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忘れる時に  作者: 藍原たまき
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祖母の家



2日前に私は祖母の家に来た。



私の家から祖母の家まで電車を2時間乗って徒歩を1間弱。


バス停が目の前にあり、最寄駅から徒歩13分という、とても交通に困らない場所に住んでいた時とわけが違う。


4歳の時に数回訪れ、小学4年生の時に1度来たきり高2まで1度も訪れていない。


家から祖母まで早いなと思っていたのも車に乗ってただただ寝ていたからだ。


いざ自力で来るとなるとお尻は痛いし、足は疲れる、とテーマパークを一日中回ってる気分になった。

それにリュックを背負い、片手に洋服と化粧品と充電器など入ったボストンバッグを持ち、10㎏はあるんじゃないかと思うほど重たい。

キャリーで行こかと思ったけど来なくて正解。電車までは来れるとして問題は徒歩では転がすことが出来ない。道はぬかんでおり、でこぼこというよりはガタガタに近い。何度かつまずき足首を痛めた。


やっと祖母の家に来たと思うと2階に夏穂の部屋があるといい行こうとすると急すぎる階段、手すりもない。手足か痛いを通り越して麻痺してる感覚の中この階段を登るのには気が失せた。しかし、80歳近い祖母に手伝いを求めるのは…と思い、上を向かずに階段に登ることにした。一段一段慎重に登り落ちることなく登った。


この14段の階段だけで1日分の神経を使ったんじゃないかと思った。


2階を見渡すと部屋が3つあり1つは衣装部屋になっていた。


一番奥が私の部屋。


ホコリだかけの床を歩いていくと畳があり部屋には似合わない大きな窓があって古びたタンスが一つ部屋の奥に置いてあった。

日差しは良くとても居心地の良いところだと思った。1階から祖母が


「どうだい?部屋は気に入ったかい?」


大きな声で私は

「すーーーごい気に入った!ありがとう、おばあちゃん!」



と伝えた、祖母はそーかいそーかいと笑顔で返した。


こんなど田舎で電波もない所なのに虫がいないが不思議に思った。蜘蛛の巣1つもない。大きな窓に行きまどを開けた。


暖かい風が行き良いよく入ってきた。



髪の毛が舞い花の香が部屋を覆い尽くした。



思わず叫んでしまった。



遠くに見える景色は点々とした家があり大きな山々があった。手前に川が流れているのが見えた。

昔、遊んだ覚えがある小さな川だ。とたんに行きたくなり、急な階段を下り祖母に川へ行ってくると伝え、暗くなる前に帰っておいでと言われ外へ出た。川まで行く道はうる覚えではあるがそれを頼りにして行った。10分もしないで川に着いた。


黒の靴下を脱ぎ、


スカートを折り、


腕まくりをし、


ネクタイを外した、



そして、思いっきり川へ入っていった。


川はとてもきれいで浅かった。1人ではしゃいでいて馬鹿らしいと思ったが、友達と海に行った時、男探しで海になんかほとんど入らずにビーチで寝っ転がってた時よりも楽しかった。川に入ってから30分ぐらいたったときに後ろから男性のような声が聞こえた。


振り向くと、背の高いサッカー少年ぽい人が1人立っていた。



「なっちゃんでしょ?とみえばーちゃんから聞いたよ!」




と私の名前を言った。


誰だかさっぱりわからない、だれだろう?と思った。サッカー少年の顔をよく見ると、



右目の上にホクロ、


首に2つの小さなホクロがあった。


「じゅんちゃん……?」



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