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ハーレム建国記 〜女の子はみんな俺が嫌いです〜 ReMake  作者: Red/春日玲音
第一章 辺境の盗賊王と小国家の街
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捕らわれの公女様ご一行(Re)

「では、キャシー姉さんも?」

ミアの言葉に、キャシーは軽く頷く。

「あぁ、奴は外道だな。セレス様が身悶えている様を見せつけながら、私も玩具で弄んだんだ。いう事を聞かなければ、ミアやセレス様にもっと酷い事をすると言われてな。」


「そんな……酷い。」


「まぁ、どういうわけか、純潔は奪われずに済んだのだが……、私が幾ら従ったとしても守れなかった……セレス様、ミア様、申し訳ない。」

鎖に繋がれて、自由が利かない中で、精一杯頭を下げるキャシー。


「そんな……。頭を上げてください、キャシー様。」


「そうです、キャシー姉さんが頭を下げる必要なんてないから。」


本当は、そばに行って戒めを解いてあげたい。だけど、見えない壁に遮られ近付くことは叶わない。だから声を掛けることしかできない自分に嫌気がする……でも自分には慰めの言葉をかける以上の事が出来ない……。セレスとミアは、同じことを思いながらキャシーを宥めるのだった。


「それより……私が公女ってどういう事なんでしょうか?」


ミアは話題を変える意味もあり、気になっていたことを思い切って聞いてみる。

あの男が言っていた言葉をそのまま信じるつもりはないのだが、それにしては、周りの誰もが否定しないのが気になる。


否定しないってことは、……そういう事なのだろうか?

皆が知っていて自分一人だけが知らなかった。

まるで道化を演じている様でイヤになる。


そんなミアの様子を見て、セレスが近寄り、背後から抱きしめる。


「セ、セレス様……。」


二人とも衣類を身に着けていないため、ミアは背中にあたるセレスの膨らみを直接に感じ顔を真っ赤にする。


「ゴメンナサイ。今となっては、私に何も言う資格はありませんが、せめて今だけはあなたのお姉ちゃんとして、慰めさせてください。」

そう言いながらギュっと抱きしめられる感覚に、ミアはふっと体の力を抜く。


「そうですな、ミア様には本当のことを話すべきだろうな。」

不意にドアの外から声がかかる。


「ジョン、あなたもいたんですの?」

問いかけるキャシーの声がやや上ずっている。


このタイミングで声をかけて来たという事は、話を聞いていたという事であり、つまりは部屋の声が外に漏れているという事。


ジョンがいつから部屋の外にいたのかは分からないが、捕らわれてからずっといたとなれば、自分たちの嬌声を聞いていたことになる。


それは流石に羞恥に耐えがたい事なのだが、ジョンはそのような思惑を知ってか知らずか話を続ける。


「姫様たちを護るため、そして必ずや救い出すという誓いを果たすために、こうして敵の軍門に下り生き恥を曝しております。」


「……ジョンさん、それにキャシー姉さんも、……お願いだから今まで通りに接して。でないと私……。」

セレスが抱きしめていてくれなければ、今頃はきっと崩れ落ちて立ち直れなかったに違いない、とミアは思う。


「もったいないお言葉で。……そうですな、それが望みとあらば……。」


そうしてジョンが語り始めたのは、大公の昔の恋物語だった。


大公は一生に一度の大恋愛をミアの母親とした。

政略結婚で愛のない生活に疲れ果てていた大公を、癒したのがミアの母親だという。


……もっとも、それは大公自身の言い分で、実際のところは、権力に抗えなかったミアの母親が泣く泣く身を差し出したという、貴族と平民の間ではよくある話だ。


その後、大公は、ミアの母親を側室として迎え入れるつもりだったが、ミアの母親はそれを固く拒み続けた。大公の正妻は嫉妬深い事で有名だったからである。


その態度が変わったのは、ミアが生まれて数年してからであった。

流石に子供一人抱えて暮らしていくのは大変だったのだろう。

ミアに不自由な思いをさせないことを条件に、後宮入りを承諾したのだった。


そして、後宮に入れば自分はミアの傍にいられなくなるだろうという事をわかっていたのか、ミアの母親は信頼できる人物……救国の英雄を呼ばれたジョナサンにすべてを打ち明け、ミアの事を託した。


ジョナサンは、流石に大げさだろうと思いながらも大公に相談をする。

そして数か月も経たないうちに、ミアの母親はこの世を去り、その死因があからさまに不審だったことから、流石の大公も慌てて、ただちにミアを護るための手立てを打つ。


つまり、同時期に引き取ったセレスとミアの立場を入れ替えたのだ。

セレスを大公の隠し子だと、周りにそれとなく漏らし、ミアはセレスの友人兼護衛兼、いざと言う時の影武者として孤児院から引き取ったと、言う流言を流す。


流石に子供にまで手をかける気はなかったのか、その後、セレスやミアの周りで騒ぎが起きることもなく、二人はそのまま育てられていった。


「そして今回の事。ハルファス神聖国がクヴァール王国に攻めてきたのが発端になるのだが、国王を含め、王族は皆討ち死にを覚悟しておる。しかし、王家の血筋を絶やすわけにはいかんという事で、王弟である大公の元に密使がやってきた。生き恥を曝してでも王家の地を絶やすな、という厳命をもってな。」


「それで亡命を……。」

ミアが呟く。


「いや、それはあくまでも建前で、本音は、ミア様を生き永らえさせるためのものだ。」

大公の考えた策は二段構えになっていた。


マシーラ公国が、素直に亡命を受け入れてくれればよし。そうじゃなく、何か策を弄した場合でも、先行したセレスたちは国を逃げ出すことが出来る。


最も、策を弄している時点で、セレスがどのように扱われるかわかったものではなく、まともには扱われないだろうという事は想像がつく。


それでも、マシーラ公国に着いた時点で、()()()()()()()()()()()()なる。

つまりは、セレスを身代わりにしておいて本物の公女は他国で自由を得る、そういう事だった。


「酷い、ひどすぎるよそんなの。」


「いいのです。それが私に与えられた役目なのですから。もとより、大公様に買っていただかなければ、この体を売り、弄ばれて捨てられるだけの人生。今の今まで生きていられたかどうかわからなかったのですから、それを思えば、これくらいの事……。」


「それでも、私なんかの為に……。」


「なんか、じゃありません、ミア様だからこそ、私はこの身を捧げられるのです。確かに恨んだことも羨ましく思ったこともあります。なんで私が……と思ったことだって……。ですが、それ以上に、ミア様の笑顔が好きなのですよ、私は。」


いつしか、互いに抱き合いながら涙を流す二人。


「ゴホンっ……話を戻しましょう。先ほどまでの事は、全く問題が生じなかった時の場合。しかし、現状は複雑になっております。考えようによっては、好機であるともいえましょう。」


公女が盗賊に襲われて行方不明になる。

その後の捜索によっても見つからず、死亡したと思われれば、後顧の憂いはなくなる、とジョンは言う。


「もっとも、あの盗賊の頭とどう話を付けれるかによりますがな。……某のみたところでは、充分に公算があるとみてます。」


一番は隙を見て逃げ出すことだが、それが無理であれば、ある程度の譲歩は仕方がないとして、ゆくゆくは解放してもらえるように交渉をすることも視野に入れているという。


この時、ジョンは口には出さなかったが、キャシー、メルナ、セレスを奴隷として差し出すことも辞さないでいた。その三人及び自分の身柄と引き換えに、ミア公女の保身がなされるのであれば安いものだと。

ジョナサンは、あの頭は普通の盗賊とどこか違うと感じていた。やっていることは確かに盗賊なのだが、それでも何処か、一線を引いているように見えたのだ。


「……そうですね、あの方とじっくり話してみたいと思います。あの方は確かに酷い事をしましたが、悪い人じゃないと思うんです。」


「……ミア様がそうおっしゃられるのなら、そうなんでしょう。」


セレスがそう呟くと、キャシーも仕方がなく同調する。


ミアの天性の能力をセレスたちは長い付き合いの中で知っていた。ミアはその人の本質を見抜く力を備えていることを。そしてそれが外れることはまずないのだと。

であるのならば、交渉の余地はありそうだとジョンは思うが、散々弄ばれたキャシーとしては、納得できない事でもあった。


結局、これからどうすればいいかの話は進まないまま、時間だけが過ぎていった。



ガタゴトガタゴト………。


ミアは今、揺れる馬車の中にいる。

隣にはセレスもいて、向かい側には、キャシーも座っている。

外では馬に乗ったジョンが、馬車と並走するように走っている。

一見すれば、数日前と同じ光景に見えるが、同乗者だけが違っていた。


「あのぉ、レオンさん?」


「なんだ?」


「いえ、あの、その、……んっ………。いつまでこうしてればいいのか………」

ミアは顔を真っ赤にしながら、モジモジと呟く。


それも仕方がないだろう。俺は今、ミアをお姫様抱っこしながら、ギュッと抱きしめているからだ。

狭い馬車の中でなんでこんな事をしているかというと、単なる暇つぶしだったりする。


「あの、これではお話が………。んっ………。」


「だから、聞いてやるから、話せばいいよ。」


「そんなこと謂われても……ァん……も、…………。」

ミアの身体がビクッと震えたところで、俺は手にしていた玩具を離す。


先程から、ミアの下腹部に、この「玩具」をあてて遊んでいるのだ。ちなみにキャシーは、先程まで奉仕させていたので今は休憩中だ。セレスは、ミアと同じ玩具を付けられて、隣で快楽に耐えている。


「もぅ許してぇ………。」

再度動かしてやると、ビクッビクッっと身体を震わすので、すぐに止めてやる。


「もぅ、もぅいやなの………。」


「わかった。やめてやろう。」


「えっ………。」

俺が魔道具を放り出すと、ミアは呆然とその様子を見ている。


「どうした?言われたとおりにやめたぞ?」


「あ、ハイ…………ありがとうございます………。」


まさか俺が素直にやめるとは思っていなかったのだろう。少し切なげな目で、俺と魔道具に視線を這わせるミア。


身体が高ぶっているせいでまともに思考が回ってないのかもしれない。


実は、初めてミアを抱いてから三日が経つが、あれ以降ミアを抱いていない。


ミアとしては、毎日のように欲望の捌け口にされるのだろうと覚悟していたのかもしれないが、こちらにも事情というのがある。


だからと言って、何もせず放置するのは面白くないので、玩具だけ与えて放置。

セレスをたっぷり可愛がり、その悶える様を見せつけながらそのまま朝を迎える。

そのような状態で毎晩放置されているのだから身体が疼いてしょうがないのだろう。

自ら泣いて懇願すれば、望みどおりにしてやると告げてはいるが、まぁ懇願してくることは無いだろうとみている。


なぜ、こんな面倒で回りくどいことをしているのか?


いくつか理由があるが、先ずミアが公女であるという事が、一つ。

身分で対応を変える気はないが、ミアの冒険者仲間だった、ジョン、キャシー、メルナは、ひそかに公女ミアにつけられた親衛隊だった。

表立って動ける状況ではなかったので、秘密裏に組織され、秘密裏に行動してきた。

それ故に、互いの信頼度は熱く、また、ミアへの忠誠心も、狂信的なほど高い。


特にジョンに至っては、ミアさえ無事なら、キャシーやメルナ、ひいては自分ですらも犠牲にして構わないと考えている節がある。

なので、狂信者をあまり刺激しないように、との配慮が一つ、そして、ミアを餌にすれば、キャシーやメルナに行為を強要できるというのも大きい。


現に、キャシーに「馬車で移動している間、ミアの代わりに奉仕しろ」と言っただけで、凄く嫌そうな顔をしながらも奉仕しているのだ。


お陰で、この3日間で俺のステータスは、ぐんっと伸びた。

流石は実戦で鍛えているだけはあって、彼女たちのステータスは高く、その分俺の伸びしろも大きかった。これからは、冒険者を中心に狙っていくのもアリかもしれない。


それから、ミアのステータスにも問題がある。

各種能力値は、同年代の女の子と比較すれば高いのだが、突出したところはなく、1~2回抱けば、後は俺のステータスの伸びはないだろう。スキルの方も、あればいいけどなくても困らないという程度のものばかりなので、そういう面では、特に必要としていない。だから無理に抱く必要はなく、それよりもステータスが高くスキルも豊富なメルナやキャシーを抱く方が優先されるのだが……。

ただ、『慈愛の心』というスキルをセレスが、『慈愛の精神』というスキルをメルナが持っていることが気になる。


サーラにもアリスにもあった慈愛シリーズ。

俺にもこれがどういったモノか分からないが、アリスやサーラの行動から推測するに、相手の善性を信じるとか、どんな相手も、憎まず赦すとか、そんな感じの物っぽい。

憎まれるほど、ステータスが上がりやすくなる俺のナイトメアモードとは完全に相性の悪いスキルだが、逆に言えばスキルの影響を受けず、俺に接してくれる可能性があるということだ。

だから、今後の事を考えると、二人を仲間として迎えたいと思い、そのキーになるのがミアであれば、扱い方も慎重にならざるを得ない。


正直なところ、盗賊をやめた俺にはこの先の予定が全く無かった。しいて言うのならば、近々起きそうな大きな争いからアリスを護ることぐらいなのだが、その為にどうこうするという予定は全くない。

だから、ミア達の問題に首をツッコむのもアリかと考えてはいる。

とはいえ、まだ先の話だ。


……っと、そろそろ目的地に着くころだ。

そんな事を考えているうちに、馬車が目的地へと近づいているのが分かった。

俺は、セレスの玩具を取り上げ、代わりに抱き抱えていたミアをセレスに預ける。

二人は火照りを覚ますかのように、互いに抱き合っているが、それじゃぁ逆効果だろう、とは言わない。

美少女の百合百合しい光景はご褒美なのだ。後で存分に、部屋で鑑賞させてもらおう。



「……着いたのですか?」

馬車が止まったことに気づいたセレスが訊ねてくる。

「あぁ、これから俺達の生活の場になるところだ。多少の不便は勘弁してもらいたい。」

俺は彼女たちをエスコートしながら馬車から降ろす。

目の前には、廃墟よりは少しマシになった教会が見える。

その前に並んで出迎えるメイドたち……先行して連れてきた娘たちだ。

彼女たちは、公女と共に売られていく予定だった少女たちだ。


彼女たちに対して俺は時間をかけることはなかった。

5人まとめて嬲った後、今後の動向について問いかけたのだ。


この場で解放されるのを望むか、今後俺に使えることを望むか?と。


解放を望めば、俺は素直に解放するつもりだった。2~3日もすれば「討伐隊」という名の救援部隊が来るだろうからと伝えたのだが、メイドたちは全員が俺について来ることを選んだ。

あのまま解放されても、事態がいい方に向かうとは思えない。むしろ、公女様を失ったとばっちりを受けるかもしれない。だったらどこにいても同じだとの事だった。


俺について来るという事は、今後も理不尽に嬲られるんだぞ?と念を押してみたが、解放されてもそれは変わらない、こっちにいた方が身の安全と生活の保障がされるだけマシと言い返された。

そんな事を真顔で言う彼女たちは、いままでどんな生活を送ってきたのだろうか?

想像すると泣けてきたので、思わず手元にあるメイド服とお菓子をあげたら大喜びしていた。

メイド服が手元にあるのは、紳士の嗜みというやつなので、あまり深く詮索しないように。


そんな彼女たちを先に教会に送って、教会の整備をさせることにした。

彼女たちを連れてきて一番喜んだのはアリスだった。

彼女たちの事情を聴くや否や、「やっぱりレオンさんは優しいのです。いい事をしたので褒めて差し上げます。」と、上から目線で頭を撫でてくるので、俺はそのまま皆の前で、有無を言わさずご奉仕させた。


流石に他人の前でご奉仕を強要されるのは堪えた様で、事後に泣きじゃくっているのをメイドさん達に慰められるという尊い光景が見られた。


その様子を見て、アリスに対して罪悪感を覚えてしまったので、俺は仕方がなく、アリスへのお土産にパンツを追加したのだった。

ご意見、ご感想等お待ちしております。

良ければブクマ、評価などしていただければ、モチベに繋がりますのでぜひお願いします。

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