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林檎の実と僕の後悔  作者: 穂先ロア
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知りたくない事

朝目覚めると廻はいなかった。多分自分の部屋にいると見た私は廻の自室へ向かった。ガチャ…そんな音がドアノブから響いたと同時に私は廻の部屋に入った。

「おはよー…廻?いるー?」

そんな声掛けをしても返事は無い。私は溜め息をつきながら呆れた表情と声で言った。

「まーた…橋の上で空を撮りに行ったな?懲りないねぇ」

彼の趣味を否定する訳でも無いが…言わせてもらうと変わっている人だ。そんな人が私の幼なじみで隣の家に、住んでいる人なんだろうと思う。さて私は廻に用事があったのだが……当の本人は出掛けているため彼が撮影した写真を見ることにした。廻が撮った写真なら少なかれど…私と祐介と廻の三人が写し出された写真が、あったからだ。

「確か…使わなくなった勉強机に閉まってたっけ…」

そんな事を言い勉強机の下の棚に手を伸ばした。多少罪悪感はあったものの…久々に見てみたかった為写真の入っている缶を開けた。この時缶を開けたことを私は後悔した。

「よいしょっと…オープン!」

そんな言葉と同時にパカッと音が部屋中に響く。いつもなら写真だらけだが…今日は封筒が上に乗っていた。最初は、写真屋の封筒かと思ったがひっくり返してみると「海原総合病院」と書いてあるのを確認した。

「健康診断の結果表?あ!さては廻結果が悪かったんだな」

そう言い封筒をどかそうと持ち上げたその時…封筒が空いていたのか一枚の紙が出てきた。私はその紙を持ち上げた時にその紙に書かれた内容が目に入ってしまった。

「何何…「遠江 廻 様 癌 ステージ四」……え?」

読み上げた途端血の気が引いた。廻が癌なんて知らなかったし何故それを教えてくれなかったのか疑問だった。もしかして二週間前に倒れたのはそれの影響なんじゃないかと想像してしまう。

「あーあー…その紙見ちまったかぁ…」

そんな声が後ろから聞こえた。振り返って見るとそこには裕二さんが壁にもたれかかって腕を組みながらこちらを見ていたのだ。あの口ぶりと声のトーンで分かった。この紙に書かれた事は事実であり…私にだけ秘密にしたい事だったとゆう事に。私は裕二さんに聞くことにした。この紙に書かれた事は事実かとゆうことと…廻の容態を

「この事を……知っていたんですか?」

「ああ…知ってたよ俺もそうやって驚いたもんさ」

どうやら事実なのは確かなようだ。問題は…今 遠江 廻 とゆう人間がどうゆう状態なのかだ。

「廻は…大丈夫なんですよね?」

「アイツ曰くだが……長くないと言われたらしいぜ?そうだな……持って……三 四ヶ月だとさ」

これは夢だ。そう言いたいが今目の前で起きてる事は現実で逃避しようにも出来なかった。私は、裕二さんに言う事にした。廻がそんな状態ならバンドは諦めた方が良いと……だが彼は首を縦には振ってくれなかった。

「悪ぃが…そいつは出来ねぇ相談だな…これはアイツと俺ら全員が望んだ事なんだよ。」

「その答えで……廻が早く逝っても大丈夫なんですか!?それがあなたの……廻との接し方なんですか!?」

少し取り乱しながら私は質問した。裕二さんはしばらく無言になった後に言ってくれた。

「琴葉ちゃんはよぉ…祐介と付き合ってたんだろ?アイツが「バンドのベーシストになった」って聞いてどう思った?嬉しかっただろ?」

「……………」

「琴葉ちゃんよ…図星だな?」

「……っ!」

裕二さんの言う通りだ。祐介が嬉しそうにベースを担いでいるのも…ベースを弾いているのが私も嬉しいと思ったからだ。そんな想い出にひたっていると裕二さんは言った。廻の事についてお願いをしてきた。

「んでよぉ…今は多分だけど…廻も特別な存在なんだろ?」

「そうですね…幼なじみですが…今の彼を見ていると胸が高鳴るんです。」

「……まぁ…琴葉ちゃんが心配すんのもわからんでもねぇぜ?だけどなぁ…アイツの最期の頼みぐれぇ聞いてやりてぇんだ。頼む…アイツのバンドを見守ってやってくれねぇか?」

もう私からの答えは出ている。それはもちろん心配している…だけど何より廻が最期にしたい事を見守るのが今私にできる事なのかもしれない。

「分かりました……あ!でも!私はベーシストとして参加しますからね!」

そう言った後裕二さんはげらげら笑いながら言った。

「んなもん決まってんだろ!」

そんな会話をしていたら…下から ガチャ そんな音がした。裕二さんが居るとゆうことは恭太郎さんも来ているつまり…廻が帰ってきたとゆう事だ。

「うし!ほら琴葉ちゃんや!一階に降りようや」

その言葉に従って一階のリビングに向かった。

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