Reincarnated for Revenge
またまた暫くやすんでしまい、申し訳ありません。
再開します!
「これから尋問だろ?」セリナが急に真剣な表情になった。
「うん。ちょっと搾り上げてくるよ」
そう言ってギルドを出たノアと領主のヴァルディスは、領主の馬車に乗り騎士団本部へと向かった。
襲撃犯のリーダーの男は到着してすぐに、バルデック騎士団本部へと送致されていた。
騎士団本部へとやって来たノアと領主ヴァルディスは、騎士団長レオンハルトに出迎えられ、リーダーの男の元へ案内された。
男はノアに気づくと、少し怯えた表情をした。
「やあ!少しぶり。話の続きをしに来たよ」
ノアの言葉を聞いたその時、何かを決意したようだった。
「どうせオレは処刑されるんだろ?それなら知っていることは全て話すよ。助かろうなんて思っちゃあいない」
「そうだね、姫の命を狙ったんだから極刑は免れないだろう。だから全て話してくれるのはいい心がけだ」
「だが、お前の態度次第では考えてやらんこともない」
ヴァルディスの言葉に頷きながらも、それを否定した。
「慈悲を掛けてもらおうなどと思ってはいないし、抵抗する気もない。それに、そこの勇者様には勝てる気がしない・・・」
「いいねぇ!うんうん、それじゃあ話してもらおうか」
「あぁ・・・」
「まず、指示した人物はだれ?国のお偉いさん?」
「もちろん国の指示だろうが、直接オレたちに指示してきたのはナジムという男だ」
「ナジム?」
「なんでもナジムという奴は、勇者誕生を阻止しようとしていたらしいのだが、なぜか真の勇者が生まれてしまった。なぜだ?わざわざ異世界に行って、その存在を消したのに・・・と言っていた」
「はっ?異世界に行った??そのナジムが?」
驚きの表情を見せるノア。
「転移魔法で勇者の血筋を途絶えさせるために、連邦国から送り込まれたんだ」
「なんてことだぁ・・・そのナジムってのはどこにいる!!」
ノアの顔が怒りの表情に変わる。
「今はどこにいるのかオレは知らない。だが、南の方へ行ったんじゃないかな?連邦国は、この大陸の南の小国を攻めるようなことを言っていたからな」
「わかった、南だな!そのナジムって男を必ず見つけ出して、消してやる・・・」
--連邦国、そしてナジム! 勇者の血筋だというのなら、母と姉は関係ないだろ!絶対に滅ぼしてやる!!これは復讐だっ!! それに小国を攻める?ふざけんな!!ぶっ潰してやる!!
ノアは強い意志を持って復讐を誓った。
「ヴァルディスさん、南へ行ってくるよ」
真剣な眼差しを領主ヴァルディスに向ける。
「行くのか・・・そのナジムってのが仇なんだな。追うのか?」
「追う。どこまでも追いかけてやる」
静かにそう告げるとヴァルディスは、軽く頷いた。
「わかった。追え!そして南の小国を攻めるというのも気になる。止めてくれ、ノア・・・」
「うん。それと、見つけたらその場でたたっ斬ってもいいか?それとも引きずって来ようか?」
「・・・斬れ!」即答したヴァルディス。
「わかった・・・」
ふう・・・と大きく息を吐くと、グッと掌を握り「行ってくる」と言って、騎士団の庁舎を出た。
ギルドに戻り、ブレイズリンクのメンバーとローズスパイラルのメンバーに集まってもらった。
「みんな聞いて!私はこれからこの国の南へと向かうことになった」
「南?何しに?」
ナディアがきょとんとした顔で聞いた。
「・・・私の家族を殺した男が、南へ向かっていることがわかった・・・だから、追いかける!」
「えっ!?」驚いた表情を見せるメンバー達。
「ノアちゃん・・・」
ユウトが呟いた。
「そう・・・わたしの・・・家族の仇だ」
「よし!行こう!」
セリナが言うと他のメンバーもウンウンと頷く。
ノアが慌てて「待って待って!」と制した。
「みんな行ってしまったらこっちが手薄になってしまう!だからセリナ達にはこっちを守って欲しい」
「え~~っなんで?みんなで旅に出ようよ」とリズが言うと。
「勇者となったノアさんは、とにかく狙われる対象なんだから、少ない人数だったら危ないでしょ!」アイナが必死に訴えていた。
「ん?私が負けるとでも?」
アイナに指差しニカッとした。
「いや、ノアさんは強いからやられるとは思ってないよ?でも人数がいた方が楽でしょ。いつ襲撃されるかわからないし・・・」
「なんだかんだ言って、みんな行きたいんだね」
と笑いながら言った。
「でもね、ここが手薄になって襲われたらどうすんの?」
「それなら全員で行って来ていいぞ!」
後方から急に声がかかり、一斉にその声の方に注目すると、ギルド長のココネが立っていた。
「あっ!ココネさん!全員行っていいの?なんで?」
「こっちは心配いらないよ。騎士団も警戒を強化してくれるし、ここの冒険者を舐めてもらっちゃあ困るねぇ。あんたらほどじゃあないけど、それなりに実力のあるやつらもいるからさ。それに、あんたらも知ってるだろ、ブレイヴフォースってパーティーを」
「知ってるも何も一緒に戦った仲間だよ。ねえセリナ?」
「そうだね、よく知ってるよ」
うんうんと頷きながらココネが続ける。
「そのブレイヴフォースが依頼のことでこっちに来るらしい。向こうのギルド長から連絡がきたんだ。よろしくってね」
「おぉ~久しぶりだね」
ノアは嬉しそうにセリナの顔を見た。
リズたちローズスパイラルのみんなも「久しぶりだねぇ~」と口々にしていた。
「ところでいつ来るんですか?」
「明日の朝だよ」
「そうか、それなら会えるね。顔を見てから私たちは出発しようか」
――翌朝
ギルドに全員が揃い出発の準備をしているその時。
「おぉー!セリナにノアじゃないか!久しぶりだなぁ!!」
リーダーのカイを先頭にリアド、ミレイナ、ゼインがギルドに入って来るなり声をかけてきた。
「カイ~!元気そうじゃない!怪我はもういいの?」
「久しぶりねカイ」
それぞれのメンバーで握手を交わし、近況を語り合ったりしていた。
「怪我はとっくに治ってる、ありがとう」
ギルド内はブレイヴフォースのメンバーが入って来た時から「だれだ?」と口々に囁いて、 少しザワつき始めた。
「あのパーティーってブレイヴフォースじゃないか?」若い冒険者が思わず声を上げた。
「あぁ間違いない。やっぱりトップパーティー同氏はお互い知り合いなんだな。早く俺たちもああならないとな」
「もちろんだ!」
そんなことを若い冒険者たちは、目を輝かせて言葉を交わしていた。
上位パーティーになれば、受けられる依頼も難易度が上がるが、報酬は格段に上がる。
セリナやカイは彼らにとってまさに憧れと目標の象徴。
その背中に少しでも近づこうと日々の鍛錬に励んでいた。
だが、それ以上に勇者ノアのパーティーと共に戦えるという、その名誉こそが冒険者にとって最大の栄誉だった。
「ところでカイたちは私たちが不在の間こっちに滞在してくれるんだよね?」
「あぁ。というか、オレ達も依頼があるからそんなに早く戻れないんだよ。だから暫く滞在することになる」
「なるほどぉ、じゃあ私たちと交代だ」
「そういうことだ。ミレスタを頼むぞ」
「バルデックをお願いね」
そんなやり取りを見ていた他の冒険者たちから「ノアさん!俺たちもここバルデックの冒険者だ、自分たちの街は自分たちで守る!だから、安心して行ってきてください!」と声がかかる。
「おぉー!いいねぇ!!みんな頼んだよぉ!」
「ハイっっ!」
その場にいた冒険者たちが一斉に声を上げた。
ギルドの空気が確かに一つになった。
「こっちのことは気にするな。心行くまで暴れてこい!そして必ず仕留めて来いよ!」
ギルド長のココネが発破をかける。
「わかってる・・・これは私の復讐なんだから・・・。復讐するために転生してきたのよ私は・・・」
ノアは決意を込めた表情で、ココネに告げた。
必ず討ち取ってくる!と・・・。
「Reincarnated for revenge か・・・」ユウトがボソリと呟く
「ん?なんて言ったの?」隣にいたセリナが悠斗に聞く。
「ああ前の世界の英語って言葉だ」
「どんな意味?」
「そのままだよ、“復讐のための転生”だ」
「なるほど・・・」
納得した様子で頷きながら、ココネの傍まで行き「じゃあ行ってきます」と告げて、ノアに向かい「そろそろ行こうか」と言った。
ノアは「うん!」と返し「よし!みんな行こう!!」と声を掛けた。




