表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最低地位の雷魔術師  作者: にゃお
2/6

属性と地位

<ゼウス様ありがとう。雷属性になれました。心より転生していただいたこと感謝しています。>

と心の中でとても5歳とは思えないほど感謝している僕ですが、

何故か周りの大人は苦笑し始め、両親は顔が引きつっている…

シフィは相変わらずの笑顔と大きな声で

「兄上~雷属性おめでとうございます!」


あぁ~シフィだけは味方に感じるよ…

両親よ、何があっても味方ではないのかと思っていると周りの大人達が

「イゾルデ家の長男は落ちたな、よくて冒険者、悪くて奴隷かな」

と相変わらずのひそひそとは思えない声で喋っている…

てか、待ってくれ、奴隷になるの?

いやいや、男の奴隷とか絶対にありえないでしょ?いやだよ年寄りの人に好き勝手にされるのは…

想像しただけで心がやばいから、想像しなければよかった…


と考えているうちに属性式は終わったらしい。

両親がバツの悪そうな顔でこちらに向かってきた。シフィは相変わらずの笑顔だが。

なんかごめんなさい、ゼウス様に雷属性が欲しいなんて言ってしまい。

でも言わせてください。雷属性の何が悪いのでしょうか?確かに5年間生きていて色々な文献を

読みましたが、勇者物語みたいな本や大発見した人の中に雷魔術師はいなかったと

考えていると父が重い口を開き

「アルフォンよ、一度家に帰り話そう」と覇気のない声で言い

「アルちゃんごめんね」と母が自分を責めたようにつぶやいた…

<あれ?なんかやったなやつだなこれ>と心の中で思っていた。


「アルフォン、これから話すのはアスバラ世界の属性と地位に関してだ。

 はっきりと最初に言っておくが、雷属性は最低地位だ。雷魔術師はこの世に存在しない。

 というより、生活に生かせないからあぶれ者になり奴隷落ちするか

 稼ぎの少ない冒険者になるしかない。アルフォンは元々冒険者志望だからいいかもしれないが

 本来であれば、成人して数年後には家に戻し、後継ぎのために修行してもらう予定だったが

 雷属性では難しい、というより相当な功績を上げないと不可能に近いな…

 ちなみに私たちの属性は?」

「父上が炎属性で母上が水属性です」

「そうだ、炎属性は最高地位でその次に水属性となる。だから、アルフォンが雷属性であることが

 信じられないのだ」

「アルちゃんごめんね、地位の高い属性で産んであげられなくて…」

「母上、泣かないでください。僕は雷属性に魅力を感じております」

「ありがとう、アルちゃん」

「父上、両親より低い属性を生まれ持つことは多々あるのですか?」

「あることはあるが、こんなことは基本的にはないな。あったとしても1位下しかない。

 だから、どんなに悪くても木属性で生まるはずだった、それなのに最低地位の雷属性とは…

 冒険者も難しいかもしれないな、最近の冒険者でも、炎属性や水属性が増えてきており

 試験すら受けれるかどうかわからないな…

 こんなこと言いたくはないが、姿を隠して隠居しないか?」

そんなこと言われると、引きこもり体質には効く一言だけどせっかくゼウス様より貰った第二人生だから

無駄にはしたくないから

「父上、母上、お二人とも努力されて今の地位を築いたのですかないですか?

 僕は二人の子供なので、努力なしに諦めたくないです。わがままを許してください」

「そうだな、こちらこそ悪かった。そうだな私たちの子供なのに私が未熟な意見をしてしまった。

 アルフォンは時々子供らしかぬ発言をするのでつい感情的になってしまう」

やばい、転生したことばれたかと思った…ばれてないよな?

「兄上はきっと大物になるです~」

「そうだな、私たちの子供だからきっとなるだろう、母さん今夜は豪華な食事でアルフォンを

 お祝いしよう」

「今日はアルちゃんの大好物でお腹いっぱいにするね!」

「ありがとう、父上、母上、二人の子供に生まれてきたことに感謝します。」

「こちらこそ生まれてきてくれてありがとう。」

「肉炒めだ~お腹減ったです~」

「そうね、食事の用意してみんなで食べましょう」


父も母も妹も優しくて嬉しいな…まぁ雷属性でもうまくやっていけるかな

自分のわがままにも優しく対処してくれてよかった

<ゼウス様、ありがとうございます>


この日の食事はとても楽しく幸せな味がした。

今日という日を忘れないようにしよう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ