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[閑話]愚かな一族 その3

「母様、俺の同級生でフレッドって言うやつがいるんだけど、そいつ田舎の貧乏男爵の息子のくせに、ものすごく頭がよくて、それに、俺の魔力の強さをすごいって言ってくれたんだ!俺の風魔法は膨大で今は上手く扱えないかもしれないけど、修練を繰り返せば王宮魔法士以上の逸材になれるっていわれたんだ!」


 冬期休暇に入ったため、学園から久々に帰ってきたデイビットが突然変なことを言い出したので、頭がおかしくなったのかとあたしは思った。レイブン家もカルーロイ家も魔法に関しては、才のない一族だったからだ。確か、妾の子だった姉が水と風の魔法の才があったが、レイブンの血を持つ人間のはずが穢れた異質な力を使うと、他の姉たちからいじめていた記憶がかすかにあった。彼女も、いじめていた姉達もきっとあの呪いで死んでしまったのだろうが。


「母様、きいてますか?」

「レイブン家にもカルーロイの家系にもいままで魔法士はいないのよ。それなのにそんな王宮魔法士並みの魔法が使えるなんて。」

「母様、俺もそう思っていたん!!だがな、フレッドがいうには、むしろ逆みたいなんだ。今まで使い方を知らなかったご先祖達が蓄積してきた魔力だな、俺が全て受け継いで生まれてきたんだって。だから、修練を積めば、今までうちの一族が使えず、宝の持ち腐れ状態にしていた魔力を、この俺が無駄なく使えるようになったら、王宮魔法士に引けを取らない、いや、それ以上の力があるって言われたんだ!」


 デイビットは異常なほど興奮していた。それよりも彼が自分より身分の低い領地の子供相手でも話を素直に聞くようになっていることにびっくりした。彼の教育に関しては長年仕えてきた一番信頼の高い執事に任せていたのだが、少しばかり貴族主義という偏った思想で教育していたので心配していた。けれど、あたしの知っている息子は帝都に出て少し変わったようだった。視野を広げられるようになったという成長に感動していた。


「母様はもともとレイブン家のご令嬢だったらしいじゃないか!!それにレイブン家の血をひく者で生き残っているのは母様ぐらいなんだろ?だったら、今『死神』の土地になっている場所は本来は母様のものだろ!なんで取り返そうとしないんだ!俺なら出来る、俺が取り返してくるよ!!」


 あたしとしては最早あの呪われた土地に未練も執着もなかった。そもそもあそこにはいい思い出が無かったから。だけど、なんだか熱く語る愛息子に感化され、あたしは彼の自由にさせようと決心した。


「分かったわ。自由にしなさい。あたしは応援してるわ。」

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