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林檎の実と僕の後悔  作者: 穂先ロア
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魘されいる貴方の横顔

喫茶店から歩いて帰って来た後。私は一緒に帰るようにしてくれた佐久間さんを家に入れていた。彼は帰ると同時に倒れ込んでしまったのだ。

「寝不足ぽいな…なんで寝なかったんだろ…」

そう私は言葉を零した後最近初めたアコースティックギターを取り出した。その時…佐久間さんは…魘されていた。理由は勿論分からないが…しかし何故かその魘されている顔が、遠江先輩が寝ている時の顔に似ている…そんな気がした。


私が就職して半月が経った日の時の事だった。その時は昼休憩で遠江先輩に用事があり遠江先輩を探していた。十分位ほど経過したその時私は遠江先輩を見つけたのだが…明らか様におかしかった。寝ているのは分かっているのだが…何故か魘されていたのだ。

「うーん…やめ……やめて……くれ…」

嫌な夢を見ているのかもしれない…そう思うといても立っても居られず…つい起こしてしまった。

「先輩?あの!遠江先輩!?」

そんな私の声がけが通じたのか…遠江先輩は目を覚ました。それと同時に遠江先輩は慌てた様子で、耳にはめていたイヤホンを取りながら私に質問した。

「…!おい!…聞いたか?」

私はその質問の意味が分からなかったのでイヤホン越しで聴いていた音楽の事を予想して私はその質問に答えを返した。

「え?…イヤホンで聴いてた音楽の事ですかね?いや…聞こえなかったですよ…。」

私がそう言うと遠江先輩は、落ち着きを取り戻した後椅子に座り直した後イヤホンを付けまた音楽を聴いた。私は用事を済ます事を出来なかったが…遠江先輩がイヤホン越しで何を聴いているのかは分かった気がした。何故なら…去り際…独り言を言うようにある歌を歌っていたのだから。

「はっきりさせなくても良い…あやふやのまんまで良い…」

そうか細い声が少なからず私の耳元で聞こえていたから…。


佐久間さんが魘されている声を聞き働いていた時のことをふと思い出し手が止まっていた。本当はギターを少し弾いておきたかったが…どうしても佐久間さんの事が気になってしょうがない。いつの間にか私の手の動きが止まり…佐久間さんの方へ身体を向けていた。

「大丈夫ですよ…今夢の中に貴方は居るので…」

そう真横で囁きながら私は、佐久間さんの手を握った。その手の触感はまるで…枯葉を触ってるようなものだった。しかし手の温もりは…その人の優しさを表してるかのように暖かった。しかしこのまま何もしないとなると…暇になってしまうので私は、一回リビングに向かい軽めの朝食を摂ることにした。

「まぁ…仕事辞めて弾き語りを公民館でやってるだけの…ただのニートなんだよなぁ…だから暇もクソも無いんだよなぁ…」

朝食を食べてる途中私は一人しか居ないリビングで…ぽつりと独り言を呟いた。でもこの独り言の意味は正しいと言った方が良い。そう私は遠江先輩が職場から姿を消した二週間後に辞めた…正確に言うと行かなくなった…と言った方が良いだろう。

「まぁ…多分クビ斬られるだろうね」

そう笑い一人洗い物を始めていた。その途中で姉が夜勤から帰ってきたのだ。見慣れない靴を見たのだろう…ダイニングに着くなり私に質問を長かけてきた。

「侑李ただいま…今誰かお邪魔してるの?私や侑李のじゃ無い靴が置いてあったけど…」

その質問に私は戸惑いながら答えを返した。まぁ…正直に言った方が後先面倒な事にならずに済むからだ。

「あー…うん…最近喫茶店で知り合った人をね…多分だけど…寝不足だったんだろうね…今私の部屋で寝てる。」

そう言い私は、洗い物を終わらせた。そして二階にある自室に向かうと同時に姉にある言葉を言われてしまった。

「その…侑李。まだ精神的に辛くても…いつかは元気にご近所さんと会話出来るようにね。」

自室に着いた瞬間に、ドアを閉め姉の言葉をドアの閉まる音で遮った。私はドアの前で座り込み…一つ愚痴みたいな言葉を小さな声で、その部屋に響かせた。

「そんなの…もう…もう無理だよ…考えて物事言ってよ…。」

そうして私は佐久間が居るベッドの横で、落ち込みアコースティックギターに手をかけていた。

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