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ハーレム建国記 〜女の子はみんな俺が嫌いです〜 ReMake  作者: Red/春日玲音
第一章 辺境の盗賊王と小国家の街
17/33

ミアの決意 (Re)

「ジョン、それは本当ですか?」


ジョンの話を聞いたミアが、思わず立ち上がって聞き返す。


「はい。某がじかに街に赴いて確認してまいりました。……クヴァール王国は滅亡しました。」


「……そう。」


ミアは座り直して、ゆっくりと用意されたお茶を口に含む。


ジョンの話によれば、王都は陥落、エヴァンス大公の領地も、マシーラ公国によって占領され、大公は公開処刑されたという。


現在マシーラ公国は、その首を手土産にハルファス神聖国と交渉をしているのだとか。


他の領地も概ね似たようなもので、国境が接している領地はほぼ隣国と交戦。


そのまま領地を切り取られたところもあれば、逆に押し返して領地を拡げたところもあるという。


だけど、クヴァール王国がハルファス神聖国に降った今、各地の領主たちも判断を決めかねているとのことだった。


「……私は……どうすれば……。」


ミアは状況を聞いてなお、自分がどうすればいいのか分からず混乱していた。


戦争が起きていることは聞いていた。だからセレス様を隣国へ逃がすために、カグヤの街へ移動するという密命を帯びた護衛依頼を受けたのだ。

……そう、護衛依頼を受けた、それだけの筈だったのに。

気づけば、盗賊に捕まり、その頭目の玩具にされる毎日。しかもセレス様ではなく私が公女だと。さらには、私が玩具にされないように、私を護る代わりに、仲間だったキャシーやメルナ、そして、公女様だったはずのセレスが頭目の玩具にされているという事実。


客観的に見れば、それがミアが現在おかれている状況。

しかし実質的には、外道なはずの盗賊の頭目は、自分たちを盗賊から引き離し、人目につかないこの教会で匿っていてくれている。


夜を除けば普段の生活に困るようなことは無いもない、むしろ捕虜に対する待遇ではなく、ごく普通の客人として遇してくれていると言っても差し支えない。


短期間で、立場が目まぐるしく変わり、このような訳の分からない状況に置かれている所に「故国が滅亡した」と言われても「だからどうした?」としか言えない。


その上、ジョン……いや、クヴァールの英雄ジョナサンは、ミアに、王家の生き残りとしてどう行動するのか?と問うている。


ほんの少し前まで、気ままな冒険者だったミアに、王家の生き残りとしてどう生きるか?なんて言われても答えを出せるわけがなかった。


「……わ、分かんないよ。分かるわけないよっ!」


ミアはそう叫ぶと、ジョナサンの視線から逃れるように逃げ出していった。



「……なんで、アイツの所なんか……。」


ミアは気づけば、レオンの部屋の前にいた。

無意識に彼に助けを求めていたのだろうか?

そんな事を考えつつ、彼の部屋の扉をノックし、室内へと入っていった。



「どうした?俺の女になる決意がついたのか?」


部屋に入ってきたのがミアだと知って、俺はそんな冗談を口にしてみる。


「……ウン、アナタの女になるのもいいかも……。」


ミアはそう言うと、するりと衣装を脱ぎだす。


「おいおい、一体どうしたって言うんだよ。」


俺はいつもと様子の違うミアの行動を見て、押しとどめる。


「なんで?いつも好き勝手するくせに、私を抱いてくれないの?なんでよっ!最初の時みたいに、犯せばいいじゃないッ!いつもセレス様やキャシー姉さんにしているみたいに、私を無理やり犯せばいいじゃないっ!何でっ、何で抱いてくれないのよっ!」


半裸になったミアがヒステリックに叫び始める。


「何でよぉ……。やっぱりおっぱいが小さいから?なんでいつも私に意地悪するのよぉ。みんなみんな、私に何を期待してるのよぉ……。」


喚き、叫ぶミアを強引に引き寄せ、抱きしめてやると、ミアは俺の胸に顔を埋め、泣きじゃくる。


……困った。これは一体どういう状況なんだ?


いつも寸止めで放置してたから限界が来た……ってだけではなさそうだが。


多分それも原因の一つではあるのだろうが、それだけではなさそうだと思う。


……泣いている女の子の慰め方なんて知らねぇぞ。


いつもは泣かす方だったからなぁ。


というか、俺、まだ童貞なんだけど?セレスやキャシーを犯してないのだが、ミアにはそう見えるのか?


俺は、前世でのマンガなどで得た情報をフル動員して対処を試みることにした。


まずは、ミアの身体を少し離し、その頤に指をかけ、少し上を向かせる。

いわゆる「あごクイ」という奴だ。


「どうしたんだ?泣いていちゃ分からないぜ。話ぐらいは聞いてやるぞ。」


なるべくイケヴォを意識しながらそう囁き、ついばむような軽いキスをする。


唇を離しミアの顔を見ると、茫然とした顔をしていた。


……やっぱり無理があったか。


まぁ、ああいうのは「ただイケ」だしなぁ。


俺には荷が重い、とミアを突き放そうとすると、ミアがガバッと抱きついてくる。


「うえぇぇーん。やっぱりレオンさんは良い人だよぉ……。」


「あ、いや、何が何だかわからん。とりあえず離れろっ!」


抱きついて再び泣きじゃくるミアを引きはがそうと試みるも、意外と力が強く中々引き剥がせない。



「……落ち着いたか?」


「ウン、ごめんなさい。」


結局、俺は引き剥がすのを諦め、ソファーに移動すると、いつもアリスにしているように膝の上に座らせ、背後から抱きしめてやることで、ミアは落ち着きを取り戻した。


と言っても、俺の膝の上から降りる気はないようだったが。


「で、一体何があったんだ?先日も言ったように、ここに居るのが嫌ならさっさと出て言ってもいいんだぞ?」


「うん……それも含めて、どうしていいか分からなくなっちゃったの……。」


そう言うとミアは、最近の事を含め、自分の心情を話し出す。


タダの平民だった自分、大公家に引き取られて公女様のお付きとして育てられ、冒険者としてようやく生き方を見つけたと思った矢先に起きた事件。

公女様の身代わりもロクに努めることが出来ず、その上、純潔をどこかのゲスにあっさりと奪われ、さらには、本当は公女だと知らされて、自分の代わりにとセレスたちがゲスの毒牙にかかるのを見てるだけの毎日。

そこに故国が滅亡した、王家の生き残りとして振舞え、と言われてもどうしていいか分からない、などなど……。


と言うか、半分以上は俺に対する恨みつらみだった。

やはり、寸止め放置はかなり効いていたらしい。


「……で、ミアはどうしたいんだ?」


「だから分からないのよ。大体、いきなり公女と言われてはいそうですか、なんて言えると思う?」


「いや、公女のミアじゃなく、タダのミア……お前自身はどうしたいんだ?」


「えっ?」


「いや、そんなに驚かれても。だから、公女でもなく王家の生き残りでもなく、今ここに居るミアは何がしたいんだ?」


「……わ、分からない……色々な事がいっぺんにあり過ぎて……とりあえず時間が欲しいかも……。」


「そうか、だったらゆっくり考えるといいさ。」


俺はそう言いながらミアの胸元に手を入れる。


「キャッ、どこ触ってるのよっ。」


ミアは驚いて身を捩るが、背後から抱きしめられているため、少ししか動けない。


「いいから、いいから。」


「いいわけないでしょっ……ひっ……やだぁ……。」


ミアの文句を聞き流しながら俺は右手をミアの下腹部へと滑り込ませる。


さっきから柔らかな身体を抱きしめていたせいで、結構限界だったのだ。


大体、ミアも下から突き上げるモノの存在を知っていたはずで、もぞもぞとお尻を動かしていたのだから今更だと思う。


ミアが首を回し俺の唇を求めてくるので、そのまま受け入れてやる。


「ん、ちゅっ、はぁ、ちゅっ、ちゅっ……はふぅっ、んんっ……。」


ミアの舌遣いが上手くなっている……セレスと毎日している所為だろうか?


「んっ……ぁっ……、ね、ねぇ……お願い……。」


切なそうに見上げてくるミア。彼女が何を言いたいのかは分かっているが、俺はあえて気づかないふりをする。


「ばかぁ……、意地悪しないでぇ……。」


「ちゃんと言ってくれないと分からないんだよ。」


「あんっ……、んっ、んんっ……あぁっ、……お、お願い、……。」


今にも泣き出しそうな目で見上げてくるミア。そんな目でお願いされては、さすがの俺も抑えることは出来なかった。


あっという間に果てるミア。それでも責める手を緩めず、ミアは何度も何度も絶頂を繰り返すのだった。



「……考えはまとまったか?」


ぐたぁとしているミアを抱き寄せながら耳元で囁く。


「あんな事されて、何も考えられるわけないじゃない、バカぁ……。」


ポカポカしてくるミアを適当にあしらいながら、簡単にステータスを確認する。


予想通り俺のステータスに変更は殆どない。想定の範囲内ではあるが、俺の強化の為にミアを……という選択肢はもう完全にないと言っていいだろう。

まぁ、最後まで行ければ、また話も違うのかもしれないが、愛撫だけでは限界があるという事か。


逆に、ミアの為に、と言ってメルナかキャシーを抱いた方がよほど上がることは間違いないのだが……。


俺の横で、くぅくぅと寝息を立て始めたミアを見ながら、この先の事を真剣に考える頃合いが来たのだと、なんとなくそう思った。



「ヒントをやろう。」


俺は腕の中にいるミアに囁くように告げる。


「ヒント?」


「あぁそうだ。これからどうするかというのは最終的には自分で決めなければならない。だけど、今のミアは選択肢が多すぎて困っているんだよ。だからその選択肢を整理してやる。」


「選択肢……そんなのあるのかなぁ。」


不安げに呟くミア。


「あるのに、無いと思い込んでいるから余計混乱するんだよ。まずは……。」


俺は系統立てて一つづつミアに選択肢を示す。


「まず、ジョン達が求めている、かもしれない選択肢……生き残りの王族としてのミアだな。これは色々な選択肢がありそうで、実はあまりない。」


「そうなの?」


「あぁ、王族の生き残りとして今のミアが出来るのは二つ、戦うか逃げるかだ。」


「……よくわからないわ、」


「順番に説明してやるよ。まず戦う場合、これはクヴァール王国を取り戻すという目的が前提になる。つまり相手はハルファス神聖国だな。まだ無事な領地まで移動して、そのの領主を頼り、旗揚げをする。今なら、まだ生き残りの兵士や貴族たちが集まってきたり、まだ占領されていない領主たちの力を借りることが出来る……かもしれない。」


「断定はしてくれないのね?」


「出来るはずないだろ?正直、クヴァール王家がどれほど愛されていたのかなんてわからないんだからな。忠義厚い奴らばかりなら、それなりの数は見込めるかもしれないが、王家がそれほど人気がなければ、頼るべき領主そのものが敵に回ることだってあるんだからな。」


正直、その可能性の方が高いと俺は踏んでいる。

ミアが馬鹿正直に戦いを始めようと立ち上がったとしても、その身柄を手土産にハルファスに恭順しようと考えている奴らの方が多いと俺は睨んでいる。


だから、もしミアがこの道を選ぶなら、俺はミアを止めるか見捨てるかの判断に迫られることになり、それは面倒で嫌だと思っている。


「次に逃げる場合だ。」


俺としては、出来れば最低でもこちらを選んでもらいたいと思いながら話を続ける。


「公女という身分を隠し、とにかくハルファスや近隣諸国の目の届かない所まで逃げ延びる。そうして身を隠しながら、情報を集め、同志を募り、反撃の機会をうかがうってわけだ。」


勿論、反撃の機会なんかないかもしれないし、夢半ばでくじけるかもしれない。それでも、直ぐに反旗を翻すよりは余程長生きができる選択だ。


「………。」


ミアは、黙って俺の言葉をかみしめている……ように見える。


「ま、最後の選択肢は、公女という身分を捨てることだな。」


俺がそう言うと、ミアの身体が、ビクッと小刻みに震える。


「先程の「逃げる」という選択肢と行動は近いが、どうせクヴァール王国もなくなったことだし、公女だって事実はなかったことにして、何処かの辺境で冒険者や農民として一生を過ごすというのもアリなんじゃないか?今ならミアが公女であることを知っているのはここにいるヤツだけだしな。」


「いいのでしょうか……。」


「別にいいだろ?実際、ミアはひとつ道が違えば、そうして生きていくはずだったんだし。」


「……そう……そうよね。」


「まぁ、その場合、他の4人がついてきてくれるかどうかは別問題だけどな。」


「えっ?」


ミアが驚いたように顔を上げる。


「だってそうだろ?ジョン……ジョナサンは、()()の護衛なんだろ?キャシーもメルナも。だったら公女をやめたミアについて行かなければならない義理はない。アイツらにしてみれば、国を取り返す行動を起こすだけなら、最悪セレスを公女として祭り上げ、反旗を翻す道を取る事だって可能なんだからな。」


「……。」


「ま、そのあたりは皆とよく話し合うんだな。」


話しは終わりだと、俺はミアの身体に回していた手を離し、寝返りをして背中を向ける。


「あの……他の選択肢はないのですか?」


背中越しにミアの声が届く。


「ないな。少なくとも俺には思いつかん。」


俺は少し突き放すようにそう言う。


「そうですか……例えば、レオンさんの女になってずっと面倒を見てもらうというのは?」


「……………すぐには無理だな。」


「すぐには、ですか?」


「……あぁ、俺にはやらなきゃならんことがある。と言っても何をどうしたらいいかもわからない状況だ。だからお前らを襲って何かが変わるかも?とも思ったんだが、今一つ先が見えない。どれだけかかるかもわからないし、成す前にこと切れる可能性だってある。すべてが終わって、ゆっくりスローライフを送れるようになってからならともかく、今の俺には余計な荷物を抱える余裕はない。」


……俺は何で馬鹿正直にこんな事を話しているのだろうか?単に無理、と一言いうだけでよかったはずだ。

やっぱり、さっき優しくしたせいで情が湧いてしまったのだろうか?

アリスに続いてミア迄ともなると弱体化がどれだけ酷くなるか分からないので、ここはあえて心を鬼にするべき……そのはずなんだけどな……。


「あの……。」


ミアが起き上がりベットから離れる。


「少し……考えてみます。でも、どのような選択をしたとしても、レオンさんには力を貸して頂きたいと思います。………本当はレオンさんのお力になれればいいんですが、今の私には、なんの力もない……ですから……。」


ミアはそう言って部屋を出ていった。


俺は何となく、モヤモヤした気分を吹き飛ばすために、アリスの下へ向かい、アリスを抱いて気分を晴らそうと思ったのだった……。


◇ ◇ ◇


「……って、痛いんだが?」


ミアとの間にあった出来事をアリスに説明してやっているというのに、アリスは俺の脇の肉を抓っている。……そこマジに痛いんだからやめてください。


「ぶぅ~、なのです。」

 アリスが膨れっ面をしている。


「レオンさんはミアちゃんに優しくしたです。アリスにも同じ行いを要求するですよ。」


……どうやら、俺がミアに甘く囁いたことが原因で拗ねているらしい。


「いや、別に優しくなんかしてないと思うが?」


「ぶーぶー!待遇の改善を要求するです。」


「そうはいってもなぁ……。」


「いいんですか?そんなこと言って?」


俺が渋っていると、なぜかアリスが勝ち誇ったようにニヤリと笑みを浮かべる。


「レオンさんが知りたがっていた転移・転送の術、ある程度使えるようになったですよ?」


フフンと不敵に笑うアリスを背後から抱きしめ、その耳元に口を近づけ囁く。


「アリス?いつからそんな意地悪をする娘になったんだい?」


「ひゃぅっ……いきなりはダメなのですぅ。」


「俺は、アリスを大切にしたいと思っているんだ。だけど、意地悪をする娘にはお仕置きをしなくちゃならない。」


俺はそう言いながら、片手でアリスの胸元辺りを愛撫し、もう片手で衣類を一枚づつゆっくりと脱がしていく。


「ひゃぅ……ゾクゾクするですよぉ……。」


「イジワルせずに、隠し事なしで教えてくれるよな?」


俺は攻撃の手を緩めず、そう囁く。


何度も何度も絶頂を迎えるアリスだが、俺は指の動きを止めることなく、囁き続ける。


「ほら、素直になるまで止まらないよ?」


「ご、ごめんにゃしゃい……、も、もぅ、許して……ァァァ……。」


「違うだろ?」


「お、教えるです、ちゃんと言うです……ぁんぁぁ……。だ、だから、もぅ……。」


アリスは一際大きく叫ぶと、そのまま果ててぐったりと倒れ込む。


俺はそんなアリスの身体を抱きかかえながら耳元で「可愛いよ、アリス」と囁き続けるのだった。






……ストーリーが進まない……何故?

ミアの相談に乗るはずがただイチャイチャするだけのお話になってしまいました。

なので、具体的な方針は次回へと続きます。



ご意見、ご感想等お待ちしております。

良ければブクマ、評価などしていただければ、モチベに繋がりますのでぜひお願いします。

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