終わりと始まり
初投稿緊張する
不定期に掲載していくのでよろしくお願いします
魔王を探してもう何年になるだろう。
遡ること数年前...
「やるな。勇者よ!魔王軍最強の我を倒すとは!」
「この後に魔王とやらなきゃいけないとは。俺もツいてないな・・・」
「残念だったな。魔王様はもうここにはいない!」
「は?今なんて?」
「魔王様はもうここにはいない、と言ったんだ!」
「なんで?」
「そんなことはどうでもいいだろう!この後には魔王様などいない!大人しく帰るがいい!」
「いや、どうでもよくはない!特に俺の財布事情が!」
「は?サイフ?それと魔王様と何の関係があるんだ?」
「あぁ!もういい!お前に説明するのもめんどくさい!」
ザンッ...
今思い返しても、もっとやり方はなかったのかと悔やむ。
魔王討伐の旅は国から出るが、旅の資金は借金という形で出される。
そして、魔王を討伐した証を国王の前に持っていくことで借金はチャラ+褒美として一生遊んで暮らせる金と土地をもらうことができる。
今回の場合、魔王を見つけ討伐するまで国に帰ることができないということになる。
そして現在...
手持ちの金が尽きようとしていた。
「もう本当にヤバイ。ガチでヤバイ。命に関わるレベルで!」
放り投げた手から雀の涙ほどの硬貨がおちる
「国からは援助を断ち切られたし、理由を言っても」
「魔王城に行けば魔王がいる。そんなのそこらの子どもでも知ってる常識ですよ?見え見えの嘘をつかないでください。(ハスキ-ボイス)」
「だぁ!?ふっざけんじゃないよ!...はぁ...金がない。どうしようか...」
今泊まっている宿も今日で退居しなければいけない。
かたいベッドから身を起こし退居の用意をする。
着替えとお守りと何年も使われていない聖剣。
そして、床に転がっている数枚の硬貨を広い集め宿を出た。
財布など、とうの昔に掏られてから買いなおしていない。
悲しいかな、その頃にはポケットで事足りる金額になっていたのだ。
変わらぬ太陽を見つめながら、勇者だった男は小さく決断の意を声に出した
「働いて...借金を返すしかないのかなぁ。そうするかぁ...」
哀れな男はルクルートへと重い足を運んでいくのだった。
誤字があったら直します