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6/8

bad morning

「カハッ…ごほっごほっ!ゴホッ!うぅ…?」


寒さと喉の痛み、それに寝心地の悪さと土の匂いを感じて眼を覚ました。


(あ、そうだ…。ボク、宇宙人にさらわれたんだった…)


布団ではなく地面に、しかも直に寝ているという状況を寝起きのボケた頭で、ようやく理解した。


そういえば身体の傷を治してもらうのにナノマシンてのを使ってもらったら、急に眠気に襲われたんだよな…。


「コホッ…。あぁ、脳改造さん。怪我治った?今の健康状態についておしえて」

―身体データを取得しています。…チチチ、取得しました。解析値を表示します。


レベル:1

種族:人間

職業:無職

HP:32/100

状態:低血糖・血液量微減・負傷箇所軽微・脱水症


能力値

筋力:5

体力:3

知力:5

精力:7

器用:4

敏捷:3


技能:

【脳記憶領域拡張】1:記憶力が上昇します。

【脳演算処理装置】1:処理能力が上昇します。

【ナノマシン】1:ナノマシンによる生体組織への修復または攻撃が行えます。

【サイキック】1:精神エネルギーを用い、様々な事象に干渉することが可能となります。


サブシステム:

脳改造



「って、ぜんぜん回復してない!?え、ウソ。だってナノマシンっての使ったんでしょ!?なのに状態異常もなんか増えてるし…、コレどうなってるのさ脳改造さん!」

―質問内容について回答します。ナノマシンを使用し生体組織の修復を行ないましたが、生体マテリアルの不足により充分な効果が得られませんでした。また、生命活動とナノマシン使用の影響により体内水分量が低下しています。


「えぇ~!それじゃただ気を失って、時間を無駄にしちゃったってこと!?たしか36時間後には、死んじゃうんでしょ!?」

―質問内容について回答します。チチチ…、26時間後には活動不能に陥り死亡するとの計算結果がでました。


時間減ってるじゃん!


あ、でもカラダを動かした時に感じてた、痛くてひきつれるような感覚は消えてる…。それによくみれば能力値もあがってるみたいだし、若干だけどナノマシンを使った効果はあったのか。


「よし、クゥ~…うッ!もう、カラダがバキバキだよ…」


ナノマシンとかを使って治療したのに、硬い地面になんて寝てたから身体がこわばってしまってる。それでもおかしな場所に飛ばされてから、初めて立ち上がることができた。


すると生い茂った草の向こう側に隠れていた景色が眼に映りこんでくる。と、遠くにヤシの木みたいに背の高いなんかゼンマイみたいな植物が、群生して森になってるのが視えた。


「うわぁ…。ほんとに何処なんだココ…?」

―衛星との接続が切断されている為、現在座標の確認ができません。


「ああうん、ありがと脳改造さん。でもこの質問にはもう答えなくてだいじょうぶだよ」


うん、毎度どこにいるのかも解りませんなんて聞くの、気が滅入るだけだもん。


「ハァ、それにしても喉が…。こんな何もない草むらじゃ自販機なんてないし…、どうすればいいんだ?」

―人間種推定8歳が、植物表面に付着する水分を舐めるといった行動で摂取していました。同様の行動をとることで、水分の補給が可能です。


「え…ああッ!もしかしてまたあの子が来てたの?それで草の葉についた朝露を飲んでたってこと!?」


そうか、道理で服がすこし湿ってると思った。寒くて目も覚めたし、この辺は朝晩で気温の差が大きいんだな。そうだよ。あんな小さい子でも暮らせてるのなら、きっとココで生きる方法もあるはずだもんな。よし。


…。


「うぅ…。これじゃ疲れて首が痛くなるだけで、ぜんぜん渇きなんて癒えないよ…」


たしかに脳改造さんに教えてもらったように、辺りに生えてる草には朝露がついていた。でもボクの起きる時間がすこし遅かったようで、ほんのちょっぴり舌を湿らす程度にしか水分が得られなかった。


「ハァ…すんすん、この草って食べられないかな…?」


喉も渇いてるけど、おなかもすいた。そこで舐めてた目の前の草が、食べられないものかと考えてみる。


「ねぇ脳改造さん、この草って食べても平気かな?」

―質問について回答するには、データが不足しています。分析の為、少量を口にいれてください。


「え、そうすれば食べられるかがわかるの?おお、さすが情報収集装置だね!」


頼りになる脳改造さんの指示に従い、ちいさく草をちぎって口に含んでみる。


(そうだ、すこし噛んでみて味とかをみたほうがいいのかな…?)


―チチチ…。アルカロイド系の毒物を検知しました。食用には不適です。


「ブホぉッ!ごほごほっ!…ねぇちょっと!なんでソレ食べる前にわからないのッ!?」

―毒物検知機能は翔の味蕾とリンクしている為、検査対象を口に入れる必要があります。


「ペッペッ…!もぉ、ホントの勘弁してよぉ~」


口のなかの渋みとあいまって、気分はゲンナリだよ。

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