僕の親友であり君のパートナーが僕らに託した物
トン…ギシッ…トン…ギシッ…
僕の家の二階廊下から響くその音は、この家の二階奥の部屋…つまり僕の部屋に確実に近づいていた。ある程度その音が響いた後にドアをノックする音が聞こえる。
トントン…
僕は、いつもより明るめなトーンでノックした人物にドア越しに言った。
「来たか…どうぞ」
そう言った後に琴葉が入室した。まぁ…何となく来るのは予想していた。僕はギターの弦を調整しながら琴葉に聞いていた。
「どうしたんだい?君がこんな昼時に来るなんて…珍しいじゃないか…」
琴葉は嬉しそうに微笑んで瞳を閉じながら言ってくれた。琴葉自身が思ってくれた事を
「バンド…活動再開するんだね…良かった」
僕はギターの弦を弄るのを止め、話の続きを聞く事にした。だって…もし琴葉が祐介が言っていた事…僕の癖を一週間前に言ってくれなかったら僕はギターを弾いていないし…バンド活動もしていなかった。
「琴葉…君のおかげだよ…祐介によく言ってた僕の癖を…君が知っていなかったら僕は今の活動をしていない。」
琴葉は、嬉しいような悲しいような…そんななんとも言えない表情で僕に言う。
「祐がね…生前言ってたの…「廻はああやっていつも平常心保ってるけど…ホントは崩れかけの心なんだ」って祐がいなくなった今…私がどうにかしなきゃいけないから…ホントは廻の手伝いもしたいけどね…」
僕は琴葉に、今渡そうと思ってる物がある。それをここで渡すしかない。そうじゃなきゃチャンスを逃してしまうから。
「琴葉…こっちに来てくれ」
そう僕は言いクローゼットを開けて、一本のエレキベースを渡した。最初琴葉は戸惑いながら
「えっ?ちょっ…?えぇ?…」
そう疑問の声出している君に言った。
「バンドをやってくれないか?」
そう僕が琴葉に質問した後の琴葉はテンパっていたのだろう。まるでヘリウムを吸った時のような声で僕に質問した。
「な…なんで私?」
僕は一呼吸間を置いて僕は言う。だって、それは…そのエレキベースは…。
「それは…僕の親友であり君のパートナーが僕らに託した物」
僕はそう言い君に問いかける。
「やるのか…やらないのか」
まぁ君は即だったな。やりたい理由は何となく察しが付く。
「祐がやりたかった事…私がやりたいんだ…」
そう言い琴葉は振り向きながら僕に言った。




