっと見つめてくる。その紅い瞳が心なしか輝きを増す。


「レオンさんは心のままに動けばいいです。そこにミアちゃん達がついて来るだけです。それで双方良い結果になるですよ。」


「……それは未来予知か?」


「タダの予見ですです。」


「………その未来には俺の傍にお前はいるんだろうな?」


「いて欲しいです?」


「当たり前だ。お前にいくらかけたと思っているんだ?あの下着かなりバカ高いんだぞ?元を取るまで手放す気はないからな。」


「えへっ、アリス愛されてるです?」


「調子に乗るな。」


俺はアリスを縛り上げ、玩具を付けて放置し、そのまま部屋を出て行く。


「放置はらめぇぇぇ……。」


扉の向こうで、アリスの絶叫が響き渡るのだった。



俺は部屋に集まった面々を見回す。


正面にミア。その横にセレスが座り、後ろにキャシー、メルナ、ジョンが立っている。


俺の横にはアリスが座り、壁際にはメイドさん達が並んで控えている。


メイドさんは全部で10人。ミアたちと一緒にさらってきた5人と、各地の村や街で徴収した女の子たちの中で、残留を希望した娘たちが5人だ。


今日は、今後の事で話し合う為に集まってもらっている。


「さて、確認だ。お前たちは俺に何を望んでいる?」


俺の言葉にメルナたちは一斉にミアを見る。


全てはミアに一任という事らしい。


ミアは皆の視線を受けながら口を開く。


「実は、私はいまだに何をしていいか決心がつかないのです。だけど、このままではだめだという事だけは分かっています。だから、私が道を定めるまで、あなたの庇護下に入りたいと思います。そして、何かを成すべき時が来たその時は、あなたに力になってもらいたい。……ダメでしょうか?」


そういうミアの瞳には、先日の弱弱しい光ではなく、何か決意を秘めた者だけが持つ輝きを放っていた。


「……それは俺の配下になるってことでいいのか?」


俺はミアではなく、その後ろに立つ3人に目を向ける。


「……すべては姫様の心のままに。」


代表してジョンがそう告げる。


……なんかもやもやするが、まぁいいだろう。しかし……。


「しかしなんで俺なんだ?はっきり言って、俺には何の力もないぞ?頼るなら、それこそ辺境伯とか力を持った貴族が大勢いるだろ?」


「見知らぬ大貴族に、いい様にあしらわれるより、信頼のおける鬼畜ぶった人の方がいい、という事ですわ。」


ミアの隣に座ったセレスが、にっこりと笑ってそう告げる。


……今ディスられたよな?それにしても、こういう時のセレスは、しっかりと公女様に見えるんだよなぁ。これが教育の違いってやつか。

俺はミアと交互に見比べて、そっとため息をつく。


「……今、とても失礼な事を考えていたよね?」


ミアはそう言って俺を睨むが、俺はそれをスルーして口を開く。


「はっきり言って、俺には力がない。だから力あるものが配下になるって言うなら歓迎する。だけどお前たちの期待に応えられるとは限らない。ひょっとしたらお前たちの思惑から外れた方向へ進むかもしれないぞ?……それでもいいなら……勝手にしろ。」


「レオンさん、メッです。一緒にいてくれて嬉しいって、ちゃんと言うですよ。」


隣からアリスが口を挟んでくるので、俺はそのアリスの頭頂に拳を振り下ろす。


「勝手に人の心情を捏造するんじゃないっ。」


そんな俺達を見てニマニマしているミアとセレスたちに、何とか逆襲が出来ないかと考え、ふと思いついてニヤリと笑い返し、そして告げる。


「嬉しいね、これからは毎晩、自らご奉仕に来てくれるんだろ?俺がどんなことを強要しようが受け入れてくれるんだろ?楽しみだなぁ。」


「「……ミア様、考え直しましょう!」」


キャシーとメルナが慌ててミアに詰め寄るが、俺の知ったことではない。


俺はそいつらを放っておいて、メイドたちに声をかける。


「ま、そういう事になったから、近いうちにここを出ることになる。ここにそのまま残って生活してもいいし、帰るところがあるなら帰ってもいい。勿論、俺達について来るというなら歓迎しよう。みんなで相談してもいいからよく考えて、明日には答えを聞かせてくれ。」


俺はそう告げた後メイドたちに解散を命じる。彼女たちも考える時間が必要だろう。



部屋の中で少女の嬌声が響き渡る。

目の前の少女が自分で慰めながら、達しようとしている。

その時、ガチャリと音がして部屋のドアが開く。


「来たぞ……って、あっ……。」


「へぇぁっ、な、何で……っァッ、ダメ、止まらないのぉ……。」


来訪者は、部屋の中にいた少女の痴態に驚き固まる。そして、少女は突然の来訪者に驚き戸惑い、自分の痴態を思い出して、慌てて止めようとするが、絶頂間近の身体は意志に反して、刺激を求めてくる。


「いやっ、見られてるぅ、見られてるよぉ……、こんなのいやぁぁぁ……。」


少女の意志に反し、手は快楽を求めて動き、そのまま達っすると、力尽きたかのように、くたぁとベッドに倒れ込む。


部屋に入ってきた来訪者たちが、なんとも言えないような気まずい表情で俺の方に視線を向ける。


「どういうことだ?」


来訪者の一人……キャシーが俺に問いかけてくる。


「何が?」


「何が、じゃない。私達にこんなのを見せる為に呼んだのかって聞いてるんだ。」


「こんなのって、流石にその言い方は彼女が可哀想だろ?」


「あ、あぁ、そうだな、スマン。」


キャシーは慌てて、ぐったりとしている少女に頭を下げるが、少女はうつろな目をしたまま反応がなかった。


「お前らが来る前にちょっと、こいつと遊んでいただけだ。タイミングは、まぁ……こういう事もある。」


「「「ないわよっ!」」」


「まぁ、それは、ともかく……。」


皆から一斉にツッコミを受けたので、俺は慌てて話題を変える。


「みんな俺の配下になったという事なので、それぞれの立場をはっきりさせておいた方がいいかなと思ってな。」


「立場?」


「ん、というか役職みたいなもんだ。今後、自分がどう動けばいいかの指針になるだろ?」


「それもそうね。」


「でだ、一応俺なりに考えたことを発表するから、意見があれば後でまとめて言ってくれ。」


俺はそう前置きして、彼女らに役割を説明していく。


キャシーは、基本護衛任務。まぁ、近衛隊長みたいなもんだ。

最初渋った顔をしていたが、俺の護衛というより、ミアやセレスの護衛だと告げたら、急に破顔してニコニコとしている。

……そんなに俺が嫌いかよっ。


メルナは秘書兼参謀役。

俺の相談相手みたいなもんだな。

その話をしたとき、しばらく何かを考えていたが、やがて、仕方がないかと言うように頷いてくれた。

彼女の中でいろいろな葛藤があったのだろう。今度暇なときに聞いてみるのもいいかもしれない。


セレスは外交。

その公女教育によって身に着けた、礼儀作法や立ち居振る舞い、交渉術は、外交向けにぴったりだと思う。後は、ミアの影武者だな。何といってもミアより公女らしいので、セレスが公女だと勘違いしてもらう方が都合がいい事もある。


そしてアリスは、癒し担当。

聖女として働いてもらう事もあるだろうが、基本的には内部での人間関係の緩衝材になってくれればと思う。


「……って感じなんだが、どうだろう?」


「ちょっと、誰か忘れてない?」


俺が言い終えると、ミアが膨れっ面でそう言う。


「あ、あぁ、ジョンは渉外担当だ。まぁ、簡単に言えば雑用係だな。今も街までお使いに行ってもらってるぞ。」


「違うっ、そうじゃなくてッ!」


「あぁ、こいつの事か?」


俺はアリスに回復魔法をかけてもらっている少女を引き寄せる。


「こいつは諜報担当をしてもらう事になっている。当分は見習いだけどな。」


「ちょっ、まっ、何でよっ。私たち自由になったんじゃないのっ!」


俺の言葉を聞いた少女が、ガバッと身を起こし掴みかかってくる。


「いや、おまえ、契約したじゃん?さすがの俺も契約違反は出来んぞ?」


「そうだった……。私のバカ……。」


ガーンとショックを受けている少女を見て、アリスがどういうことか訊ねてくる。


「いや、最初にこいつを戴こうとした時には、あまりにも抵抗するもんだから、交渉と契約を持ち掛けたんだよ。「初めてを奪わない代わりに言う事を聞く」という契約をな。それなのに他の事も聞かないもんだから……。」


「当たり前じゃないっ!口で奉仕しろとか、お尻を使わせろとか、そんなヘンタイのようなこと出来るわけないでしょっ!」


「……とまぁ、こんな調子なので、色々と交渉していたら、結果としてこいつは契約で雁字搦めになってしまってな、今では俺のいう事に逆らえない夜の玩具に成り下がっているんだよ。今はメイドたちの中で、「いつお尻を犯されるか?」という賭けが流行っているそうだ。ちなみに、1週間以上2週間以内が、本命でオッズ2倍らしいぞ?」


「あ、それ聞いたことある……。この娘だったんだ……。」


メルナがボソッと呟く。メルナは、一時期メイド長みたいな役割をしていたから、今でもメイドたちとの交流があるのだろう。


「えっ、そんなことになってるの?」

メイドの少女は、再び、ガーンとショックを受け、その場でいじけてしまった。


「色々大変なのね………ってそうじゃなくてッ!」


ミアが思い出したかのように叫ぶ。


「私よ、私ッ!私は何すればいいわけ?」


「…………。」


「な、何よ……まさか忘れてたとか?」


「い、いや、ワスレテナイデスヨ?」


「ジィー………。」


「ほ、ほら、アレだ、ミアは裏の公女として、秘密裏に活躍してもらう予定だから、うん、そうだ、それがイイ。」


「じぃ~………忘れてた?」


「あ、そうそう、後、君たちみんな俺のハーレム要員だから。呼び出しには応じるように、では解散!」


俺がそう言ったのだが、なぜかみんな冷たい視線を向けたまま動こうとしない。


「……ここに残るってことは、今からそういう事を期待してるって事でいいんだよな?」


手をワキワキさせながらそう言うと、皆はあっという間に部屋から飛び出していった。


ただ一人、回復しきれず動けないメイドの少女ティーナを残して……。


「……。」


「……。」


残された俺とティーナが見つめ合う。


俺がにっこりと微笑むと、ティーナは怯えたように後退るが、時すでに遅し……。


「いやぁぁぁぁぁぁぁ………。」


ティーナの絶叫が部屋の中に響き渡るのは、それから間もなくのことだった。



「……で?」


「ん?なぁに?」


「まだ残っているってことは話があるんだろ?」


俺は、傍に控えているメルナさんにそう声をかける。


「そうね……。」


メルナは。しばし逡巡したあと、徐に衣服を脱ぎ捨てる。


「ねぇ……私の初めて……欲しい?」


メルナは蠱惑的に微笑みながらそう言ってくる。


「いいのよ……。シたいんでしょ?」


…何かがおかしい。そう思いながらも、メルナの魅力的な肢体から目が離せない。

……いいのか?今から頂いちゃってもいいのか?

……初めて……、メルナの初めてを……俺が?

メルナさんに見つめられ、俺の心臓が早鐘のように激しく打つ。

そしてメルナさんの唇が俺の唇を塞ぎ、その柔らかな手に俺のモノが包まれた途端……。

……果ててしまった。


「クスクス、やっぱりそうなのね。今までは玩具で誤魔化してたって事かな?」

メルナさんは俺を優しく愛撫しながらクスクスと笑う。

「大丈夫よ。みんなには内緒にしておいてあげる。」

……見抜かれている。

俺が、口で言うほど、あの娘たちを滅茶滅茶に犯していないという事を。

しようとしてもすぐに果ててしまっていることを……。

「クッ、何が望みだっ!」

俺は羞恥に悶えつつそう声を絞り出す。


「うーん、交換条件を呑んでほしいなぁ?」

メルナさんがとぼけたようにそんな事を言う。

正直に言えば、立場的にはまだ俺の方が強い。ここで何か要求をしてこようものなら、俺は断固として突っぱねただろうが、それをわかっているのか、メルナさんは「交換条件」と言ってきた。

これならば、取り敢えずは話を聞かなければならない。


「……言ってみろ?」


「ん-、前もいったと思うけど、レオンさんには、今後何があっても、ミア様の絶対的な味方で居て欲しい。本当は公女だなんて知らずにいればよかったんだけど、今更だし……あの娘はもう、厄介な立場を抱えて生きていかなくてはならないから……。」


軽く俺を睨みながら言うメルナ。

多分俺がバラさなければ……と言いたいのだろう。


「で、交換条件というからにはその代償はあるんだろうな?」


「そうねぇ……。未来永劫、私の忠誠心をあげる。これから何があろうとも私がずっとそばにいる……たとえ行き着く先が地獄の業火の中であろうとも……。それじゃぁ、ダメ?」


メルナがじっと俺の顔を見つめてくる。


「……近い将来、ミアの目指す道と俺の目指す道が分かたれたらどうする?俺は譲る気はないぞ?」


「その時は……ミア様に敵対せず、笑って送り出してあげて。ジョン達がミア様に着いて行きたいというなら一緒に……。その場合でも私だけはあなたの傍に残ります。」


メルナの目はこれ以上なく真剣だった。


「どうして、そこまで?」


「んー、あの娘のお母さんと約束したから……かな?」

少しだけなにかを誤魔化すかのようにそう言いながら「それでどう?」と聞いてくるメルナ。


「そうだな……。」


俺は、メルナさんの出した条件にもう一つ、こちらからの条件を加えると、メルナさんは「仕方がないわね。」と優しく微笑んで受け入れてくれた。


そして、その夜、俺は童貞を卒業した。





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