土砂降りの雨の中で
土砂降りの雨の中で
行く当てもなく 彷徨い続けた
疲れ果て
歩くことも忘れて
ただ
雨に打たれ続けた
一人うずくまる僕を
誰も気にしない
誰もが
帰る場所を持っている
体を伝う雫以外に
前も見えない 雨の中
ただひとり
傘を差しかけてくれた
急に視界が晴れて
この世界に
僕の居場所を見つけた気がしたんだ
土砂降りの雨の中で
傘を右手に
行く当てもなく
今日も 彷徨うけれど
今度は、僕が誰かに
差しかけられるように
そんなふうに
生きていきたい
どこまでも冷たくて
どこにも暖かい場所などないと思ってた
けれど
僕は一人じゃなかったんだ
誰かの軒先になりたい。