宮廷魔術師リコッチー王女と再会する
宮廷魔術師リコッチーと王国騎士団の乗った大型空浮艦は、あっという間にアルテミスシティ郊外の森の中にあるカフェ・ド・セリーナの上空に着いた
だが大型空浮艦が降りれるような場所はなかった
リコッチーは艦長に言った
「まず私が先に行ってアイコディーナ王女様を説得してきます」
「分かった、我々も王女様に手荒な真似はしたくない...ではテレポーテーションルームに行ってくれ」
「分かりました」
リコッチーは艦長に返事をするとテレポーテーションルームに行きテレポートサークルの中に入った
「ではテレポートします」
オペレーターがテレポートボタンを押した
バサバサバサバサ、トントントントン
「痛たたたた」
リコッチーは痛さに耐えながら周りを見た
「チョコチョコチョコチョコ、トローリ」
リコッチーは今自分が木の上のチョコバードの巣の中にいて親鳥にクチバシでつつかれているのだと分かった
「なんだよ、あのオペレーター素人だな」
リコッチーはブツブツ言いながら木の上から地面に降りた
リコッチーは木登りが得意なのである
リコッチーは急いでカフェ・ド・セリーナのドアを開け入ると店長の巨大な白熊の獣人カゴシャンに聞いた
「アイコディーナ様はルキの部屋?」
「ああ、相変わらずルキ様のベッドの上だよ」
リコッチーは階段を軽快に上がるとルキの部屋のドアを開けた
「王女様ーー!!!」
「リ、リ、リ、リコッチーー!!!」
感動の再会であった...
「王女様、急いで店から出て逃げましょう、王国騎士団が今上空に来ています」
「なんですって、私を捕まえに来たのね
でもどこへ逃げるというの?」
「アリーシャ公国と接するアーサー王国の1番西の街、シコークス伯爵が治めるシコークスシティへ行ってシコークス城にいるシコークス伯爵のご令嬢リカーナ様を頼りましょう!アイコディーナ様のご親友ですよね?」
「ええ、そうだけど、でも迷惑はかけられないし...」
「そんなことを言ってる場合じゃありません!さあご決断を!」
「分かったわ、行きましょう!」
「では、行きましょう」
「あっ、待って!リコッチー、ルキのベッドを背負ってくれる?」
「えっ!なぜですか?」
「持っていきたいからよ、いいわね!」
「えー、私が背負うんですか?」
「そうよ、ルキのベッドがないのなら、私は行かない!」
「分かりました、では背負います、よっこらしょっと...あっ!!!」
リコッチーがルキのベッドを背負う為、ベッドを魔術で持ち上げた途端、ベッドの下には、行方不明だった魔法王国国立魔法学院魔法学科1年魔女見習いのアーヤがいたのだった...




