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[閑話]愚かな一族 その11

「あ゛、あ゛ぁ……。 」


 ディビットが苦しそうに声を漏らす。


「ディビット、そもそも君がうちの弟に手を出さなければよかったんだ。それなら、少なくとも永久に苦しい思いはしないで済んだし、こうやって両親にまで手を伸ばすこともなかったんだよ。 君が、カルーロイ家を消滅させるんだ。 」


 そういうと、グーデ・シュミットはあたしの方へ歩み寄る。


「さて、意識ある死体人形になるのと、意識が一生戻ることのない廃人となるの、どっちがいい?」


 これは、嘘でも冗談でもない選択なのだろう。彼はどちらの状態にもできるのだろう。おそらく、アイツは、フリッツ・カルーロイは、もう、グーテの駒と化してしまったのだろう。


「なぜ、あたしに選択肢を与えるのですか?」

「最期の慈悲かな?」


 もう、八方塞がり。打つ手なんてそもそも考えてないようなものだったけど、あたし達に残された道はないのだろう。


「なら、その選択肢なんかより、ここに残ってくれてる、トグラ王国のスパイでも何でもない巻き込まれただけの使用人たちに、次の、まともな就職先を約束してほしい。 」

「カールロイ夫人、貴女は、どっかで何か違う道に行けてたら……、いや、そんなくだらない話はいらないですね。いいでしょう。多少残っている哀れな方々の今後の生活をシュミット家で保証しましょう。 」


 シュミット家、まともじゃない一族ではあるが、あたし達に巻き込まれて死ぬよりはましだろう。


「それでは、ごきげんよう。 」


 あたしはその場でカテーシ―をした。


「おやすみなさい。 」


 すると、あたしの目の前が真っ暗となり、あたしという自我は消えてしまった。

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