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『NOA: Reincarnated for Revenge(復讐のための転生)』  作者: mikioneko


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10/52

ブレイズリンク ➀

「それじゃあお金も入った事だし、武器を見に行こうよ」


 ナディアに言うと、それがいいとなったので、武器屋に向かった。

「ところでいくらくれたんだろう」と渡された巾着袋を開いてみると、300リル入っていた。

「あのハチを倒した報酬がこれってどうなの?高いの?安いの?」

「う~ん、高い方じゃあないかなぁ?だってあのナイトスティンガーって結構危険な魔物だよ」

「そうなんだ・・・まあ臨時収入ってことで武器屋に行って、それから何か食べよ」

「そうだね!」


 ――まあこの300リルというのがいくら位なのか、まだ分かってないのだけど。


 二人が歩き出した直後、後方から「姐さん!」と声を掛けられた。

「この声・・・まさか!」

 振り向くと、見覚えのある顔が・・・あった。

「お前―!またぶっ倒されたいのかぁー!」

「ち、違いますぅぅ・・ちょっ、ちょっと、は、話を聞いてくださいぃぃ!!」

「しょうもない話だったら首から下を切り離すからな」


 ノアが鋭く睨むと、男はビクっと震えながら口を開いた。


「あのぉ、オ、オレは、ウ、ウキというです・・・。」

「うき?浮き?雨季?うっきー?あっ!ウッキキーか!猿か!そうかお前は、お猿だったのか!」

「違います!ウキです!!」

「わかってるよ、それで話ってなんだ?さっさと言え!」

「そんな・・・理不尽な・・・」ぼそっと呟いた。

「なんだ!」

「いえ・・・あのぉ、オ、オレを仲間にして欲しいっす!」その場で土下座した。


「仲間?なぜ?お前は盗賊だろうが!」

「盗賊はもう足を洗ったっす!それで、冒険者になったんすよ。姐さんの仲間になりたくて」

「なんで私の仲間になりたいんだ?」

「あの時姐さんにぶっ飛ばされて、気づいたんすよ、この人はただ者じゃあない!って。それで、この人に付いて行こうって!」


「それで、もう改心したのか?」ナディアが聞く。

「ハイ!お願いしますっす!仲間にしてください!」

「お前は何ができるんだ?」

「こう見えて簡単な魔法が使えるんすよ。ヒーラーとして使ってもらえれば・・・。あと、

諜報活動は得意っす」


「・・・ほぉ、役に立ちそうだな」

 ノアは少し口角を上げて言った。

「わかった。仲間にしてやるよ、ウキ」

「ありがとうございますっ!!」

 ウキは土下座をして地面に頭を擦り付けた。

「それじゃあノアさん、私たちのチーム名決めない?」

「チーム名かぁ・・・何かいいのある?」


 ノアが二人に聞いてみたが、二人とも何も無いようで考え込んでいた。

 なにか閃いたようにノアが「ねぇブレイズリンクってどう?」というと。

「それはどんな意味なの?」

「炎で繋がる絆かな?」

「ブレイズリンク・・・いいねぇ♪」とナディアは親指を立てた。

「姐さん!オ、オレ感激っす!!新しいチームの立ち上げに参加できて、もう泣きそうっす」

 と言いながら本当に、わーわー泣いていた。

「さあ!武器を見に行くよ!」

 とウキを蹴り飛ばし、武器屋に向かって歩き出した。

「ひ、ひどい・・・」ウキは道端で蹲っていた。


 しばらく歩くと、賑やかな酒場があり、その横の細い路地の奥にその店はあった。


 “ベルド鍛冶工房”かなり年季の入った木造の建物だった。今にも倒れてしまいそうな雰囲気の店だが、ギルドの受付で聞いてきたので、間違いはないだろう。かなり腕のいい職人気質のおじさんが一人でやっているそうで、期待して来てみたのだが、この建物を見て「大丈夫か?」と思ってしまったのも事実だ。


 ギギギギギィィ――と錆びついた金属の音をさせる扉を開けると、むわっとした熱気を含んだ空気が頬を撫で、金属のにおいが鼻をついた。


 ――暑っ!


 分厚い腕をしたおやじが、上半身裸で火花を散らしていた。

 カーン、カーン・・・!

 鋼鉄を叩く音が、リズムよく響く。

 炉の中では真っ赤に熱せられた鉄が、じりじりと音を立てて燃えている。

 おやじは火箸で鉄を取り出すと、真剣な目で形を見極めながら、ハンマーを振り下ろす。

 汗が滴り、皮のエプロンに沁み込んでいく。

 壁には大小様々な剣や槍、斧などがずらりと並び、どれも磨かれた重厚な存在感を放っている。


「・・・いらっしゃい」

 おやじは手を止めず、ちらりとこちらを見ると渋い声で言った。


 ――ガンコそうなおっさんだな・・・。


「今手が離せねぇから適当に見といてくれ」

そう言われたので、見て回っていると一つの剣に目が留まった。


 ――これは・・・。


 そっと手に取ってみる。

 鞘から抜き刀身を掲げてみた。キラリと光るその刀身の美しさに見惚れた。


 ――これは紛れもなく、日本刀だ!


「おっさん!これいくら?」

「ん?あぁそれか、それは600リルだ」

「600・・・わかった、もらうよ」

 あまりの決断の速さにナディアもウキも驚いた顔をしていた。

「早っ!」

 ナディアは、もっと見なくていいの?という顔をしていたが、迷いはない。

「これしかない」

「ほぉ・・・嬢ちゃん、あんたなかなかいい目をしてるなぁ、それは東の大陸にある国から持ち込まれたものだ」

「東の大陸?他にも大陸があるの?」

「なんだ知らねぇのか?この国のある大陸とは別に、東にも大陸がある」

「そうなのか。じゃあそこの国の職人がこれを作ったのか?」

「そうだ」ぶっきらぼうに答えるおやじ。


 ――なるほど・・・それは興味がある。


「その剣は使うものを選ぶぞ」作業の手を止めずに言う。

「ん?どういうこと?」

「“力”の無い者が使おうとしても全く切れない、だが“力”ある者が使うと、素晴らしい切れ味になる。その剣を使えるってことは選ばれし者ってことだ」

 と一気に言い、さらに、

「試しにそこにある枝を切ってみな」


 ウキに直径10センチほど、長さは1メートルちょっとの枝を持たせ立たせた。

「しっかり持ってろよ!」ノアが声を掛ける。

 ウキのゴクッと唾をのみ込む音が聞こえた。


 鞘から抜き、構えて「ふぅ・・・」と息を吐き、一気に振り抜いた。


 ヒュンと風を切る音と共に、枝は真っ二つになった。


「凄い・・・・!」ナディアが目を見開いて呟く。

「驚いた!・・・なんてこったぁ・・・!!」


 おやじは目を見開いて、近づいてきた。

 ノアは刀身を丁寧に見て、鞘にしまう。


「ね、姐さん・・・」ウキは茫然と立ち尽くしていた・

「今まで切った奴なんていなかったんだぞ!それよりもなにより、なんだこの見事に綺麗な切り口は!!」

 枝を拾い上げ、まじまじと切り口を見ていた。


「嬢ちゃん・・・あんた・・・何者だ・・・!」

「いや・・・普通の女の子だけど・・・」

「姐さん!やっぱり凄い人だったんすね!なんか違うと思ってたっす!」

 跪きながら泣いていた。

「嬢ちゃん、名前を教えてくれ!なんてぇんだ?」

「私は、ノア」


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