青年期第9話
オヤジに冥福を……
ー1903年 3月15日ー
リンツ市内 カフェ
「うむ……」
彼、アロイス・ヒトラーは悩んでいた。彼には大切な物が二つある。一つは、家族。そしてもう一つは………
「どれを食べようか……」
ケーキである。しかし彼はケーキを食べてはならない。それは一週間ほど前に行った健康診断でのできごとが関係している。
ー1903年 3月8日ー
「アロイスさん、いくつか質問に答えて下さい。」
「はい。」
「貴方は運動をしていますか?」
「はい、極たまにしています」
「貴方は味付けの濃い食べ物をよく食べますか?」
「はい、味付けが濃い方が好きなのでよく食べます。」
「このごろ体の調子が悪いと感じたことはありますか?」
「たまにあります、頭が急に痛くなったり胸が苦しくなったりします。」
「そうですか……」
ーしばらく沈黙ー
「ほかに何か食べますか?」
「ケーキを食べてます。」
「ケーキ?」
「はい、毎日一個は食べるようにしています」
「………アロイスさん、今日からケーキを食べないでください。それと味付けの濃い食べ物を食べるのもダメです。」
その時アロイスに衝撃が走った!!
「何故ですか!?先生!?」
アロイスは先生に掴みかかった!
「お、落ち着いてぐださい……」
「何故なんですか!?」
「お…落ち着いて……」
「教えてください!先生!!」
「は…離して…」
ー数分後ー
「落ち着きましたか?」
「はい…」
「いいですか?アロイスさん、貴方は高血圧です。」
「高血圧?」
「すごく簡単に説明すると血がドロドロになって血管に詰まったりして命に関わってきます。さらに心臓発作や脳卒中などが起きる可能性が極めて高いのです。貴方はいまとても危険な状態ですのでケーキや味付けの濃い食べ物、それにお酒もダメです。止めないと本当に死ぬ可能性がありますよ。わかりましたか?」
「その…いつまで止めればいいのですか?」
「そうですね……少なくとも一年間は止めてください。」
「一年!?そんな……」
「アロイスさん、これは貴方の為なんですよ、我慢してください。でないと死んでしまいますよ?」
「わかりました………」
「ではお大事に」
ー1903年3月15日ー
時は戻り、リンツ市内のカフェに戻る。彼は一週間我慢した。それが限界だった…家族が協力してもダメだった。そして彼は後戻り出来なくなる。
「すみません、ザッハトルテを一つとコーヒーを一つください。」
「かしこまりました」
―数分後―
「お待たせしました」
「うむ…」
そして彼はケーキを食べた。そしてたべおえた彼は……
「何だ何ともないじゃないか。」
と、安心してしまった……
「すみませんワインをください。」
「かしこまりました」
数分後に来たワインをグラスに入れてそして飲んだ。それから二杯ほど飲んだ時、彼は倒れた。すぐに病院に運ばれたが間に合わなかった。享年65歳、死因は脳卒中だった。
そろそろ終わる青年期
忙しくて更新できませんでした。すみませんでした。




