寄り道
ごめんなさい。本当は昨日投稿する筈だったのですが体調を崩して寝込んでおりました。この話も朦朧とした意識の中で書いたのでおかしな部分があるかもしれません。もしありましたら、感想で教えていただけると嬉しいです。
「おめでとうございます!ハンナさんとユウさんの功績が認められ、お二人はDランクに昇格しました。」
朝、受付のお姉さんにそう言われた。
どうやら、昨日の一件での事が評価されたらしい。
「あたしまだまだ弱いのに、あたしまで上がっちゃってよかったのかなぁ。」
とハンナが言ってたけど、これから戦闘経験を積んでいけばいいし、今回のことはラッキーだった位に思っておけばいいと言っておいた。事実、俺も逃げられるなら逃げるつもりだったしね。戦闘経験が足りていないのは俺も同じだ。
ギルドカードを更新してもらった俺たちは、今日の所はEランクの街の中でできるクエストを受ける事にした。昨日あんな事があったから、しばらくは大人しめなクエストを受けるって決めてたんだ。
そんな訳で、俺とハンナはクエスト掲示板を眺めていた。
「ねえハンナ、何かいいのあった?」
「うーん。あ、これなんてどうかな!?」
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『飼い猫の捜索及び捕獲』
飼っていた猫のグリが逃げてしまって見つからないので、捕まえてください。グリは、グレーの毛色に青い首輪をしています。捕まりましたら、直接家にお越しください。お礼は直接渡します。
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「うん、良いんじゃないかな。これにしようか。」
お姉さんの所にクエストの書かれた紙を持って行き、家の地図を受け取ってギルドを後にした。
「どんな所を探せば良いのかな?」
ギルドを出ると、ハンナが言った。
「そうだなあ、ごみ捨て場とか、路地とかじゃない?」
なんかそんなイメージだ。実際のところは知らんけど。
「ゴミ捨て場?ゴミ溜め場のこと?」
あっ、そうか。この世界にゴミ捨て場は無いんだった。
この世界では、ゴミ溜め場と言われる大きい穴の中にみんなでゴミをいれ、それを定期的に魔術師が燃やしている。
「いや、なんでもない。うーん、じゃあとりあえず路地を探してみるか。」
そういうことになった。
で、路地を探し歩いていた訳だけど……
「うええーん」
泣いてる女の子を見つけました。
いや、なんでや。
「お嬢ちゃんどしたの〜?迷子かな?」
ハンナが女の子をあやしてくれるようだ。ハンナが居てくれてよかった。俺、子供の相手するのは下手なんだよね。
しばらくすると、女の子は泣き疲れたのかハンナの腕の中で寝てしまった。ハンナすごいな。保育士になれるぞ。
寝てしまった女の子は俺がおぶって、とりあえず女の子の親を探すことにした。
といっても何故こんな所に女の子が1人で?ーーそう思ったところで、目の前を灰色で青い首輪をした猫が横切った。
「って、グリじゃん!ハンナ、捕まえて!」
「まかせてっ!」
ハンナは素早い動きで回り込むと、危なげなくグリを捕獲した。
その後俺たちは依頼を出した家に向かいつつ女の子を親を探した。
結局、女の子の親は見つからないまま家に着いてしまった。
さっさとグリを渡して女の子の親を探そうと思いドアをノックすると、出てきた女性は目を見開いた。
「リリー!?リリーじゃない!あなたどこへ行っていたの!?」
「ふぁぁ……お母さん?お母さん!!」
え?2人は親子?もうなにがなにやら。
家に入れてもらい話を聞いたところ、どうやらリリーが1人でグリを探しに行ってしまい、父親のインゴはリリーを探しに行き、母親のリンダはリリーが帰ってきたときのために家に帰って残っていたらしい。なるほどね。
するとそこへ、様子を見に父親が帰ってきた。
「ただいま。リンダ、リリーは……ってリリー!帰ってきてたんだな!お父さん心配したぞ!」
「お帰りなさいあなた。この冒険者さん達が連れてきてくれたんですよ。グリもね。」
「おお、グリも帰ってきたか。」
そして俺たちの方に向き直ると、インゴさんは言った。
「あなた方が見つけてきてくれたんですね。大切な2人の家族を見つけてくれて、感謝の言葉もごさいません。どうです?昼食はうちで食べて行きませんか?」
俺たちは、その申し出を有り難く受けさせてもらった。リンダさんが作ってくれたシチューのような食べ物は絶品だったなあ。
先行きは怪しかったけど、結果としてとても楽しい1日になった。
明日からはDランククエストを受けてみよう!
何故今回のサブタイトルが『寄り道』かというと、今回の話はこの物語が進む上でなんら関係ない『寄り道』てきな話だからです。
すみません、調子乗りました。
2/16 最近更新出来てなくで本当にすみません。体調が治りかけた直後にインフルエンザにかかってしまいまして、まったく更新出来ていません。明日にはなんとか更新するので、読んでやって下さい。