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忘れる時に  作者: 藍原たまき
2/2

再開



「じゅんた……?」



「そう!!覚えててくれてよかった!」


6年も会わないとこんなにもわからないものかと感じ、こんなにもかっこよくなるのか…と。

淳太とは小学4年生の時にこの川へ来た時に会った。時間を忘れ何時間も遊んでいた。淳太はとても優しくてかっこいいという印象だった。それは6年間たっても変わらなかった。ましては私なんて…と思っていると淳太が


「可愛くなったね!なっちゃん!」


と、美少年に言われるなんて…何年ぶりだろう。とありがとうを言うのを忘れていた。彼も川に入り2人で大きな岩にもたれて勉強、家庭など話していた。

特に恋愛の話ではとても盛り上がった。彼女はいるか聞いてみたらいると答えた。なぜかショックを受けている自分がいた。なっちゃんはいるの?と聞かれたとき


いないよ


って嘘をつこうとした、けど本当のことを言おうと思い、


いるよ!


と答えた。何時間、話ただろうか、もう日が落ちる頃、明日もここに来ると言って別れた。家に帰り夕飯を食べ母に電話した。元々ここに来たのは、母子家庭だった私は母とずっと暮らしてきた。だが、体調を崩し2週間ほどの入院をした。2週間たっても母の体調はよくならず結局退院の予定はないことがわかった。一人暮らしかぁと思っていたら、母が1人暮らしは危ないから祖母の家に行きなさいと言われた。学校は?お金は?友達は?彼氏は?と色々思ったが母が学校に伝えたらしく問題ないらしい。学校とお金の件は。友達と彼氏には伝えたら仲良しグループの子達が軽いさよなら会をしてくれた。そうして今に至る。


母に今日の出来事を伝えるとよかったね、よかったねと笑いながら言っていた。



明日、早く明日になれ、

夜の8時なのに、寝たらすぐなのに、

早くならないかなぁ、


お風呂に入り髪の毛を乾かして寝た。



なんてついてないんだ。どうして雨なんだ。あんなに楽しみにしていたのに…。あいにくの雨だった。

ついてない。

なんて思いながら空を見た。


チャイムがなった、2回、ピンポーン、ピンポーンと。祖母が出た。


なつほーーなつほーー


と祖母が私を呼んだ。


玄関へ向かう。もしかしたら…淳太じゃないのかって思いながら玄関へ向かう。


神様はいい人。大好き。


玄関に立っていたのは淳太だった。淳太はびちょびちょになって風邪引いちゃうんじゃないかって思いタオルを急いで渡した。祖母が中にお入り〜と淳太に言うと、


いいの?と私に聞いてきた。


もちろん!


って言いたかったけど何だか誘っているような気がしたので、


いいよ


と素っ気なく返事をした。


祖母はわかっていない。私が思っていたのはリビングでお話しするのかも思った。


だが、今いるのは私の部屋だ。何もない。ただ部屋の奥にあるタンスと寝て起きたまんまの布団とキズがついたちゃぶ台だ。こんな部屋…恥ずかしい。


「いい部屋だね!羨ましいな〜」


思いもしなかった。この人は神様なの?と思った。なんていいやつなんだ!と。


何を思ったか、私は彼氏の話をし始めてしまった。年上でサッカー部でかっこいいと。自慢してるようにしか聞こえないはずなのに


「羨ましい〜なっちゃんは何でも持ってるね!」


て言ってくれて。泣いてしまった。淳太は背中をさすってくれた。


「じゅんたぁ…助けて……」


ひくひくしてうまく話せなかったけど、淳太はどうしたの?と聞いてくれた。



すべて話そう。この人だったら言える。





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