魔女見習いアーヤ見つかる……そして女神ヘラ再び人形の中から……
「だ……誰?……妖精さんですか?」
リコッチーはベッドの下に隠れていたアーヤに言った
「そうそう私はベッドの下に住む妖精なんですぅ~......っておい! 私の名前はアーヤ、魔女見習いよ! あなたも大魔法使いセリーナお姉ちゃんの家来なの?」
「誰が家来ジャスティス!」
「さっ、下へ行きましょ……」
「おい、小娘、待ちな……この空気のまま行くのか?私はアーサー王国宮廷魔術師リコッチーだぞ!」
「えっ、お姉ちゃん、魔術師なの?
セリーナお姉ちゃんとどっちがすごいの?」
「それは当然私だ! エヘン!」
すると突然部屋のドアが開き魔法王国国立魔法学院の教師でアーヤの担任ユーナが入ってきた
「大変よ、騎士がたくさん店に押し寄せて来てるわよ……あっ、アーヤさん?」
「先生……ユーナ先生~」
アーヤはユーナに抱きついた
リコッチーは言った
「今なんて言った?騎士団?」
その時1階から怒鳴り声が聞こえた
「王女様がいるのは分かっているんだぞ!そこをどけ白熊!!!」
「どきませんよ、お客さん、この先はプライベートです、どうぞお帰りください」
どうやら店長のカゴシャンが食い止めているらしい
リコッチーは言った
「王女様、お早く!」
「ええ、分かった」
アイコディーナ王女は素早く王族の服を脱ぎ捨てるとルキの服に着替えロングソードを背中に担いだ
それを見たリコッチーは魔術師の杖を取り出し呪文を唱えた
するとルキのベッドはフワフワと浮かんだ
「さあ、王女様、乗ってください」
アイコディーナ王女がルキのベッドに乗るとリコッチーもルキのベッドに乗った
「じゃあ、後はよろしく」
リコッチーがユーナとアーヤにそう言った後ルキのベッドは、ゆっくりと部屋の窓から出て店の裏側に降りた
「どうしたの?リコッチー」
「いえ、ルキのベッドが重くて、思うようにスピードが出ないのです」
「どうするの?リコッチー」
「少しお待ちください」
そう言うとリコッチー はドラゴンの杖を取り出し召喚呪文を唱えた
するとすぐに2人のイケメン竜人が現れた
リコッチーがドラゴンの姿になるように言うと竜人達はレッドドラゴンとホワイトドラゴンに姿を変えた
そして急いでアイコディーナ王女はホワイトドラゴンに乗リ、ルキのベッドを背負ったリコッチーはレッドドラゴンに乗り、店の裏手からシコークスシティに向けて飛び去っていったのであった……
バン!!!!
ルキの部屋のドアが開き大勢の騎士が入ってきた
部屋にはユーナとアーヤしかいない……
「王女様はこの店にはいません」
「何? リコッチー様はどこへ行かれたのだ! 店のまわりも徹底的にしらべろ!」
「はっ!」
「あと、白熊の獣人とメイドを捕らえて調べよ」
「はっ!」
カフェ・ド・セリーナの店長の巨大な白熊の獣人カゴシャンとアルバイトのアルテミス神殿の神官ユーカリスは両手を縛られた
数分後、店のまわりにも、アイコディーナ王女と魔術師リコッチーがいない事が分かると騎士団はカゴシャンとユーカリスを連れ大型空浮艦へ帰ろうとしたその時……
突然店の中に突風が吹いたかと思うと光とともに虹の女神イーリスが現れた
「みなさん、大勢で怖い顔をしてどうしたのー? あれっ、ユーカリス、久しぶり!」
すると女神イーリスの胸元から一体の人形が飛び出し床に飛び降りた
「ユーカリスじゃと?久しぶりじゃの、わらわじゃ、ヘラじゃ」
そう言ったかと思うと突然人形の中からオリンポス12神のボス……いや大女神のヘラが現れたのだった
「なんだ、お前は!!!」
1人の騎士がヘラの腕を掴もうとした瞬間、その騎士は消えた
騎士達はそれを見てヘラから後ずさりした
「あなたは一体……」
「なんじゃ、わらわを知らんのか? ヘラじゃ」
「へ、ヘラ様……まさ、か……」
黙り込んだ騎士団にヘラは言った
「帰ったらアーサーに言っておくのじゃ、娘を支配しようとするでないとな……」
その瞬間、大型空浮艦とその場にいた全ての騎士団は消えたのだった……




