特別な存在
時は一週間前まで遡る。琴葉をベーシストとして誘ったと同時に僕らは一週間夜通し練習をしていた。僕の部屋には、エレキギターとエレキベースの音と僕らの話し声だけが響き渡っていた。練習期間中琴葉からこんな質問がきた。
「こんなにも練習をする必要ってあるの?」
その質問に対する回答はこれだった。
「ああ…必要なんだ」
僕はそう言いギターを弾いた。そんな僕に、おそらく琴葉は呆れていたのかもしれない。でもそれほど熱心にやりたかったのだ。ギターもこうやって誰かにエレキベースを教えるのも…夜の七時から夜中の三時までひたすら練習した。実際毎日眠気の中で日中を過ごしていた。それはおそらく琴葉も同じことだろう。だから弾き間違えたり…演奏途中で眠くなるのも無理は無い。
そして今に至る。僕は今休憩時間中に仮眠をとっている琴葉を見て微笑んでいた。そんな僕に裕二は少しニヤついた顔つきで僕にこう言った。
「なぁ…琴葉ちゃんってよォ…祐介の彼女なんだろ?」
僕は裕二に振り返りながらこう言った。
「ああ…そうだ祐介の彼女であり…僕と祐介の幼なじみでもある」
そう返答しながらまた琴葉の方へ振り返りながら裕二に言った。
「それがどうした?なんか変にニヤついた顔して…」
そんな事を言った僕に対し裕二は微笑みながら僕にこう言ったいや…助言したと言った方が正しい。
「んならよ…二人だけで旅行とか行ってきたらどうだ?祐介も多分だけどよぉ…二人で楽しんでるとこを見て微笑んでいると思うぜ!」
そんな裕二の言葉に僕はまるで否定的な意見を言った。
「生憎と…僕はただの幼なじみでしかない。琴葉にとっては…祐介は幼なじみであり彼女なんだよ。僕では無い。」
そう言った僕に二人はこう言ってくれた。特に裕二はバカにでかい声で
「んなこった言ってよぉ…後悔しても遅せぇんだぜ?だからいいんじゃねぇか!な?行ってこいよ!」
恭太郎は裕二と違い静かにこう言った。
「確かに琴葉君にとっては…幼なじみだろうけど…今は君も特別な存在なんじゃないかな」
僕はそんな二人に僕は溜息をつきをつきながらこう言った。
「……考えておくよ」




