討伐隊 ⑤
ドサッと膝から崩れ落ち「クソ・・・情けない・・・」と項垂れた。
セリナはノアの隣に立ち深く息を吸った。
傷だらけのノアがほほ笑む。
「いける?」
「ええ、もちろん。あなたをほっとけるほど冷たくないからね」
剣を構えながら、セリナがそう返した。
ヴァルグレイドの翼が広がる。
巨体がゆっくりと向きを変え、再び咆哮を放った。
ゴオォォォォォォォォッ!!!
地面が揺れ、視界が白く染まる。
だが、もう怯える者はいなかった。
「ナディア援護して!」
ノアが叫ぶと同時に、セリナが後方に指示を飛ばす。
「フィオナ、ブレスが来るタイミングで目晦ましの魔法を!」
「了解!」
フィオナの魔法が光を放ち、巨大な爆煙がヴァルグレイドの顔面を覆う。
ナディアが翼の根元目がけて弓矢を放つ。
「今だ――!!」
二人の姿が、爆煙の中へと消えた。
ノアとセリナ、剣と刀がそれぞれの閃きを描いて、ヴァルグレイドの左翼へと向かっていく。
「はあぁぁぁぁぁぁぁーーーーっ!!!」ノアが叫びながら、翼の付け根目がけて跳ねた。
「このヤロウ!!!!」渾身の一撃を翼の付け根へ振り下ろした。
その瞬間、ノアの刀が一瞬パッと光を放った。
ズバァァァァァァッ!!!!
ヴァルグレイドの翼が千切れ、巨体がバランスを崩した。
絶叫が森に響く。
「止めだっ!!」
ノアの刀がヴァルグレイドの左目を突き刺すのと同時に、セリナも右目に剣を突き刺した。
バキバキバキと枝が砕ける音と共に巨体が崩れ落ちた。
ノアはその場に膝をつき、刀を地面に突き立てた。
「終わった・・・・?」
セリナが隣にしゃがみ込んだ。
「取り敢えずはね」
「姐さん!!大丈夫っすか? 」ウキが駆け寄り、簡単なヒール魔法をかけた。
「ありがとう。ちょっとましになったかも・・・」
ゆっくりと立ち上がり、大きく体を伸ばしてみた。
――大丈夫だ。体は動く。
ナディアも近づいてきて「もう大丈夫なの?」と声を掛けてきた。
「うん、大丈夫。それよか、すぐに村に帰るのかな?」
「どうなんだろう?ちょっと聞いてくるね」そう言ってギルド長のザリオの所に向かった。
「ノアはこれからどうするの」セリナが聞いてきた。
「一度町に戻ったらバルデックに行く準備をするよ」
「そうだ、バルデックに行く途中って言ってたよね」
「うん、バルデックで正式に冒険者登録して、拠点にしようかと」
「そうか・・・バルデックかぁ・・・私らも移ろうかな・・・」
「一緒に行く?」
軽く聞いてみた。
つもりだった・・・。




