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林檎の実と僕の後悔  作者: 穂先ロア
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やっぱり好きみたい

ライブみたい事が終わり…私達は近くの公園でオフ会…では無く先程のライブみたいな事の感想を言い合っていた。この中で私だけが、その中の演奏者なのだが…当然その立場であるが故一方的に言葉を貰うだけだった。

「ねぇねぇ?何処でギター弾けるようになったの?」

そう質問された時ようやくしっかりと答えを返す事が出来た。私は肩をくすめながら…その質問にこう答えた。

「何処でって…そりゃ…か…じゃなくて…さっきのギターとボーカル担当の人に…あっ!それと!ギターじゃなくて…ベース!」

その言葉に私以外のメンバーは妙にニヤつき始めていた。何故だろうか…そのニヤついた顔付きに…嫌な予感が私の頭を駆け巡っていく。

「ふーん…。」

そんな声が聞こえてくるものだから…気になってしょうがない。本当は気になってはいけないのだが…ついつい気にしてしまった私は…こんな言葉を皆に投げかける。

「……な…何?」

私は極力近所迷惑にならないような声でそう発した刹那…一人とんでもないことを聞いてきた。その言葉に私は動揺を隠せない。

「いや!なーんか!そのギターとボーカル担当してる人の事になると…すーぐに顔赤くなるなぁって思っただけ!本当は好きなんじゃ無いの?」

流石にこの言葉を聞いたら私も冷静を保てず…慌てて大きな声で説得する。しかし…皆それを微笑みながら聞いてるだけで…私一人だけが騒いでる様にみえた。

「はぁ!?そ…そんな訳ないじゃん!大体それだけでわたっ…私が廻の事好きってなるのはなん…」

そう言いかけた時一人がまるでなんとも言えないような事を言ってきた。その直後…それに続けてまた一人また一人と…なんとも言えないことを言ってきた。

「え?じゃあ…なんで演奏する直前にその人の事チラチラ見てたの?」

「え?じゃあ…なんで帰り際に私が言った言葉で動揺してたの?」

「え?じゃあ…なんで喫茶店寄った時になんでどんな人なのか説明出来たの?」

私はその言葉に、何も返せなかった。むしろ声を出せても…一言だけしか返せていないかった。

「…うぐっ…うぐっ…うぐっ…。」

しかし…次に飛んできた言葉で…私は思わず叫んでしまった。だって…それは私が廻の事を思っている何よりの証拠なのだから…。

「後さぁ…さっきチラッと名前言ってたよね?廻さんっていう人なんだ…へえ〜…。」

皆全員が小悪魔の様な笑みを浮かべながら私にそう聞いてきた。私は暫く無言になった後…恥ずかしさのあまり叫んでしまった。

「……あ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

つい言ってしまった…そう思ってしまうと…叫んで現実逃避したくなるのも無理は無い。私は恥ずかしさのあまりしゃがんでは顔を膝に埋めていた。それを見て皆して言った事…それは私に対しての助言だった。

「あのさ…琴葉…もし廻さんが好きならもう言っちゃわないと…他の人に取られちゃうかもよ?」

その言葉に私は鼓動が早くなる胸を抑えて私なりの考えを言葉にしていた。

「…分かってる…でも…私で良いのかな…って…」

私の声が段々と小さくなっていく中で、呟いた言葉に皆声を大にしてその言葉を否定した。しかし…否定されるのも無理もない気がした。

「何言ってんの?いいに決まってるじゃん!琴葉はそれだけ思ってんるんだからさ!ね?」

そう励まされた後私達はそれぞれの帰路につく。私は何とも言えないモヤモヤ感に苛まれながら…重い足取りで自宅へ向かって行った。


家に帰った後私は一人自室のベットの上で、仰向けになり独り言を呟いていた。

「やっぱり好きなんだよ…私はさ…。」

そう呟いた後私は右腕で目を覆った。そうして廻を思うと早くなる鼓動と火照りを鎮めさせる。でも…

「やっぱりダメだよ…他のこと考えても…廻の事が頭によぎっちゃうよ…。」

そんな私の言葉は恐らく恋心故の嘆きなのだろう…。その恋心から来る火照りは消えず…寒い冬の夜とは程遠い日を私は迎える事になった。そうして二時間が経とうとした時だ。頭の回らない状態で私は時計を見ると…時刻は既に午前零時を回っていた。

「あっ…もうこんな時間…お風呂…いや今日はもうシャワーだけで良いや…。」

そう言い私は自室に居た二時間の間に脱いだ…上着とセーターを持ってバスルームへ向かう事にする。バスルームに着いた後はもう言うまでもない…着ていたズボンとキャミソール…下着を脱いで…シャワーを浴びて…パジャマに着替えた。そうして自室に戻ろうとする私を…空腹によって鳴るお腹の音が邪魔をする。

「…そいえば夕食を食べていなかったなぁ…なんかあるかな?」

そう言いキッチンの冷蔵庫を覗くが…調理しなくても食べれる物は、入っていなかった。それもそうだ。だって今日は「夕食は友達と食べてくる。」と言ってしまったのだから…。

「あー…コンビニ行くか。」

そう言って私はパジャマの上からジャンパーを羽織り…財布を持って…近くのコンビニへ向かうことにした…夜一人で夕食のためとこの火照りを鎮めるために…。

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