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[閑話]愚かな一族 その7
彼の問いに少し考えるも、あたしの答えは一つしかなかった。
「あたしには、カルーロイ領をどうこうする権利を持っていない。だから、デイビットを助けたくても、その交渉には応じられない。もし、交渉をするならばカルーロイ領の領主としてください。 」
「彼はデイビッドに関して、あまりいい感情を持っていないようだが? 」
「えぇ、そうね。一人息子だというのに、あたしと同じように距離を置いていた。監視までつけてたから、信用もなかったみたいだし。 」
あたしは知っていた。前カルーロイ領主夫婦が死んでからというものの、執事を通してでしかやり取りのない仮面夫婦であったあたしには、金だけ渡されて適当に過ごしていろと言われ、素直に過ごすしかなかった。深く考えることをしなかった。深く考えることを放棄していた。
でも、だからと言って考えずに答えを出すのは違う。この選択は私の判断で答えを出してはいけないと結論付けた。




