あの日から一ヶ月後の日
次の日…朝日が、僕を照らした。あまりの眩しさに僕は目覚めた。そいえば…今日で余命宣告されてからもう1ヶ月経つ事になる。
「もう一ヶ月か…早いもんだ…」
僕はそう言いハンモックから出てリビングへ向かった。その後朝食の準備を終えトイレに行こうとしていたのだが…
「今……七時半だよな?アイツ……大学まで一時間かかるとか言って無かったか?流石に起きてて欲しい。」
玄関に置かれた琴葉の靴を見てそう思った。僕は、用を済ませ自室に向かった。理由は琴葉が起きているかどうか…僕はノックした後…ドアノブを捻り静かにドアを開けた。琴葉は起きているだろう…そう思いたかった。
「むにゃむにゃ……」
僕は無言で部屋を、出てリビングに戻りフライパンとお玉を持ってまた自室に向かった。そして…部屋の中でフライパンとお玉で音を立てた。
(カンッ!カンッ!カーンッ!)
そんな耳に来るような音に琴葉は、相当驚いたのだろう。当たりをキョロキョロと見渡しながら戸惑っていた。
「え!?何!?何事!?」
僕はそう言っていた琴葉にフライパンとお玉を見せつけながらこう言った。
「朝…お前遅刻するぞ?一時間かかる距離なんだろ?」
僕は更におまけで時計を見せつける。すると琴葉は焦り散らしながら早支度をしていた。時計を見せつけた直後の反応を、見ると…効果的だったのかもしれない。
「あ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!ヤバい!!」
僕は事が済んだのでリビングに戻り琴葉が降りてくるのを待っていた。コーヒーの入ったソーサーを片手に雑誌を読んでいる時に琴葉は、リビングに一度顔を出して
「朝…ありがとう!行ってくる!」
僕はその琴葉の言葉に素っ気ない感じに返していた。そんな僕の返事に僕は…最近感情を殺しているような気がした。
「行ってら」
ガチャン とそんな音が聞こえた。とゆう事は琴葉は無事出発した事になる。コーヒーを飲み終わった直後…僕は雑誌をたたみ椅子から立った直後その日一番大切な予定を口に出した。
「よし!……病院行くか……」
身支度を済ませ…財布とバスの定期券を持ち家を出た。
病院に着いた後は呼ばれるのを待つだけだった。今日は僕が延命治療を受けるか?受けないか?の話し合いを、医師とする事になっていた。一ヶ月前…余命宣告をされた時医師とこんな話をしていたのだ。
「一ヶ月後また来てください。その時に今後の事について話し合いましょう。」
正直僕は未だに答えを、出していなかった。何故なら どうせ僕は死ぬ ならばどう答えようと答えは同じだったからだ。しばらくして自分の呼び出し番号が呼ばれたので、診察室へ行くことにした。診察室に着き…医師は少しばかり申し訳なさそうな顔で、僕に言った。
「今の君の容態なら…恐らく入院が必須だが延命治療はできる…ただ…その治療が成功するかは……五分五分だ。」
僕は少しばかり考え…その答えに返事を返した。少しでも長く生きたい為に…僕とゆう人間が生きている事を喜んでくれる人の為に。
「……お願いします。」
僕がそう言い…少しばかり病院内のざわめきや子供のはしゃぎ声のみがこの空間を支配した。そして少したった後医師は僕に言った。希望でも絶望でもない言い方で。
「一週間後…一週間後にまた来てください。その時になったら…頑張りましょう。」
その後僕は病院を後にした。後1週間僕は いつも通りの日常 と言う日を練習や自分を見つめ直す時間に使いたいと…切に願った。
病院を出てバス停に向かっている途中…僕を呼び止める声があった。しかし裕二や恭太郎の声ではなかった。どちらかと言うと同じ世代の女性の声だ。しかし…琴葉の声では無い。後ろを振り返り僕を呼んだ人物を探してみると…僕から三十メートル離れたところに、その人はいた。僕はその人物を遠目で見つめ、声をよく聞くと…働いていた頃に知り合った人物がいた。
「先輩ー!気付きましたかー?」
その騒がしい声に僕は溜息をつき苦笑いを出し…一人呟いた。
「……全く……騒がしいとゆうか…元気な奴が来たぞ…」
その人物は、駆け足で僕の元へ行き…僕と距離を詰めた後僕にその満面の笑みを浮かべ…言った。
「久ぶりですね!遠江先輩!」
そう僕の事を呼んだ人物に僕は、静かに言葉を返していた。
「お前も相変わらずだな……小夏…。」
その人物の名は 小夏 侑李 僕の勤めていた会社の後輩だった。今はもう働いていないので…正直……会えないかと思ったが…とコイツは僕が辞めた……いや…解雇されたのを知っているのか?多分知らないのだろう。
「素っ気ない返事…先輩は変わらないですね!」
僕が返した返事に対しての言葉に僕は少しばかり呆れた顔つきで小夏に、言葉を返していた。
「うるせぇ…別に良いだろ?」
働いていた時から 小夏は元気が取り柄なんだな と思っていたが…その予想は間違ってはいなかったし…僕があの会社から離れても…変わらなかった。その事に少しだけ安心し目を細めようとしたその瞬間。
「と・こ・ろ・で!先輩!今空いてます?」
あれなんだろ?嫌な予感しかしない。僕は面倒事に巻き込まれないよう…小夏に嘘をついた。
「ん?あー…残念だったな。この後予定が入って…」
とその時僕の手を持ち上げながら小夏は、少々不気味な笑みを浮かべながら僕に言った。と嘘がバレてしまったのだろう。
「またまた…先輩…見てれば分かりますよぉ?暇なの…ね?一緒に行って欲しい場所があるので!」
どうやら…僕には拒否権とゆうものは無いようだ。そんな事を心に浮かべながら小夏に引っ張っられていった。




