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オトギバナシ

作者: 杏仁

『昔々あるところに…』

 君が話すおとぎ話はいつもバッドエンド。今日は赤ずきんちゃんが狼に食べられて『お仕舞い』。誰かが書いた赤ずきんの話は、そういう終わりかたらしい。

『お仕舞い』

 決してめでたしめでたしでは終わらせない。ばちんとスイッチを落とすように『お仕舞い』。時々めでたしめでたしで終わる話が聞きたいなぁと言ってみるけど、決まって君は首を横に振る。

「昔々あるところに、に続くひとは、お姫様でも盗賊でも村人でも同じ昔の人じゃない。誰かだけが幸せになるなんてズルい」

 いつだってそう言う君の手を握って、今夜も一緒に眠る。

『昔々あるところに…』

 まれに君が話す君自身の話。嘘か本当かわからないけれど、やっぱり終わりは『お仕舞い』。続きは無いのと訊いても、君は眠ったふりをしてしまう。

 いつか君が『めでたしめでたし』で終わるおとぎ話の主人公になりますように。手を握って、今夜も一緒に眠る。

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