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皇帝の本来の目的

「うるさい。そんな叫ぶことか?」


 両手で耳を抑え、あきれたような顔でユーリはルナにそう言い放った。


「いやいやいやいやいや、なんでそんなとこに行かなきゃならねぇんだよ。意味が分かんねぇって。」

「ルナ嬢、貴女の存在はかなり希少で、その上で保護されるべきなんだよ。今までは偽装魔法と隠匿魔法でなんとか誤魔化し生きてこれたかもしれないけど、今回貴女は大きく動き過ぎた。ホフラ連邦国のスパイ達も流石に『幽幻姫』ルナ・シュテルン嬢が生きていたことに気付いただろう。貴女はこのまま他国に逃げたいかもしれないが、こちらとしては色々と都合が悪いし、みすみすルナ嬢を無駄死にさせたくはないんだよ。あぁ、貴女ならわかるでしょう。『本物』のゴルト・シュテルン辺境伯がどういった最期を迎えたかを知っているルナ嬢なら……。」


 リューフェレンの言葉にルナは苦い顔をした。


「本当は王宮で匿うことが出来ればいいんだけど、今少し問題が起きちゃっててね。あ、そうだ!そもそもここに来たのはその件に関して事前に話しておこうと思ってきたんだった。とりあえず、ルナ嬢の件はひとまずそれでよろしくってことで置いといて……、それで今起きてる問題と言うのが恥ずかしいことなんだけど、王宮、城内の人間が色々と外部に情報漏洩しちゃってるみたいでね。」

「間者とかではなく?」

「もしかしたら何者かが裏で動いている可能性もあるけど、現状証拠的には王家に仕えてるはずの、かつ優秀であるはずの選ばれた者たちの中から情報がガバガバに出てるみたいだからね。」


 リューフェレンは深いため息をつくとラインハルトの飲みかけのお茶を然り気無く飲んだ。


「リューちゃん、それ、俺のお茶ぁ……。」

「あ、ごめんごめん。それで、その外部に漏れた情報というのが、『ラクリマネーロ』、あの強い魔力を凝縮されて作った魔石の情報だ。今、君んとこのアインスを借りてラウルが調べているから何となく知っているとは思うけどね。思った以上に情報が広まってしまっていてね。フィンルイスの通う学院にまで情報が洩れている。まぁ、あくまで噂話程度ではあるが。」

「火のない所に煙は立たない…ってことか。」

「そう、かなり信憑性が高い噂として扱われている。さて、そこでだ。明日偽の『ラクリマネーロ』商人っていうのが王宮にやってくるらしいから本物の力で懲らしめてほしい。よきかな?」


 

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