ササーヤンマート
ユミナ教皇の歓迎ガーデンパーティー当日の朝、アルテミスシティ郊外の森の中の大きな湖のそばにあるアイスの魔女セリーナの店【カフェ・ド・セリーナ】では、店長の巨大な白熊の獣人カゴシャンが開店準備をしていた……
その横では、アーサー王国のアイコディーナ王女が、ある1枚のチラシを見ていた……
そのチラシは最近、近くの草原に出来たコンビニエンスストア、ササーヤンマートのチラシだった
アイコディーナ王女は、カゴシャンに言った
「ちょっと、出てくるわ……あなた、何か武器は持ってないの?」
「武器? ロングソードならありますが」
「それでいいわ、貸してくださる?」
「はい、王女様、では取って参ります」
カゴシャンは取ってきたロングソードをアイコディーナ王女に渡すと言った
「おひとりで大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、私はそこらへんの騎士より強いんだから」
「分かりました、では、いってらっしゃいませ」
アイコディーナ王女はロングソードを腰にさすとカフェ・ド・セリーナから外に出てササーヤンマートへ向かって歩き始めたのだった……
やっとササーヤンマートがある草原に着いたアイコディーナ王女が、ササーヤンマートに近づいていくと、突然店内から筋肉ムッキムキのオスのアカカンガルーの獣人が出てきた
ヒュー……草原に風が吹いた……
お互いの視線がぶつかり、アイコディーナ王女がロングソードを抜こうと柄に手をかけた瞬間
「っらっしゃいまっせ~!!!! お客さんですか?」
突然、筋肉ムッキムキのオスのアカカンガルーの獣人が愛想良くアイコディーナ王女に話しかけてきたのだった
「えっ、あなた魔獣じゃないの?」
「いやですよー、お客さん、私はここの店員です……ささっ、中へどうぞ!」
そう言われたアイコディーナ王女は店内に入った
タラララ、ララン、タララララ•*¨*•.¸¸♬︎
すると音楽が鳴り店内から声が聞こえた
「いらっしゃいませ~、あっ! アイコディーナ王女様やん、めっちゃ久しぶりやん!!!!」
そう言ってアイコディーナ王女の前に現れたのは、メスのアカカンガルーの獣人のお腹の袋から顔を出している大賢者ササーヤンだったのである……




