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私は私で私である  作者: ファムファタール
1/2

1、ちゃらんぽらん

案外死ぬときは呆気ない。

今までの人生がストン、と終わってしまうような、悲しみもない最後だ。私は、そんな最後を望む。


 失恋をしたのは中学3年生…去年の夏だった。

ジリジリという音を立てそうな太陽が無駄に夏を主張していたような気もする。蝉も残りわずかな命を使い果たしたいように精一杯鳴いていた。

そんな皆が一生懸命夏を乗り越えていた頃に彼氏は、失恋しよう、と。

その一言であっさり私は切り捨てられた。その瞬間、あぁこの人はもう元彼なんだなぁって思った。

何かを捨てるとき、また捨てられるとき様々な葛藤を抱え表面上はあっさりと終わってしまう。

後々ドロドロぬめぬめした黒とは言い難いような、それらしい色が私の体を埋め尽くした。

が、考えることを辞めたがったのもそれが原因なのかもしれない。

 それでも生きていこうと思ったがいつでも頭を過ぎるのは「死ぬ」こと。

救われたいが為に自分の人生を自ら終わらせてしまうということは、老衰も他殺も病死も関係なく私が私を殺すことになる。

それで私が救われたとしてもその死体掃除など死んだ後の心配や、これから生きていくと仮定して何をどうすれば良いのかも分からない。


 高校を入学したことで元彼とはオサラバハッピー!だと思ったが、以外と体力は使うし変わってしまった人間関係に慣れないでいた。

元彼は同じ中学校の同級生だった、その中学生時代よりは大幅にましだと思いたい。新しい恋人でも暇潰しとまではいかないがまぁそこそここの生活を楽しむためにも誰かとパートナーになりたい、そう思って今に至る。恋人は出来ませんでした。

 

 高校2年生の夏、再び事件が起こる。私はきっと夏に恨まれたんだ、こんちくしょう。

はじめて上靴を隠された。その翌日には上靴はトイレのゴミ箱にあった。机の上には消しかす。ティッシュのゴミに、酷いときは体を触られた。耳元で淫乱だとかビッチなの?とか囁かれたが問答無用でその男の頬を殴った。私はそういう人間だ。

卒業する頃には友達もいなくなり本格的に一人になった。後悔はしていない。私は私であれるのだ。


 仕事はすぐに決まった。成績は比較的優秀だったしそれなりの資格もとっていた。

というか親がとれとれいってくれたお陰で就職しやすくなっていた。

私に対して最低な事をしたやつらは、私を虐めることに集中しすぎたせいか、仕事を探す事がとても大変らしい。横目で見ながら薄ら笑いをしていたことは秘密だ。

 やることをやらなかったらいずれこうなることに気がつかなかったのだろうか、だせぇ。まぁどうでもいいし、嫌いな人間にわざわざ構ってた愚かさにため息もでない。

私に構う暇があったのなら自らを磨けば良かったのに。それか、あっさりと人生が終わってしまったら良かったのにね。

高校を卒業して就職する頃には、自分を磨く行為の大切さや几帳面さを知ったのだった。

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