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ハーレム建国記 〜女の子はみんな俺が嫌いです〜 ReMake  作者: Red/春日玲音
第一章 辺境の盗賊王と小国家の街
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善人か鬼畜か?レオンの評価は???(Re)

「えっと、ミア様………どうしたの?」

メイド服姿のメルナが、ミアを呼びに来たのだが、部屋のテーブルで突っ伏しているミアの様子を見てそばにいたセレスに視線を向ける。


「実はですね……。」

セレスが村であった出来事、そしてその帰りの馬車の中での出来事をメルナに告げる。

それらを聞いて、メルナは大事な妹分を元気づけるために、ミアの横に腰を下ろし、その頭を優しく撫でる。

「メル姉………。」

ゆっくりと身を起こしたミアは、そのままメルナの胸に顔を埋め泣き出してしまう。

「メル姉、私何も知らなかった。……一方的にレオンさんが悪いって決めてた。でもアリスちゃんの話聞いたら………。でも女の子達が………。」

グズるミアを優しく撫でてあやすメルナ。

いつの間にかセレスも隣に座り、メルナとともにミアをあやし始める。

「ミア様、女の子達のことは気にしなくてもいいですよ。あの村の様子では、レオンさんに関係なく冬が来る前に奴隷として売られていたでしょうから。」

「そんなに酷かったの?」

セレスの言葉に、メルナが反応する。

「えぇ、あのまま放置していたら、半数の老人は自ら村を出て、村中の年頃の娘の殆どは売られていたでしょう。そこまでしても一冬越すのが精一杯で来年は多分………。」

「それをあの御主人様(鬼畜野郎)が救ったというわけ?」

「娘さん7人の短期奉公で冬を越す目処がついたのですから………。」

セレスのその言葉を聞いてメルナは、ハァ、と翁溜息をつく。


「セレス様もミア様も、騙されてますよ。結果としてそうなっただけで、あの男は単に女の子が欲しかっただけ。いいですか、あの男が鬼畜で外道なゲスってことは忘れちゃダメですよ。」

メルナがそう言い切ると、胸に埋めていた顔をあげてミアが反論する。

「メル姉、レオンさんは悪ぶって見せてるだけで、ホントはいい人なんだよ。アリスちゃんだってそう言ってたもん。」

「はぁ……、ミア様も洗脳されつつありますね。………仕方がありません。あのゲスがいかに鬼畜なのかを教えて差し上げます!」



「あのゲスは鬼畜なのです!」

部屋の外にまで聞こえる声でメルナが言う。

といっても、ここの壁は薄いので普通に話していても丸聞こえなのだが。


っと、それより………。

俺は部屋の中の声に聞き耳を立てる。


新しく連れてきた女の子達を犯す際に、俺が如何に外道なのかを教え込むために、メルナを呼びに来たのだが、こっちはこっちで面白そうなことになっている。

というのも、最近アリスに接触する機会が多いからか、セレスとミアが、俺の事を良い人だと決めつけようとしている。

俺のスキルナイトメアハードモードの効果も、アリス達「慈愛シリーズ」のスキルを持つ者が多いせいで、今一つ効果が弱いようだ。

この間の村の件だって、セレスやミアの言うようなことなど、これっぽっちも考えていない。ただ適当にそれっぽい後付理由をでまかせで言っただけだ。むしろ、メルナの言ったことのほうが正しいのだ。


というより、アリスも最近はおかしい。

俺のやることや言う事を、何でもかんでもいい方向に捻じ曲げて、納得しているフシがある。

この間の村のことだって、以前はミアと似たような反応をしていたのに、いつの間にか善行として捉えている。


アリスには、俺が如何に外道なのかを解らせるために、本当のこと……俺のスキルや、マーニャ達のことなどを話したこともある。

つまり、俺が女の子を無理やり犯すのは、自分自身の勝手な事情であって、被害にあった女の子にとってはそれこそ理不尽なのだと、今お前がこんな目に遭っているのも、俺の勝手な都合なのだと、犯しながら説明したこともあった。

それなのに、最近の態度は………。

だから俺は密かにメルナを応援する。

俺が酷いやつなんだと解らせてやってくれ、と。


「私がアイツに捕まってからの話をしましょう。」

俺が思考に耽っている間にもメルナの話は進む。


「あいつは私を捕らえた時、キャシーと共に部下になれ、と言ってきました。勿論私もキャシーもそんなこと吞めるはずがないので断ったのですが、アジトに着くと同時に私だけ別室に連れていかれました。そこは、多分魔法で何かを仕掛けていたのでしょうが、一切の光も通さず、音も全く聞こえない場所でした。自分の声さえも耳に届かないのです。私たち魔法使いにとって五感から得る情報は重要ですが、それ以上に精神の集中というものが大事になります。いきなり五感の情報を遮断され、その結果精神が揺らぐのを食い止めるために、私はいささか集中力を要したのです。その為、大きな魔法を使うことが出来なかった……彼の目論見はそこにあったのだと思われます。」


……えっと、そんなこと考えてなかったけど?

俺はメルナの独白を聞きながら少しだけ冷や汗が流れるのを感じる。

アレは単に、暗闇の中に放置すれば洗脳しやすくなるってどこかで聞いたからやってみただけなんだけど……。

でも、そうか、魔法を使えばあそこからミアたちを連れ出して脱出ってわけなかったんだよな?

……まぁ、メルナの言うとおりだという事にしておこう。


「その後どれだけ経ったのか、当時の私にはわかりませんでしたが、時折あいつが現れて……と言っても暗闇で気配ぐらいしかわからなかったのですが、水を差しだしては「いう事を聞け」と脅してくるようになり、最初は、拒否していましたが…………私はいやしくも、水欲しさに言う事を聞くしかありませんでした。」

「メル姉……。」

「彼の要求は様々でしたよ。自慰の強要から、口でのご奉仕……流石に初めてを奪われそうになった時は必死になって抵抗しました。だって初めては愛する殿方に捧げたいじゃないですか。そうしたら、彼は私に、くそ貴族が好む玩具を下腹部に取り付けて、刺激をずっと与えるようにしたのですよ……。」


「それは……。」

やられたことのあるセレスが、痛ましそうにメルナを慮る。

「しかも、ずっと放置した後、快楽に落ちかけている私に悪魔の決断を強いてくるのです。『処女を奪われるか、お尻を襲われるか好きな方を選べ』って。私が拒否したら、ミア様を同じ目に遭わせる、それだけじゃなく、盗賊共の慰み者にする、とまで言われたら、私は選ぶしかなくて……前は絶対嫌だったから………。」

メルナの声が小さくなり赤くなって俯いてしまう。

「大丈夫、大丈夫だから、メル姉。」

その様子に、ミアが居た堪れなくなり、メルナを抱き寄せる。

セレスも涙を流しながら、一緒になってメルナを宥める。


……うんうん、女の子同士っていいね。

俺はその様子をチラッと見てから、その場をそっとはなれる。

新しい女の子たちの待ち部屋へと戻りながら、メルナに迫った時のことを思い返してみる。

メルナが語った話には、多分に主観が偏っている。実際にはそんなに複雑な事じゃない。

よがっているメルナを見ているだけで達してしまったから誤魔化しただけなのだ。

……いい加減、この体質何とかならないかなぁ?

今度神様爺さんに会ったら相談してみようと心に誓うのだった。



「あの……、レオンさん?」

「何だ?」

「確か、相談があるって聞いたですけど?」

「あぁ、そうだな。」

「なのに、何故こんなことになってるです?」

訳が分からない、というような顔でアリスが聞いてくる。

それも仕方がないだろう。

今のアリスはベッドの上で、拘束されているのだから。

「いや、気にするなよ。」

俺はそう言いながら、彼女の大事なところに指を這わせる。


「ひゃんっ!そこ、ダメですぅ……。」

「だからさぁ、ミアの奴がね……。」

「ぁんっ、そ、相談なら、……ぁ、いやっ……き、聞きますからぁ……ぁん、ダメっ……。ちゃんと普通に……ぁっ、だ、ダメ、……。」

果てたアリスに優しくキスをしながら、さらに攻め立てる。

最初は単なるジョークのつもりだったけど、こんな姿を見たら止まれる訳がない。

「あっ……。」

暴走した俺にアリスが優しく声を掛ける。

「レオンさん、いいんですよ。大丈夫ですよぉ……。」

……いたたまれない。

俺は誤魔化す様に身動きが取れないアリスを抱きしめる。

結局、落ち着いてアリスと話が出来るようになるまで、それなりの時間を要するのだった。



「もぅ、レオンさんはダメダメなのですよ。おパンツがまた一つダメになっちゃったじゃないですかぁ。」

先程、下着を切裂いたことについて文句を言ってくるアリス。

いつも思うのだが、自分がやられたことより下着の方を気にするのってどうなのだろうか?

「アリスが可愛いのがいけないんだ。」

「それはそうと、相談ですよね?懺悔室行くです?」

俺の言葉に頬を少し赤くしながらアリスが言う。

「いかねーよ。」

「いかないですか……しょぼん。」

「口でしょぼん言うな。それよりミアだよ。」

「ミアさんがどうかしたです?」

「あぁ、とんでもないこと言いだしてきてな……。」

「とんでもない事です?……よいしょっと……。」

アリスが人の膝の上に登ってきてキョトンと首をかしげる。

……いや、ナチュラルにそんなことするなよ……可愛いからいいんだけどさ。

「あぁ、戦争が起きていることは知ってるだろ?」

俺は膝の上に収まったアリスを背後から抱きしめるようにしながら話を続ける。

「ハイです。そろそろ、近隣迄攻めてくるですか?」

アリスも、そんな俺にもたれて体を預けながら聞いてくる。

アリスとは最近こうしていることが多い。こうしていると、なんだかとっても癒されるのだ。

アリスもそれを分かっているのか、抵抗しないどころか、自ら進んで寄り添ってくる。


「この付近が直接巻き込まれることは、たぶんないだろうけど、間接的な影響は受けるだろうな。」

「何があったです?」

俺の言い方に引っかかるものを感じたのか、アリスが聞いてくる。

「クヴァール王国の王都が堕ちた。」

俺はここ最近の戦争の推移をアリスに聞かせる。

ハルファス神聖国とクヴァール王国との戦端が開かれてから、すでに3か月が過ぎようとしている。

数と練度に勝るハルファス神聖国に対して、数十年にわたる平和ボケをしていたクヴァール王国の兵が太刀打ちできるはずもなく、王都陥落は目前と言われていた。

それでも、王都を護る兵や魔術師の活躍もあり、今の今まで持ちこたえていたのだが、クヴァール王国の窮状を見て、国境を接する隣国が国境を越えて近隣の領地に攻め入り始めた。

負ける寸前の王国に手を貸すより、この機に乗じて自分たちの領地を拡げようという魂胆だろう。

そして、それは同盟を結んでいたはずのマシーラ公国とて例外ではなく、カグヤの街を拠点としたマシーラ公国の軍勢はエヴァンティス大公の領地を食い荒らし、領都に迄攻め上がり、エヴァンティス大公を誅して領地を乗っ取ることに成功した。

機を同じくして、王都が陥落したという知らせが国内に駆け巡った為、住人は混乱の最中にある。


「レオンさんがミア様達を襲わなければ、エヴァンティス大公はご存命だったですか?」

アリスが少し考えてからそんな事を聞いてくる。

アリスにはミア達について、その立場から状況まですべて話してあるので、俺が手を出さなければ亡命が成功してたか?と問うているのだ。


「……微妙なところだな。」

俺はアリスにそう答える。

亡命そのものは成功していたかもしれない。あの時点では、マシーラ公国としても利があったからエヴァンティス大公に恩を売る機会を逃すことは無いだろう。

しかし、そう遠くない内にクヴァール王国が堕ちるのは分かっていたはずだ。

その時、大公と公女の身柄がマシーラ公国にあった場合、確実に交渉のカードとして利用されていた事は間違いない。

その先に待つのは、人質としてハルファスに引き渡されるか、見せしめとして処刑されるかのどちらかの未来しかないのだけど。

「つまり、レオンさんは、セレスちゃんを救ったです。いいことしたですから、胸を張るのですよ。」


アリスの言う通り、あのままだったら、ミアはただの冒険者として生き延びることは出来たかもしれないが、セレスは公女として何らかの責任を負わされることになったはずだ。

それが、俺が攫ったことによって、ミアだけでなくセレスも無事でいられている。

これは、見方によっては二人を救ったともいえるのだが……。

「別にそんな事を気にしてるわけじゃない。大体、俺はあの二人を助けたわけじゃなく、自分の強化のために利用してるだけだ。」

「そう言う事にしておくです。それで、ミアさん達についての相談って何です?エッチなこと以外なら何でも話していいですよ。」

「……いや、な。アイツら既に自由にしてるだろ?」


俺はミア達一行に対して、教会に着いてから数日後には、俺やアリスに害を成すこと以外の一切の束縛を解除してある。だから逃げようとすればいつでも逃げ出すことができるのだが、彼女らは気づいていないのか、逃げ出す素振りを見せなかった。

ここに来たばかりの時は、逃げ出す機会を伺っていたはずなのに。

だから、戦争の進捗を伝えるついでに、その事を教えてやったのだが、その後も逃げ出す素振りを見せることは無かった。それどころか……。



「レオン様……。」

「ん、メルナか?今日はアイシャの番じゃなかったか?」

「アイシャには無理を言って代わってもらいました。」

「別にいいけど……先日も言ったとおり、もう、ミアに何もしないから、お前も無理に来ることは無いんだぞ?」

「……私は……必要ないですか?」

「い、いや……正直手放すのは惜しいと思ってる。」

何か決意を秘めた瞳に圧され、つい本音が口をつく。

メルナの身体がどう、とかいう問題ではない。確かに体もいいのだが、それ以上に、彼女の頭の回転の良さ、その知識量、冷静時の的確な判断力、どれをとっても、今後の俺がどういう道を進むにしても力になる存在だと思う。

もし、俺が何かを成すとすれば、その時にはぜひ隣で助言をしてもらいたいと思うのは、偽りなく本音だった。


「……だったら……。」

彼女は衣類を脱ぎ捨て、俺に奉仕をし始める。

そして奉仕をしながら囁いてくる。

「私の忠誠を捧げます。その証拠として初めてを奪っていただいて構いません、その覚悟はしてきましたから……。」

メルナは俺の衣類に手をかけ、ゆっくりと脱がしていく。

「その代わり、ミア様をお救いください。ミア様にお力をお貸しください……。その為なら私は……。」

声が震えて言葉にならない。

俺のモノを自分の秘所にあてがおうとするが震えてうまくいかない。

「あ、アレ、おかしいですね……。」

焦れば焦るほどうまくいかず、その瞳に涙がにじみ始める。

俺はそんなメルナを抱き寄せ、耳元で囁く。


「どうしてそこまでする?」

「……ミア様は私の希望なのです。」

メルナはそう言ったきり他に話そうとはしない。

「はぁ……とりあえずその忠誠心はミアの為にとっとけ。」

俺は、メルナの処女は奪わず、メルナを部屋から追い出した。



「最初に言っておく。私は貴様が嫌いだ!」

俺が部屋に戻ると、ベッドの上には一糸まとわぬ姿のキャシーがいた。

「だけど、それ以上にミア様の事が好きなのだ。」

「訳が分からん。何が言いたいんだ?」

「くっ、それを私の口から言わせるのか、この外道め。」

顔を赤くしながらも、吐き捨てるようにキャシーが言う。

「これは契約だ!私の身体を今まで通り好きにしていい。その代わりにミア様に力を貸せ!」

「……。」

俺は無言でキャシーを部屋の外に追い出す。

頼み方というものを勉強してから出なおして来い、と。



部屋の前に、厳ついオッサンが跪いて待ち構えていた。

「条件を出して欲しい。如何すればミア様の御力になってもらえる?」

「お前ら何そんなに焦ってんだよ。」

「……焦りもする。正直、お主に力になってもらえぬことには我らに先はないのだから。」

俺の問いかけに、真面目に返してくるジョン。

まさか答えが返ってくるとは思わなかった。

「……もう少しだけ時間をくれ。」

俺はそう言って、ジョンをその場に残して部屋の中に逃げ込む。


◇ ◇ ◇


「……っと、まぁ、こんな感じでな。」

「はぁ。それであの時も、あの時も、アリスの所に甘えにきたですか。謎は全て解けた、です。」

「誰がいつ、甘えたっ!」

俺はアリスを抱きしめる腕に力を込める。

「い、痛い、痛いですよ。……それより「ミア様のお願い」って何です?」

「それはな……。」


俺は、アリスに、先日ミアから受けた話をそのまま伝えることにしたのだった。




ストーリーが全然進んでいません。

次回辺りから本ルートに戻していこうと思います。

……なるべくお楽しみ回を交えながら、ストーリーを……って結構難しくね?


ご意見、ご感想等お待ちしております。

良ければブクマ、評価などしていただければ、モチベに繋がりますのでぜひお願いします。

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