ハッピーエンド
ハニーは、なかなか泣き止まない。かれこれ30分たった。あと少ししたら、ユニコーン狩りの穴場の電話がくるはず。
私は、ユニコーン等、珍しい動物の捕縛師。捕縛師は、投げ縄を投げてユニコーンなどを捕まえる珍しい職業。でも、江戸時代からある職業で、小金牧というところに放牧場があってユニコーンやケンタウロスなどがいるの。さてと、ここは、ハニーにハニーのお話をしよう。
「昔、昔、ハニーという12歳の女の子がいました。(ハニーが泣き声を止めた)女の子は、歌が大好きで毎日歌ってました。庭に小鳥がくれば小鳥にも歌い、小鳥と一緒になってハニーの好きなハッピーエンドを奏でます。小鳥たちにはハニーがそれが好きなのがわかるのです」
♪~
電話がなった。
「はい、ヒカリ・ノッテンバイヤーです」
「こちら、○◎眼科です。ノッテンバイヤーさん、今日の4時に検査を予約されてますね。そろそろ時間なんですが、お越しになられますか?」
あー、すっかり忘れてた!すぐ行かなきゃ。
「はい、すこし遅れますが、行きます」
「では、お待ちしています」
ハニーは、私の胸から顔を上げていた。そして、小さな声で「行ってらっしゃい」と言う。
「ハニー、ごめんね。タクシーをつかまえて送るわ」
ハニーはうなずき、私たちは、非常口のドアを開けて、カラオケ屋の入り口へ小走りで急ぐ。幸いにタクシーはすぐつかまり、眼科医へついた後、ハニーを自宅へ向かわせ、私は、○◎眼科へ向かった。
眼科のドアを開けてから受付へ診察券を出す。そして、ソファーに腰を下ろしたかと思ってたら、名前を呼ばれ、眼圧の検査と視力検査をすました。それから、診察までスマホのメールをチェックする。
やっぱり、リオからメール来てる。なになに、有力情報!◎×世紀の○○にユニコーン発見!か。行ってみなくては。
「ヒカリ・ノッテンバイヤーさん、診察です」
私は、スマホをポーチにしまい、診察室へ入った。診察室のカーテンをめくったその中には、カラオケ屋で見た女性がいました。
「あなたは?カラオケ屋の?」
「そうです。ここは、非常勤で週一回働いてます。さて、眼を拝見しますね」
私は、眼を見てもらいながら、うーん、偶然ってあるのね。やっぱり、名刺もらっておこうと思った。
「うーん、これはドライアイですね。点眼薬を出しておきます。この点眼薬は、薬が下にたまるので20回振ってからさしてください。1日4回で。何か質問はありますか?」
「質問じゃなくて、名刺ください、ライブハウスとここの」
「はい、どうぞ!」
私は、2つの名刺をポーチにしまって、診察室をあとにした。