[閑話]愚かな一族 その12
日が暮れ、 グーデ・シュミットはカルーロイ領の墓地で穴を掘っていた。
別にフリッツ・カルーロイの死体人形を操って、穴を掘ってもいいのだが、この地下で眠る『彼』の怒りに触れかねないので、自分で掘った方が面倒じゃないと判断した。
次第に黒い靄が地下から漏れ出てくる。
「やぁ、名もなきカルーロイの真の嫡男よ。 」
そこに埋まっていたのは真っ黒な赤子のミイラだった。
「君か、何度もボクに話しかけてきた奴は。 」
真っ黒な赤子のミイラの口から低い青年の声が発せられた。
「まさか闇の特殊魔法持ちで、そんなになっても生きているとは思わないじゃないですか。それで、迎えに来たわけですが、どうします?今なら、あなたの父親と兄の身体をご提供できますが? 」
「ふざけてるのか? 」
「でも、このままじゃ厳しいでしょ? 」
「ボクはアイツらみたいな愚か者でありたくない。 」
グーデ・シュミットは、すこし悩むと、
「血縁関係があった方が身体の馴染みはいいと思いますが、嫌だというなら他にも方法がないか考えてみましょう。けど、気が変わる可能性もあると思いますので、そうなったら、遠慮なく、言ってくださいね?それで、名前、どうしましょうか? 」
「それも追々でいいだろう。とりあえず、身体を洗ってほしい。いくら身体中、呪いがまとわりついているとはいえ、30年近く土の中にいたんだ。さっぱりしたい。 」
「もしかしたら、身体崩れるかもしれませんよ? 」
「そこはうまくやってくれよ。 」
そうして、一人の赤子のミイラを抱えて、グーデはカルーロイの地を離れた。




