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『NOA: Reincarnated for Revenge(復讐のための転生)』  作者: mikioneko


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42/52

勇者パーティー

お待たせしてしまって申し訳ありません。

「ん?いいよ」と木剣を受け取り、中央へ出る。

 木剣を構えるのと同時に騎士は勢いよくノアに掛かって行ったが、スッとかわすのと同時に相手の木剣を飛ばし、木剣の先を騎士の喉元に突き立てる。

 その速さに「・・・今何が!?」と騒めいた。

「次は?誰がやるの?なんなら全員で来てもいいよ」


 訓練場の中央に立ち、周囲を見回すが誰も名乗り上げようとしない。

 そんな時一人の男が前に出てきた。

「俺の相手をしてもらえないだろうか」

 出てきたのは王都直属騎士団団長レオンハルト。

「俺はこの騎士団の団長レオンハルトだよろしく」

 場の空気が張り詰める。

 低く響く声とともに、ナイスミドルの団長が中央へ。

 黒髪に混じる白髪、鍛え抜かれた体躯。剣を構える姿だけで、周囲の団員とは格が違うと誰もがわかった。


 木剣を構える団長。

 ノアは無造作に団長と対峙する。

 合図と同時に、レオンハルトの剣が閃く。

 その踏み込みは速い。重さと鋭さを兼ね備えた一撃に、見ていた団員たちは息を吞んだ。

 しかし、ノアはその一撃を、紙一重の動きで流す。木剣同士が打ち合わさった瞬間、団長の腕に痺れる衝撃が走った。


「・・・っ!」

「さすが団長!と仲間が叫ぶ中、さらに連撃が繰り出される。

 切っ先は正確、隙はほとんどない。確かに団員とは別格の剣筋。

 だがノアは淡々とそれを受け流し、弾き飛ばす。

 一合ごとに団長の体勢がわずかに崩されていき、汗が額を伝った。

 最後の一撃を振り下ろした瞬間、ノアの木剣が音もなく滑り込み、団長の首筋にピタリと止まる。


「ここまでだね」

 ノアの声は低く、淡々としていた。

 レオンハルトは荒い息を整え、しばしノアを見つめる。

 やがて剣を下ろし、深く一礼した。

「完敗だ・・・。だが部下とは違うと信じて挑んだが、私すら届かない。君の力は本物だよ」

 ノアは木剣を肩に担ぎ直し、無表情のまま答える。

「練習になったよ、ありがとうね」

 その光景を見た団員たちは震え、王都最強の団長でさえ及ばぬ強さを前に、ノアの名前を刻み込むこととなった。


 朝早く、ノア達は再びギルドを訪れていた。

 広いホールにはすでに多くの冒険者が集まっており、王都らしく整然とし雰囲気が漂っていた。

 ギルド長のニャンコが、相変わらず人懐っこい笑みで迎える。

「昨日は目立ってたらしいな。騎士団長でも相手にならなぁったらしいな。まあ当たり前だが」

 ノアは肩をすくめて淡々と返す。

「ちょっと体を動かしただけ」

 ナディアが苦笑いしながら「確かにちょっとだけやった」というと、今度はウキが「ノア姐さん強すぎるっす」と騒いでいた。


 ニャンコは笑いながら机に手を置く。

「今日は王宮での謁見だな。王様の前でやらかさんようにな」

「やらかすってなに?」

「ナディアとエリナは顔を見合わせて「超心配・・・」と同時に呟いた。


 領主ヴァルディスと合流し馬車で王宮へと向かった。


 王都の中心にそびえる王宮‐-白亜の石で築かれた城壁は、陽光を受けてまばゆく輝いていた。

 いくつもの尖塔が天を突き、青い屋根瓦が並ぶ姿は、まさに王国の象徴。

 街のどこからでもその威容が見えるが、近づくにつれその巨大さと荘厳さに息を呑むほどだった。

 石畳の大通りを馬車がゆっくりと進む。

 街の人々は足を止め、馬車を見送る。

「客人かな?」「誰だろう…」と人々は口にする、子供たちは目を輝かせて手を振っていた。


 やがて高くそびえる王門の前に辿り着く。

 金と紺の装飾が施された巨大な門扉、両脇には銀鎧の近衛兵が立ち、無言で睨みを聞かせていた。

 門が開かれ、馬車が石畳の中庭に入ると、整列した近衛兵たちが一斉に槍を掲げた。

 大理石で敷き詰められた広場の中央には、花壇と噴水が配置され、整然とした美しさを誇っている。

 その奥にそびえるのは、王宮の本館。大理石の壁に巨大なガラス窓、黄金の紋章掲げられた扉。

 馬車がゆっくりと停まると扉が開けられ、ノア達の視界に圧倒的な王国の威光が広がった。

「これが王宮・・・」

 ノアの胸に、言葉にできない緊張が広がる。


 高い天井には黄金のシャンデリア、床には磨かれた大理石。

 赤い絨毯が玉座まで真っすぐに伸びる謁見の間へと、ノア達は領主ヴァルディスに導かれて入った。

 両脇には銀鎧に身を包んだ近衛騎士たちが整列し、最前列には騎士団長のレオンハルトの姿。

 彼はノア達に一礼し、低い声で告げる。

「領主殿、そしてブレイズリンク一行・・・よくぞ来られた」

 ノアも淡々と頷き返す。


 やがて、扉の奥から重々しい足音が響いた。

 大臣たちが次々と姿を現す。

 宰相を先頭に、軍務卿、財務卿、内務卿・・・いずれも威厳を漂わせ、定位置に並んでいく。

 その一歩一歩に謁見の間の空気は益々張りつめていった。

 そしてついに、玉座の背後の扉が開かれる。


「国王陛下、ご入場!」 

 重厚な声とともに、王と王妃が姿を現す。

 王は堂々たる体躯に深紅のマントを纏い、玉座へと歩み寄る。

 王妃は気品ある微笑みを浮かべ、その隣には若き王子と姫も控えていた。

 王子はまだ二十代前半ほど、精悍な面立ちで父を支えるように立ち、姫は可憐な佇まいながらも凛とした眼差しで来訪者を見据えていた。


 全員が跪いている中、バルデック領領主ヴァルディスが口を開く。

「国王様、この者が冒険者のノアでございます。そして、その後ろに控えておりますのが、ノア率いるブレイズリンクのメンバーでございます」


 ヴァルディスの横で軽く頭を下げる、ノアとメンバー達。

「今日はよく来てくれた、楽にしてくれ」

 全員が立ち上がる。そして、王が再び口を開く。

「ノアよ、まずはお前に会わせたい者たちがいる。呼んでくれ」

 魔法師団長が扉を開け、誰かを呼び掛けていた。


 そして入って来たのは三人の男女。

 鋭い瞳をした青年、ひとりは色気を纏った美女、もう一人はスタイリッシュな雰囲気を持つ盗賊風。

 ノアは眉をひそめる。

「・・・誰?」

 王妃が微笑んで説明する。

「彼らは勇者を支えるために、この世界に召喚された者たちです」

「勇者を・・・支える?」ノアが小さく呟く。


 王の合図で魔法師団長が進み出て、淡々と事実を語り出す。

「彼ら三人は、勇者召喚の儀において従者として呼ばれた者たち。そして、真の勇者として選ばれたのはノア殿、貴女です」

 ノアは驚きに目を見開き、三人を見渡す。

「私が勇者?それでこの人らが仲間?」

 三人は頷き、それぞれが真剣な眼差しでノアを見つめていた。


「どうして私が?」

「実はあなたは勇者の末裔なのです」

「はぁ?」

「あなたの先祖が勇者だったんです。もう数十年も前ですが、当時の勇者があなたのいた世界に飛ばされたのです。そして、そちらの世界で生活し子孫が生まれた。その家系があなたの父上であり、ノアさんあなたです」

「じゃあ私の父親は知っていたの?」

「いや、恐らく知らないと思います。何代も前の話ですから、言い伝えられてはいないはずです。例え言われていたとしても、異世界の話なんて誰も信じないでしょう」


「まぁ確かに・・・」

「そして…ここからが少しというか・・・かなり辛いお話になると・・・思います」

「ん?」

「我々は連邦国に対して、ずっと諜報活動をしておりました。そこで掴んだ情報なのですが、連邦国は、勇者の家系であるあなた方を抹殺しようと企てていたのです」


「なっ!」

(クソやろぉぉぉぉぉぉーーーー!!)

 ノアの脳裏にあの時の光景が蘇った。

 広間に響く魔法師団長の声。

「ノア殿、ひとつわからないことがあるのですが・・・」

「なに?」

「連邦国があなたのいた世界に、刺客を送り込んでいたこともわかっています。あなたが向こうで殺害されたのは、この三人から聞いています」

「それで?」

「その・・・送り込んだ刺客もこちらに戻っているようなのです」

「えっ!?」


 ノアの瞳が大きく見開かれる。

「一度異世界に送られると、戻すことなどできないはずなんですよ。なので、何があったのかあなたに聞きたいのです」

「何があった?そんなのうちの家族が殺されてて、私も刺されて、それでもその犯人を私が馬乗りで刺し殺した。そしてそのまま意識が無くなって、気が付いたらこっちに来てたんだ」

「馬乗り?」

「そぉ・・・、あの野郎!笑ってやがったんだよぉ!!笑いながら家族を殺した!笑いながら私を刺した!だから馬乗りになって、その笑ってる顔面に奪ったナイフで・・・」


 今まで落ち着いていたのが、ここで一気に感情が爆発した。

 堪えていた涙が思わず零れる。

 その場にいた誰もが涙した。王も王妃も王子も姫も、騎士団もみんな・・・。


「ノア殿、心中お察しします。先ほど馬乗りと仰られていましたが、恐らくそれが原因であなたと重なり、勇者召喚の際にこの世界に一緒に現れてしまったようです」

「そうか・・・あの時殺したと思ったのに、あいつもこっちに・・・それをさせたのは連邦国なんでしょ?」

「はい」

「その男を見つけ出してもう一度ぶっ殺す!そして、連邦国を必ず潰す」

 その声は怒りに震えながらも、謁見の間全体を揺るがすほど強かった。

「家族を襲ったこと、必ず後悔させてやる!」


 静かに見つめていた王が口を開いた。

「ノアよお前を我が国の真の勇者として、ゼルフェリア王国国王アルデリオスの名の下に認める。そして、召喚された三人と共にそなたのパーティーを勇者パーティ―ブレイズリンクとしてこの国の防衛にあたって欲しい」


 ブレイズリンクのメンバーたちは、感無量という面持ちで王を見つめていた。

「ノアよお前の怒り、悲しみ、全て理解している。それを力に変え歩んで行って欲しい」

「わかりました」神妙な顔で頭を下げるノア。

さらに「王様!連邦国を潰すのを許可してもらえますか?勇者としてではなく、これは私個人の復讐なので」

「お前が個人で動くのなら何もいわんよ」

「よし!王様の許可をもらったぞ!」

 片手をあげて叫んだ。


 謁見も無事終わり、ノア達とユウト・リアナ・ナツメの八人は、一旦控室に通されてお茶を振舞われた。

「you tuberをしてたノアちゃんだよね?」

 ユウトがノアに近づき声をかけた。

「ん?私を知ってるの?」

「知ってるも何も俺はずっとファンだったんだよ。毎回欠かさず配信を観てた。それが俺の日課だったから・・・」

「じゃあ事件のことも知ってるってわけ?」

「もちろん、リアルタイムであの事件のニュースを見た。その瞬間、俺はこっちに飛ばされたんだよ」

ブレイズリンクのメンバー達も興味深そうに聞いていた。

「それって前にノアさんが言ってたゆーちゅーばぁとかのこと?」

「そう、それ」

「じゃあ前の世界のノアさんを知ってたんだ」

「そうなるね」

「ノアさんってどんなだったんですか?」

 ナディアが興味津々でユウトに聞いてみた。

「それはもうメチャクチャ可愛かった!ちょっと今とは雰囲気が違うけど、前はもっと幼い感じだったよね?」

「うむ、私は元々可愛いのだよ」と言いながら、ニカッと笑った。


 そんな話をしているところへナツメとリアナもやって来た。

「私もノアちゃんの配信を観てたんだよ」

「そうなの?」少しびっくりしたようにリアナを見つめた。

「あれ?」リアナの顔を見て何かを思い出したような感覚になった。

「ねえ、前にどこかで会った?」

「うん・・・実は会うのは初めてじゃない・・・」

「どこで会ったのかな?」

「二回くらいかな?魔物討伐の時とか、森の中に入って行った時とか・・・」

「・・・あっ! 謎の女ぁ!!」

 ノアが声を上げると、他のメンバーも「えっ!」と一斉にリアナを見た。


「謎の女って・・・実は気づかれないように遠くからずっと見ていたの」

「そうだったんだ・・・でもお陰で助かったのは事実。助けてくれてありがとう!」

「いえいえお礼なんて・・・」

「すごい!あの強大な力は半端じゃないよね」

 感心したようにナディアが言う。


 そんな時、エリナが「ユウトさん?」とユウトに向かって言うと彼は「あぁぁぁっ!エリナちゃん!?」と驚いたような声を発した。

「ん?なんだなんだ知り合いか?」とノア。

「うん・・・わたしの・・・お客さん・・・いつも指名できてくれた」

「えぇぇぇぇ・・・・!」と驚愕の声を上げるノア。

「まぁ・・・ということは、ノアちゃんはエリナちゃんの前を知ってるんだな・・・」

「うん、聞いてはいる」


「これから仲間になるんだし、全部正直に言うと、こっちの二人も前からの知り合いなんだ」

「ん?どう言うことだ?この二人もエリナと同じような、仕事なのか?」

「いや、この二人は違う。リアナちゃんは埼玉の川越のキャバ嬢で、ナツメちゃんは金沢のキャバ嬢で・・・」

「はぁ?ということは、お前は自分のお気にの女の子三人を一緒に連れてきたってことか!」

「いや、連れてきたというか、たまたま偶然こうなったってだけで・・・自分が一番驚いているんだが・・・」


「ユウトはどこにいたんだ?」

「俺は京都だけど」

「じゃあなにか、京都から金沢や川越に通ってたってことか!」

「まぁ・・・そうなるね・・・」

「なんだそりゃ?ただの、どスケベじゃないか!」

「えっ!どスケベって・・・・」

「じゃあ、わたしのこともそんなスケベな目で見ていたのかっ!」

 一斉にユウトに視線が集まった。

「ちがうからっ!」

 強く否定するユウトを見て、リアナとナツメが爆笑していた。


「姐さん、そのきゃばじょおーってなんすか?」

「子供は知らんでいい!」とノアがピシャリ。

「はいっす・・・」

 ナディアとゴルドも訳が分からずキョトンとしていた。

「まあとにかく、うちのメンバーを紹介するよ」

 とノアが言うと、全員が立ち上がった。


「まず、この子がナディア弓使いだ。その隣のごついのがゴルド、タンク役だ。そしてエリナ、私たちと同じ召喚者で攻撃魔法の使い手だ。そして最後がウキ、主に偵察や諜報活動をしてもらってる」

「わかった、今度はこっちだね。俺はユウト剣を使ってる。こっちがリアナ、魔導士だ。そしてナツメ、盗賊スキルで諜報活動が得意だ。この二人はかなり強いから期待してくれていい」

「なるほど、盗賊が二人と魔法使いも二人か・・・これは最強のパーティーになるね」

「うん、すごいよ!」

 ナディアが嬉しそうに言った。


「私たちの拠点はバルデックなのよ、だからあっちに行くことになるけど、大丈夫?」

 とノアが三人に向かって聞いた。

「それは聞いてるからなんの問題もない。王都よりバルデックのほうがギルドも活発なんだってね。それに色々連邦国がちょっかいをかけてるらしいし」

「そうなんだよね、だからバルデックに戻ってネコさん探しをしよう!」

「えっ?ネコ探し??」三人の声が揃った。

「あれ?聞いてない?わたしらはネコさん探し専門だよ?」

「違うからっ!」すかさずナディアが突っ込んだ。

 

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