ブレイズリンク ⓶
武器屋を出た三人は、ウキが加入した事を告げに、もう一度ギルドに向かう。
今買ったばかりの刀を携えて。
どうせ顔合わせはするが、前もって言っておいた方がいいような気がしたので、戻って来た。
「ところでウキッキーってギルドに登録してるのか?」
「あっはい登録してるっす。てか、ウキッキーって・・・」
ギルドに到着し、受付でギルド長のザリオを呼んでもらった。
「どうした?」ザリオが奥から顔を出し、声を掛けてきた。
「ザリオさん、うちのチームが一人増えたので、それを報告しに来たんだけど」
「ん?増えた?先ほど出て行ったところだろ?この短時間に増えたのか?」
「うん、なんか変なのが増えた」
後ろで控えていたウキを前に押しやり「こいつ」と一言だけ。
ウキは緊張しているのか、微妙に足が震えている。
「あ、あのぉ・・・ウ、ウキ・・でっす」
ウキをじっと見つめ「大丈夫かこいつ?」と心配そうな顔でザリオは言った。
するとノアは「さあ?」と肩を竦めた。
「まぁいいだろう、足手まといにならなければな」
「ハイっす!」とぺこりと頭を下げた。
「それと私たち人も増えたので、チーム名も考えた」
「ほぉどんなパーティー名だ?」
「そうかパーティーか、うん、私たちのパーティー名は」
ひと呼吸おいて、
「ブレイズリンクだ」と胸を張って言った。
「うん、いいパーティー名だ。それで、どんな意味だ?」
「意味は・・・、炎の繋がりだよ。」
「へぇ~いいじゃないか、お前たちのパーティー名として登録しておいてやるよ」
「じゃあ、あさって頼むな!」とウキの背中をバンッと叩いた。
「ねえ、今ボキって変な音がしなかった?」ノアの耳元でナディアが囁いた。
「ん?そう?」関心無さそうなノアだった。
「それじゃあこれで」と軽く頭を下げて、ギルドを出た。
「ねえナディア、行商人さんに一緒に行けないってこと伝えなきゃ」
「そうだね、明日出発って言ってたもんね」
「今どこにいるんだろ?・・・あっ!そうか、同じ宿だった・・・」
歩き出すと、ウキの歩き方が明らかに+おかしい。
「姐さんたち・・・せ、背中が・・・い、痛いっす・・・」
「あら、やっぱりさっきのバキって音、背骨の折れる音だった?」
と嬉しそうにナディアが笑顔で言うと「ナディアは、ドSなのか?」
けらけら笑いながら、こちらも嬉しそうにしていた。
お腹も空いてきたので、宿へ戻ることにした。
しかし、ウキがいつの間にかいなくなっていることに気づく。
「・・・あれ?ウッキーがいない」
「またどこかで屋台でも見つけたんじゃない?」とナディアは言うが、なんとなく嫌な予感がするノア。
――その時
「へへへ、よく来てくれたなぁ、おまえ久しぶりじゃないか、ウキ坊や」
路地裏から聞こえるひときわ悪そうな声。
駆けつけると、そこには地元のゴロツキに囲まれ、壁際に追い詰められたウキの姿があった。
ウキの顔は引きつっているが、目だけはどこか覚悟を決めているように見える。
「おまえ、昔うちの情報売って逃げただろ?どの面下げて戻って来たんだ?」
「今更冒険者様かよ。背中に貼られた“アレ”まだ残ってるんだろ?」
ノアがその言葉に眉をひそめた瞬間、後ろから現れて・・・。
「黙れよお前、うちらの仲間に何してんの?首と胴体をさよならさせてやろうか?」
刀の刃先をその男の首に押し当てながら言うと、空気が凍りつく。
ゴロツキたちは顔を引きつらせ「・・・チッ、相変わらずヤベエ連中だな・・・」と言い残し、
足早に去って行った。
助けられたウキは、苦笑しながらもどこか寂し気な顔で言った。
「・・・姐さん、見られたっすね、オレの過去を・・・」
「ん?過去ってなに?お前の過去は盗賊だろ?他人の過去に興味ない」
ノアはそう言いながらさっさと歩き出した。
「姐さん・・・」ウキは泣きながらついてきた。
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