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10. エバンとの約束

(ロバート視線)

アリシアに言われた通りにネックレスの黒の部分を開けようとしていると、爆破音が起こり、アリシアが倒れた。


「アリシア!!!」急いで駆けつけると、背中にはガラスの破片が刺さっていて、血がどくどくと流れている。

その背後には温室から這い出てきたブライスがいた。


温室の入り口が瓦礫で埋もれていたので、氷魔法を使って吹き飛ばした時に大きなガラスの破片がアリシアに刺さったのだ。


「この大馬鹿野郎」と叫び、アリシアを抱き寄せる。意識を失っている様だ。


エバンに薬を飲ませて、アリシアを早く医者に診せないとと立ちあがろうとすると。後ろから手を引っ張られた。


「エバン。。」


「ロバート、俺はもう助からない。出血をしてから時間が経ち過ぎた、もうレベル80の薬では効かない。アリシアに飲ませてやってくれ」とエバンが苦しそうに言う。


「俺の大事な妹なんだ、助けてやってくれ。そしてこれからはお前が守ってやってくれ」


「エバン、お前だって俺にとっては大事な友達なんだ、こんな選択肢を俺にさせないでくれ」と言うと。


「俺は史上最大のシスコンなんだよ、これでアリシアの命が助かるなら、本望だ」とニヤリと笑った。


俺は薬を口に含み、アリシアにキスをしながら、舌で薬を口の奥に押し込んだ。


するとガラスの破片が背中からカチャリとおち、出血が止まった様だ。真っ白な顔にほんのりと赤みが刺してきた。


「アリシア、アリシア!!」

と呼びかけると、アリシアはゆっくりと目を開けて、俺の大好きな緑の眼が見えた。


「お兄様は。。。」とアリシアがつぶやいた。


アリシアを抱えて、エバンの方に向けると。エバンは囁くように言った。


「、、、、アリシア、これからはロバートと幸せにな、、、、、、またな」


そしてエバンは目を閉じ、いくら呼びかけてもその目が開かれることはなかった。


「お兄様!!!!!」、アリシアは俺にしがみついて泣いている。


俺はアリシアの事を抱きしめる事しかできなかった。


それから、第三騎士団の仲間が駆けつけ、ブライスを拘束し、エバンの変わり果てた姿を見て、みんなは騎士の礼をエバンに捧げた。


エバンの葬式は魔獣に向かった英雄として国葬として行われ、俺も伯爵位を授けられた。


エバンはガーディナー伯爵領に埋葬された。棺の中にはエバンのアリシア姿絵コレクションをこれでもかと入れた。ややドン引きレベルの数だったが、誰も気にしていない様だった。


アリシアはあれから塞ぎ込み。

「私が話を思い出していれば、お兄様を救えたのに」と言って泣いていた。


その意味は俺にはわからなかったが、俺はアリシアの肩を抱えて言った。


「俺はエバンに約束したんだ、誰よりも君を大切にすると、喪が明けたら結婚しよう」


アリシアは綺麗な緑の眼に涙を浮かべて、ゆっくり頷いてくれた。


エバン、俺は一生かけてお前の代わりにアリシアを幸せにするからな。

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