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[閑話]愚かな一族 その6
恐る恐る彼の運んできた担架に目をやれば、そこには確かに息子がいた。しかし、自分の知っている息子とは思えぬほど、見るも無残な姿だった。肌は青白く、目は瞳孔が開いていた。そして、涎と泡がダラダラと出ている開きっぱなしの口からは舌はなくなっており、身体は痙攣していた。かろうじて生きているけど、とても生きているとは言えなかった。
「デイビット!!」
あたしが息子の元へ駆け寄ろうとすると、グーデがその前に立ちふさがった。
「ちょっと、何を!!」
「デイビットさんを、救いたくはありませんか?」
端正な顔立ちのその男の悪魔のような言葉にあたしは動きを止めた。
「デイビット・カルーロイは確かに法を犯した。しかし、これは流石に過剰な罰だと思うのです。だから、グーデ・シュミット個人の意思で助けましょう。まぁ、ただではないけどね。こちらが望むのはカルーロイ領の全権利をシュミット領に移行させること。どう?丁度いい取引だと思うけど。」




