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ウィーン編第5話

あるものを目にしてアドルフ・ヒトラーは夢を決めます。

夢を見た……

何の夢かは覚えていない……

だがとても怒りを覚えた……

オレの将来はどうなるのだろう……

元日本人のオレに何ができるのだろうか……

8年後に起きるであろう人類史上初めての世界大戦をどうやって生き抜いていくのだろう……

オレはどうすればいいのだろう……………





「………ん…朝か……」


目が覚めて横を見たらベネディクトがだらしなく寝ている。三日間、野宿だったらしく相当疲れているようだ。時計を見たらまだ5時頃らしく外が少し暗い。


「散歩でも行くか……」


オレは眠気覚ましに散歩しに行くことにした。とりあえずドナウ川の近くまで歩くことにした。




外に出たオレは歩き始めた。周りを見渡すとまだ店は開いておらず、人もいない、野良犬や野良猫をたまに見かけたぐらいだった。




一時間ほどかけて歩きドナウ川の近くまでやって来たときには太陽がちょうど出てきて川に反射して綺麗だった。だが………


「………これは」


河川にはホームレスが溢れていた。そしてその大半が肌が白くない人……つまり有色人種だった。

オレはそれを見た瞬間、怒りを感じた。アドルフ・ヒトラーとして生まれてから一番の怒りだった。前世で覚えたことだがこの時代の有色人種の人々の扱いは奴隷同然だった。それを知っていたが実際に見ると余りに酷かった。住む所が無い白人は浮浪者収容所に入り住む所が決まるまでそこで暮らせると言うのに肌の色が違うだけでこのような扱いを受けるのか……!


「……腐ってやがる…!!」


思わずそう呟いてしまった……




また一時間近くかけて宿に帰ると周りは人がちらほら出てきて店の準備や仕事場へ向かう人がいる。時間は7時を過ぎた頃になっていた。


部屋に戻るとまだベネディクトは寝たままだった。ベットから落ちているのに寝ている。


「………だらしないな……」

「……あっ………」

「起きたか?」

「……おはよう……」

「おはようベネディクト、早く起きろご飯を食べたくないのか?」

「どこで食うんだ?」

「昨日の喫茶店だ」

「あそこか……」

「………なぁベネディクト…」

「なんだぁ?」

「夢、変わったか?」

「夢……将来の夢のことか?」

「そうだ」

「いや、変わってないな。俺は軍人になる。」

「どこの軍人になるんだ?」

「どこの軍人って……」

「オレはいずれドイツ人になる」

「ドイツ人だぁ!?何でだよ!?」

「オレの夢にはドイツの力が必要だからな」

「お前……夢…決まったのか!?」

「ついさっきな……」

「なんだ!?お前の夢って!?」

「それは………」

「それは………?」




「この世界を変えることだ」





風立ちぬを昨日見て感動して泣いてしまった……

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