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003 ウェルカム、ゴルディロックス・ゾーン(2)

◆人口(21世紀初頭)

 

 大東島は、世界的に見て農耕に適した多雨温帯のため、大東島2州の人口は2億4000万人と島人口としては世界第1位である。

(2024年。2位はジャワ島で約1億5000万人、西日本列島の本州は、人口1億人で世界第3位)


 大東島の人口分布は旧大東州に1億7000万人が居住し、本州よりも人口密度は高くなっているが、平野が多いために感覚的な過密感は本州ほどではない。

 人口密度自体は350人近いが、人の分布の雰囲気はヨーロッパの人口密度が比較的高い地域に近い。


 島の北部に広がる新大東州は、広さに対して人口6000万人で感覚的にもヨーロッパに近い。

 人口100万人以上の都市は人口密度の割に少なく、首都東京を含めて11都市ある。

 最大の人口を擁する都市は、和良平野東部に位置する統合日本国首都”東京”であり、1800万人(2020年)である。

 

 ●MAP 03 (20世紀~21世紀にかけての大東島)

 

 挿絵(By みてみん)

 

 

 ◆気候

 

 山地が少ない為に積雪も少ない。夏季には慢性的な水不足に悩まされている。

 北緯40度以北は冷帯湿潤気候、以南は温暖湿潤気候または西岸海洋性気候に分類される。

 本州と大東島の間を通る東海黒潮が島の西部を暖めており、島の東部に比べ温暖となっている。


 冬は黒潮上を季節風が通過するため、北大西洋海流が北欧に及ぼすような冬季の寒さの緩和作用が受けられる。

 よって、同緯度地域に比べ、熱帯性の植物や魚貝類の分布の北限がのびている。


 また、黒潮(北太平洋海流)の影響で、南端部は亜熱帯に近く、一部では海に珊瑚礁が形成される。

 上記のような黒潮の恩恵は、本州・有守州では限定的である。

 

 東北部は親潮の影響により全般に寒冷である。

 親潮は通常1月頃から大東島東岸に沿って南下するようになり、4月頃最も南に張り出す。

 親潮系の冷水の異常南下は、冷夏をもたらす可能性が指摘されている。


 東北太平洋岸では夏の暖かくて湿った空気(太平洋高気圧)が親潮によって冷却され霧が発生することが多い。

 台風は旧大東州では上陸することがあるが、大抵は熱帯低気圧となっているため、恵みの雨以上の影響はない。


 逆に冬の新大東州北端部は、「低気圧の墓場」の地域に属する為、非常に厳しい気象に見舞われることがある。

 島の北端は、海流や風向きの関係で、真冬の一時期は流氷が漂着する。


 ●MAP 04 (気候区分、海流概要)

 

 挿絵(By みてみん)

 

 

 ●MAP 05 (日本、大東近辺の海流概要)

 

 挿絵(By みてみん)


 

 ◆地下天然資源

 

 中生代に形成された瀝青炭が旧大東州南部で産出される。埋蔵量は700億トン(世界第5位・年産4億トン程度)と推定される。

 21世紀現在でも、十分な埋蔵量を有している。

 新大東州北部では金(※現在でも僅かに採掘が続く)、鉄鉱(※埋蔵量10億トン程度。20世紀半ばにほぼ枯渇)、他少量のレアメタルが産出される。

 石油、天然ガスは全く産出しない。

 1970年代からは、新大東州の龍嶺山地南部で大量かつ多様なレアアースが発見されて開発が進む。


 ●MAP 06 (採掘される以前の地下天然資源分布図)

 

 挿絵(By みてみん)

 


 ◆農業

 

 主要な農産物は米(ジャポニカ種)である。

 水資源が不足しているため、陸稲と水稲の作付面積はほぼ同等である。

 近年は新大東州中部~北部において乾燥に強い小麦の生産が急速に伸びており、統合日本の食料自給率を底上げしている 。


 また島の北部では、18世紀頃からジャガイモの栽培が広く行われている。

 また南北に非常に長い島のため、農作物の分布も広く豊かである。亜熱帯性からタイガ(針葉樹林帯)まで植生のある島は、地球上でも大東島だけである。

 副食としては、北の新大東州を中心にして、古くから肉食、酪農が行われている。18世紀以後は、島の北部で羊の放牧も進んだ。


 ●MAP 07 (17~18世紀の農業分布図)

 

 挿絵(By みてみん)

 


________________________

 

 ●注釈:「ゴルディロックス・ゾーン」

 

 英語で恒星からの距離が生命を発生・進化させるのに適した領域のこと。ハビタルゾーン(生命生存可能領域)とほぼ同義。

 地球上に例えるならば、温帯地域の事になる。

 意訳すると「ちょうどええ塩梅のところ」

 

________________________

 

 ◆神視点からのいいわけ

 

 カリフォルニアが大東島となった結果、一つの島が誕生しただけでなく海流の流れや地域によっては気象の変化も起きている。

 

 特に変化が大きいのは北アメリカ大陸のアラスカで、同地域はユーラシア大陸北東部のオホーツク海沿岸ぐらいに厳しい気候となっている。また、北太平洋沿岸の一部気象条件も我々の世界よりも寒冷になっている。

 

 日本列島も、この世界では有守州とされている北海道は、特に太平洋岸(東日本海岸)は温暖で中世から稲作が可能となっている。

 

 また、北太平洋海流自体が大きく変化しているので、地球規模での気象条件の変化の可能性も十分考えられるが、この世界では局所的な変化に留まるものと想定する。

 (※細かく設定したければ、それこそ「地球シミュレーター」が必要になるかも(笑))


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